土地家屋調査士試験に独学合格する勉強方法!おすすめのテキストも紹介

不動産系の国家資格として例年多くの方に受験されている土地家屋調査士試験。
受験を検討している方の中には、「独学で合格できるのか」「どんな勉強方法が有効か」など、気になっている方もいるでしょう。
当コラムでは土地家屋調査士試験について、独学での合格が可能かどうか・おすすめの勉強方法などを詳しく解説。
独学の場合におすすめのテキストも併せて紹介します。ぜひ参考にしてください。
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土地家屋調査士試験は独学で合格できる?
土地家屋調査士試験に独学で合格することは、一般的に難しいとされています。
土地家屋調査士は、例年の合格率が9〜10%、必要な勉強時間は約1000時間という難関資格のひとつ。
1日3時間の学習を続けても1年はかかる計算になり、簡単に合格できる試験とはいえません。
しかし受験者の中には独学で合格する人もいるため、絶対に不可能というわけではありません。
例えば、ある程度法律の知識をもっている・調査士としての実務経験があるといった場合は、独学でも土地家屋調査士に合格できる可能性はあります。
特に、業務領域が近い測量士などの資格の学習経験があれば、土地家屋調査士試験でも役立てられるでしょう。
土地家屋調査士試験に独学合格するための勉強方法
ここでは、土地家屋調査士試験に独学で合格するために有効な勉強方法について、以下の内容で解説します。
- 択一式の勉強法
- 記述式の勉強法
なお土地家屋調査士試験では、測量士や建築士など特定の資格保有者は午前の試験を免除可能。
午前の部はスキップ前提で午後の筆記試験に集中する受験生がほとんどのため、ここでは午後の部に向けた試験対策について解説します。
択一式の勉強法
土地家屋調査士試験の択一式問題に向けたおすすめの勉強法は、インプット・アウトプットを繰り返すことです。
択一式問題では、「土地家屋調査士法」「不動産登記法」といった法律系の問題が20問出題されます。
日常生活では聞き慣れない法律用語も登場するため、まずはテキストの内容をしっかりインプットすることに時間を使いましょう。
ある程度単語や周辺知識が身についてきたら、過去問題などを利用したアウトプットで定着度を計ります。
わからなかった問題や判断に迷う問題があれば、しっかりチェックしておきましょう。
苦手分野の把握は今後の学習計画を最適化するためにも重要です。
学習期間に余裕があれば数年分の過去問題に挑戦し、頻出単語などの試験傾向を分析してみてもよいでしょう。
一通りアウトプットの時間を取って自分の得意・不得意などがわかってきたら、ふたたびテキストに戻ってインプットを行います。
アウトプットで明確になった苦手分野については、特に重点的に知識を補強しましょう。
単に正解を暗記するだけでは、紛らわしい選択肢が出題されたときに対応できません。
選択肢ごとに「なぜ正解か」「どこが間違っているか」について理解を深め、正答の根拠までしっかり解説できるくらいまでに学習を進められれば理想的です。
上記のインプット+アウトプットのサイクルを根気強く繰り返し、知識の確実な定着を狙う勉強方法になります。
一問一答形式でたくさんの問題に挑戦できるアプリなどもリリースされているため、本試験直前まで油断せず知識のブラッシュアップを続けましょう。
択一式で問われる基礎的な法律知識は、土地家屋調査士に必要な知識の「要」です。
択一式問題対策で培った知識は記述式問題でも必ず役に立ちます。
「選択問題だから正確に覚えなくてもいいや」などとおざなりにせず、基礎部分の知識だからこそ時間をかけて対策を行うことが重要です。
記述式の勉強法
土地家屋調査士試験の記述式問題に向けたおすすめの勉強法は、最初に基礎を押さえ、次に技術を押さえることです。
記述式問題は土地・建物の2分野から1問ずつ出題され、問題文を把握して申請書を作り、図面を作成するといった流れで解答。
電卓を使用する計算問題・定規を使用する図面作成など、知識に基づく「技術力」を問われる点が特徴です。
記述式問題のポイントは以下の2点です。
- 長い問題文を正確に読み解く読解力と知識
- 短時間で正確な作図を描く技術力
いきなり長文の問題にうまく回答することは非常に難しいため、まずは択一式対策で確実に知識をつけつつ基本的なツールの使い方を習得しましょう。
本試験で記述式問題に使用するツールには規定があるため、練習の段階から試験当日に使用する電卓などの使用感に慣れておくことも重要です。
基礎知識がしっかり定着していれば、記述式問題の長い問題文もスムーズに読み解けます。
まずは問題文中に登場する単語について理解を深めてから記述式問題の流れを掴み、少しずつ解答スピードが上がるよう演習するとよいでしょう。
専門性の高い単語やツールの扱いに慣れれば慣れるほど、素早く正確な解答ができるようになります。
問題の流れを把握するためには、やはり過去問題を使った練習が効果的でしょう。
ある程度スムーズに解けるようになってきたら本番の試験時間も意識して、制限時間を設けながら解答してみましょう。
練習時から本試験の時間感覚を体感しておくことで、本番でも余裕をもって解答できるはずです。
とはいえ、記述式の問題は明確な正解がわかりにくく、独学で合格基準を満たせる解答スキルを習得することはかなりの難関です。
自己流で演習を繰り返した結果、本試験まで軌道修正できないまま的外れな解答をしてしまう可能性もあります。
予備校や通信講座では、記述式問題の対策に特化した単科講座や模試、答練だけを購入できることがあります。
独学を続けながら第三者視点での添削がほしい場合は、記述式の単科講座だけ受講してみるといった方法を検討してみてください。
土地家屋調査士試験の独学におすすめのテキスト
土地家屋調査士試験の独学におすすめのテキストは以下の3冊です。
- 土地家屋調査士受験100講
- 土地家屋調査士六法
- ここから始める土地家屋調査士速習テキスト
土地家屋調査士受験100講
出典:Amazon.co.jp
「土地家屋調査士受験100講座」は、早稲田法科専門学院が出版している参考書です。
「理論編」「理論編 民法とその判例」「書式編」の3冊に分かれており、学習目標に合わせて必要な巻だけを選んで購入することもできます。
受験生からは「条文や制度の背景など噛み砕いた説明がわかりやすい」と理解しやすさの面で高く評価されています。
数が少ない土地家屋調査士試験のテキストの中で、「受験生のバイブル」と称される決定版的存在です。
最新の第6版では、令和7年6月から施行予定の法改正にも対応。
コンパクトで持ち運びやすいという特徴もあり、択一式・記述式ともに重要な知識のインプットには最適でしょう。
内容の充実度に比例して一冊あたりの価格がやや高額な点がややデメリットですが、信頼できるテキストがほしいなら選んで損はないでしょう。
初学者から中〜上級者まで、多くの受験生におすすめできる一冊です。
土地家屋調査士六法
画像引用:東京法経学院
「土地家屋調査士六法」は、東京法経学院が手がける土地家屋調査士用の法令集。
数ある法令の中から土地家屋調査士の業務領域に関わる「不動産登記法と判例」などを中心に編纂されており、法令を深く理解するために手元に置きたい一冊です。
土地家屋調査士が関わる法律分野は「民法」「不動産登記法」「土地家屋調査士法」など。
一般的な六法全書では不要な部分が多すぎ、また必要な解説はないため、土地家屋調査士に特化した六法は必須テキストといえます。
縦書き3段が多い通常の法令集とは異なり、「横書き2段」で紙面がデザインされている点もポイントです。
視認性の高さが難解な内容の理解を助け、「テキスト感覚で法令を読める」「字が大きくて見やすい」など、好意的な口コミが寄せられています。
特に、法令について学習を始めたばかりの初学者には必携の一冊です。
問題集で初見の法令が出てきた際にチェックするといった形で活かすとよいでしょう。
ここから始める土地家屋調査士速習テキスト
出典:Amazon.co.jp
「ここから始める土地家屋調査士速習テキスト」は、初学者向けの入門テキストです。
もともと別の会社から改訂12版まで出版されていたテキストが復活出版されたもので、他社から改めて出版されたことからも人気と信頼度の高さが窺えます。
初学者向けらしく、内容は土地家屋調査士試験の概要や科目ごとの攻略法、試験の骨組みなど基本的な情報に一通り触れています。
「まず試験について知りたい」といった方が最初に手に取るテキストとしては最適な一冊といえるでしょう。
あくまで入門テキストとして設計されているため、知識の網羅性の面では他のテキストほどではありません。
しかし、試験対策として押さえたいポイントはしっかり掲載されています。
本格的な学習に入る前に試験の内容を確認できるため、「土地家屋調査士に適性があるか知りたい」といった方にもおすすめです。
まとめ
当コラムでは、独学で土地家屋調査士試験に挑戦する場合について、以下の内容で解説しました。
- 土地家屋調査士試験に独学で合格することは、不可能ではないが難しい。
- 択一式問題対策としておすすめの勉強方法は、「インプットとアウトプットを繰り返す」。
- 記述式問題対策としておすすめの勉強方法は、「最初に基礎を押さえ、次に技術を押さえる」。
- 独学で合格を目指すためにおすすめのテキストは、「土地家屋調査士受験100講」「土地家屋調査士六法」「ここから始める土地家屋調査士速習テキスト」の3冊。
土地家屋調査士試験は内容の専門性が高く、対策の難しい記述問題も出題されることから、独学だけで合格を目指すことはかなり難しいです。
効率的に合格を目指したいのであれば、通信講座や予備校のカリキュラム受講も視野に入れてみるとよいでしょう。
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