土地家屋調査士は、難易度が高い国家資格。

土地家屋調査士を目指すにあたって、独学で挑戦したいと考えている方もおられるでしょう。

しかし、「独学は無理」という意見を目にすると、不安になってしまいますよね。

本コラムでは、土地家屋調査士試験に独学で合格できるかどうかについて解説します。

独学で合格を目指すための方法なども紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

土地家屋調査士試験に独学で合格は無理？

土地家屋調査士試験に独学で合格することは不可能ではありません。

しかし、土地家屋調査士試験は非常に難易度が高く、独学で合格できる人はごくわずかです。

そのため、一般的には独学での合格は難しいとされています。

土地家屋調査士試験の合格率は、例年約9～10％。

また、土地家屋調査士試験は相対評価の試験であり、例年の合格者は上位約400名のみとなっています。

ほかの受験者のレベルによって合格基準が変わるため、試験対策が難しいと感じる方も多いでしょう。

さらに、土地家屋調査士試験は択一式と記述式の両方に合格基準点が設けられており、どちらかが基準点を下回ると足切りされてしまいます。

このように、土地家屋調査士試験は非常に難易度が高い試験です。

しかし、土地家屋調査士の中には、実際に独学で合格した人も存在します。

法律系資格を持っている人や実務経験がある人、十分な勉強時間を確保できる人は、独学でも合格できる可能性があるでしょう。

土地家屋調査士試験の独学が難しい理由

独学で土地家屋調査士試験に合格することが難しいとされている主な理由は、以下の3つ。

• 難易度が高い
• テキストや教材が少ない
• 記述式の試験対策ができない

難易度が高い

独学での合格が難しい理由として、土地家屋調査士試験の難易度が非常に高いことがあげられます。

土地家屋調査士試験の合格率は例年約9〜10％、必要な勉強時間の目安は約1,000時間です。

一般的に難関として知られている宅地建物取引士（以下、宅建）試験や行政書士試験よりも合格率が低く、必要な勉強時間も両資格を上回っています。

つまり、土地家屋調査士試験は、数ある資格試験の中でもかなり難易度が高い部類に入るといえるでしょう。

また、土地家屋調査士試験には特有の難しさがあるとも言われています。

土地家屋調査士試験では、不動産登記に関する専門知識が問われるだけでなく、電卓を使った計算や、定規を使った作図などが求められます。

法律の知識だけでは解けない問題が出題されるため、計算や作図などの技術的な能力を身につける必要があるでしょう。

テキストや教材が少ない

テキストや教材が少ないことも、独学で土地家屋調査士試験に合格することが難しい理由のひとつです。

独学で資格試験の勉強に取り組む際は、テキストや問題集などの教材が必要です。

人気の資格であれば、市販のテキストや無料の学習サイトなどが充実しており、さまざまな選択肢の中から自分に合った教材を選べるでしょう。

しかし、土地家屋調査士はそれほど知名度が高くないため、ほかの資格よりも市販テキストの種類が少ない傾向があります。

また、同じ理由によって、土地家屋調査士は独学で利用できるコンテンツが限られています。

学習サイトや講義動画などの種類も少ないため、教材選びで苦労する可能性があるでしょう。

記述式の試験対策ができない

独学で土地家屋調査士試験に挑戦する際は、記述式試験への対策が課題となるでしょう。

土地家屋調査士の記述式試験では、計算や作図などの技術力が必要な問題が出題されます。

択一式のように解説を見て理解することが難しいため、独学の場合はかなりの時間や手間がかかってしまうことも。

また、土地家屋調査士試験は出題ボリュームに対して試験時間が短いため、解答時間を短縮するためのコツをつかむ必要があります。

内容を理解するだけでも相当の時間がかかるため、時間配分への対策が不十分になってしまう可能性が高いでしょう。

加えて、独学の場合は、学習上の不安や疑問を自力で解決しなければなりません。

土地家屋調査士はあまり知名度が高くないため、勉強に役立つ情報を探すだけでも一苦労です。

質問サイトでは土地家屋調査士試験に関するやり取りが見受けられますが、有資格者やプロ講師による回答ではないため、内容の信頼性に不安が残るでしょう。

疑問をスムーズに解決できないと、学習のモチベーションが下がってしまうかもしれません。

土地家屋調査士試験に独学で合格するには

土地家屋調査士試験に独学で合格するための方法は、以下の3つ。

• 午前の部の免除を受ける
• 適切なテキスト選び
• 隙間時間を活用する

午前の部の免除を受ける

筆記試験の午前の部の免除を受ければ、独学で土地家屋調査士試験に合格できる可能性が高くなるでしょう。

土地家屋調査士試験には一部免除制度が設けられており、以下のいずれかの資格を所有している人は午前の部の試験が免除されます。

• 測量士
• 測量士補
• 一級建築士
• 二級建築士

参考：土地家屋調査士試験について

午前の部の試験では、難易度が高い問題が出題されます。

また、午前の部の免除を受けずに試験を受けた場合、1日かけて午前の部・午後の部両方の試験を受けなければなりません。

体力や集中力の消耗が大きいため、午前の部の免除を受けた受験者よりも不利な状態で午後の部の試験を受けることになります。

少しでも合格の可能性をあげるためには、午前の部の免除を受け、午後の部の試験に集中することが望ましいでしょう。

免除制度の対象となる資格を持っていない場合は、まず5月の測量士補試験に合格してから10月の土地家屋調査士試験を受験する方法がおすすめです。

測量士補は、土地家屋調査士試験の免除資格の中で最も取得しやすいと言われています。

測量士補試験の合格率は約40％であり、勉強時間の目安は約200時間。

また、測量士補試験と土地家屋調査士試験は出題内容が近いため、効率良く学習できます。

実際に、多くの受験生が測量士補試験に合格し、午前の部の免除資格を得てから土地家屋調査士試験を受けています。

適切なテキスト選び

独学で土地家屋調査士を目指す場合は、適切なテキストを選ぶことが重要です。

土地家屋調査士はやや知名度が低い資格であるため、市販のテキストが少ない傾向にあります。

しかし、種類が少ないからといって、手あたり次第に購入することはおすすめできません。

テキストの内容を確認し、自分が理解できると感じるものを選びましょう。

また、土地家屋調査士の試験では択一式と記述式とで異なる対策が求められるため、それぞれの参考書と問題集が必要です。

市販のテキストは内容のレベルに差があるため、自分の学習レベルに合ったものを選ぶと良いでしょう。

隙間時間を活用する

独学で土地家屋調査士試験に合格するためには、隙間時間の活用が不可欠です。

土地家屋調査士試験合格に必要な勉強時間の目安は、約1,000時間といわれています。

1日2時間ずつ勉強した場合、約1年半かかる計算です。

長期間の学習が必要となるため、いかに勉強時間を確保するかが課題となるでしょう。

働きながら土地家屋調査士を目指す社会人は、仕事の繁忙期や残業などでまとまった時間を確保することが難しいと感じるかもしれません。

しかし、資格試験に合格するためには、毎日勉強を継続することが重要です。

スマホ学習を取り入れたり、持ち運びやすいコンパクトなテキストを活用したりと、移動や休憩などの隙間時間に学習できる環境を整えておきましょう。

土地家屋調査士試験の独学が無理だと思ったら

独学で土地家屋調査士試験に合格することが無理だと感じた方には、通信講座の利用がおすすめです。

本コラムで解説した通り、独学で土地家屋調査士試験に合格することは非常に困難です。

土地家屋調査士試験は難易度が高く、知識だけでは解けない問題が出題されるため、長期間の学習が必要です。

また、独学の場合は、教材選びや学習スケジュールの作成などにかかる時間も考慮しなければなりません。

通信講座であれば、カリキュラムに沿って学習を進めるだけで効果的な試験対策を行えます。

特に、土地家屋調査士試験の受験者は社会人が多いため、隙間時間に学習しやすい通信講座が向いているでしょう。

自分に合った講座を選べば、仕事やプライベートと試験勉強を両立しながら効率良く合格を目指せます。

まとめ

本コラムでは、土地家屋調査士試験に独学で合格できるかどうかについて解説しました。

土地家屋調査士試験は、例年の合格率約9〜10％・必要な勉強時間の目安は約1,000時間と、非常に難易度が高い試験です。

独学での合格は不可能ではありませんが、非常に難しいでしょう。

独学による土地家屋調査士試験合格が難しいとされている主な理由は、以下の通り。

• 記述式試験では、計算や作図など法律の知識だけでは解けない問題が出題される
• 土地家屋調査士は知名度が低いため、市販のテキストや教材が少ない
• 学習上の疑問や不安をすぐに解決できない
• 学習期間が長期におよぶため、勉強時間の確保が難しい

最短距離で土地家屋調査士試験に合格したい方や、独学に不安がある方には、通信講座の利用がおすすめです。

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