土地家屋調査士試験は、限られた時間の中で正確かつ効率的に回答する力が求められる試験です。

午後の筆記試験においては、問題数に対して「時間が足りない」と感じる受験生も少なくありません。

「どうすれば時間不足に陥らないのか」「時間配分はどうすればよいのか」と悩んでいる方も多いでしょう。

本コラムでは、土地家屋調査士の試験時間から具体的な時間配分のポイントまで詳しく解説します。

加えて時間が足りない場合の対処法にも触れるため、受験を控えている方はぜひ参考にしてください。

土地家屋調査士試験の試験時間は？

土地家屋調査士の筆記試験は午前と午後の部にわかれており、合計4時間30分です。

まず午前の部では測量科目の試験が実施され、試験時間は120分（2時間）となります。

出題形式と問題数は、マークシート形式の多肢択一式10問・記述式1問です。

ただし、測量士・測量士補・一級または二級建築士の資格を保有している場合は免除されるため、対象者は午後の部のみの受験が可能です。

そのため、多くの受験生が難易度が低めの測量士補の資格を事前に取得し、午後の部のみを受験するスタイルが一般的とされています。

午後の部では民法・登記申請手続・審査請求手続・筆界・その他に関する試験が行われ、試験時間は150分（2時間30分）となります。

出題形式と問題数は、多肢択一式20問と記述式2問です。

筆記試験に合格すると、面接方式の口述試験に進むことができます。

口述試験の時間は約15分で、主に登記申請手続・審査請求手続などに関する内容が問われます。

参考：土地家屋調査士試験について

土地家屋調査士試験の時間配分

土地家屋調査士講座で定評のあるアガルートの中山講師が、土地家屋調査士試験午後の部の時間配分についてYouTubeで話されています。

土地家屋調査士試験の科目ごとの理想的な時間配分は、択一式に20分、記述式は建物に50分・土地に60分です。

残りの20分は、見直しやトラブル対応のために確保しておくことが推奨されています。

実際の試験では非常にタイトな時間配分のため、現実的には予定どおりにすべて進めることは難しいかもしれません。

択一式を20分と設定していても、本試験では2倍以上の60分かかる可能性もあります。

しかし、あらかじめ見直し用として20分を確保しておくことで、択一式で予定より時間がかかってしまっても、その分を調整する余裕が生まれます。

また、中山講師は「過去問演習でこのスピード感を基準に練習しておけば、本番で時間がずれても柔軟に対応できる力が身につく」と解説しています。

理想配分を意識した演習を繰り返すことは、単なる時間管理スキルを身につけるだけでなく、本試験での落ち着いた対応力を養うためにも非常に効果的です。

ひとつの目安として、参考にしましょう。

土地家屋調査士試験で時間が足りないときの対策

特に土地家屋調査士試験の午後の部は、択一式・記述式を150分で解かなければならず、時間の使い方が合否に大きく影響します。

本試験での時間不足を防ぐ学習段階からできる対策は、以下の3つです。

• 目安を決める
• 過去問を活用して練習する
• 実践経験を積む

目安を決める

土地家屋調査士試験での時間不足を防ぐためには、日頃の学習で「どの問題にどれくらい時間がかかるか」を把握することが重要です。

過去問などを解く際には時間を記録し、択一式・記述式（建物・土地）ごとの所要時間の目安を明確にしましょう。

目安が把握できたら、「択一式は20分」「建物にかける時間は45分」など、自分なりの時間配分を設定します。

普段の問題演習で常に時間を意識し、設定した時間どおりに解く習慣をつけることが、本試験での時間管理力につながります。

目安を自分で定めておくことで、焦らず次の問題に進む判断力も養えるでしょう。

過去問を活用して練習する

目安の時間配分で問題を解くスキルを養う際には、過去問を活用した練習がおすすめです。

時間を計りながら本試験と同じ形式・順番で解くことを繰り返すと、次第にスピードがあがり、正確性も向上します。

過去問を安定して時間内に解けるようにしておけば、本番で想定外の問題が出題されても、焦らずに対応できる余裕が生まれます。

まずは時間内に終わらせる意識をもって過去問演習に取り組み、本試験レベルの集中力を身につけましょう。

実践経験を積む

本試験で時間内に問題を解けるようになるためには、実践経験を積むことも重要です。

過去問にはない初めて見る形式の問題や慣れない試験会場の雰囲気に、ペースを乱されてしまう受験生も多くいます。

本番での応用力を養うためには、答練や模試を活用して本番に近い状況で何度も実践を重ねることが大切です。

模試を受ければ順位や得点などのフィードバックも得られるため、自分の実力チェックや弱点把握に役立ちます。

特に試験直前期には、実践形式の練習を優先して取り入れましょう。

まとめ

本コラムでは、土地家屋調査士の試験時間と具体的な時間配分のポイントを解説しました。

コラムの要点は、以下のとおりです。

• 土地家屋調査士の筆記試験は午前・午後合わせて合計4時間30分
• 多くの受験者は免除制度により午後のみ受験する
• 午後の部は、択一式20問+記述式2問を150分で解答
• 本番では時間通りに進まないことを想定し、過去問でスピード練習が効果的
• 時間不足を防ぐためには、目安を決める・過去問を活用する・実践経験を積むの3点が重要

土地家屋調査士試験は、限られた時間の中でいかに効率良く問題を処理できるかがポイントです。

そのため、学習段階から時間配分を意識して過去問・答練に取り組みましょう。

理想的な時間配分を繰り返し練習しておけば、本番で予定通りに進まない状況でも、冷静に対応できるスキルが身につきます。