ファンド経理とは
- 更新日:2025.07.08
「ファンド経理」という仕事を知っていますか。
この記事では、ファンド経理の仕事に興味をもっている人に向けて仕事内容などを解説します。
ファンド経理への転職で活かせる資格・経験、年収の目安、採用の動向などについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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INDEX
ファンド経理とは
ファンド経理とは、投資ファンドにおける経理のことです。
「ファンド」にはもともと「資金」や「基金」という意味があり、金融商品を運用する企業をファンドと言います。
投資ファンドではお金の出入りが激しいため、経理は入出金をしっかりと管理しなければなりません。
経理経験者がファンドへ、さらなる活躍を目指して転職されることもあります。
ファンド経理の特徴
ファンド経理は、経理のなかでも特に専門性が高いため、自分のスキルを磨けるという特徴があります。
ファンドそのものが専門的なルールに沿って運営されており、特有の会計基準もあります。
ファンド経理は基本的な経理作業がベースとなっているため、これまでの経理の経験も活かすことができるでしょう。
投資ファンドの業務は、バックオフィス業務とフロント業務に大別できます。
ファンド経理は、バックオフィス業務のひとつです。
ファンド経理の業務内容
ファンド経理も、一般企業における経理と同様の業務を行います。
経理には日次業務、月次業務、年次業務があり、ファンド経理も時期に応じてそれぞれ対応しています。
ただし、ファンド経理ならではの業務であるため、役割を果たすには高度な知識や能力が必要です。
ファンド経理の業務は、投資ファンドによっても違います。
担当業務によっては、国内外のクライアントと直接コミュニケーションをとる機会もあるでしょう。
投資家に提供するレポートを作成したり、質問に答えたりする場合もあります。
ファンド経理の業務詳細
ファンド経理の業務内容は、多岐にわたります。
一般的な経理と同様、入出金を管理したり決算に対応したりしています。
ファンドの収益を計算してまとめるのもファンド経理の重要な業務です。
投資家向けのレポートを作って報告する場合もあります。
把握しているお金の状況をもとに、キャッシュフロー分析や費用分析にも対応することがあります。それには、専門的なスキルや知見が必要です。
税金の申告や納税も担当しなければなりません。監査が行われる際も率先して対応します。
ファンドの種類
ファンドにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる機能をもっています。
「ファンド経理」といっても、所属するファンドによる業務の違いも大きいため、ここで代表的なファンドの種類を解説します。
ベンチャーキャピタルファンド
ベンチャーキャピタルファンドは、主にベンチャー企業に投資してビジネスを支援するファンドです。
将来的な成長を見込める非上場企業を見つけ出し、未公開株に投資します。
上場後に株式を売却して利益を得る仕組みです。
企業再生ファンド
企業再生ファンドは、業績が不振に陥っている企業をサポートするファンドです。
対象となる企業が抱えている問題を解決し、企業価値を高めます。
その後、企業そのものや株式を売却して利益を得ます。
アクティビティファンド
アクティビティファンドは、ひとつの企業の株式を多く保有して経営に関与するファンドです。
いわゆる「モノいう株主」のことであり、株式の保有数にもとづく議決権を行使して自社の利益につながる働きかけをします。
バイアウトファンド
バイアウトファンドとは、成熟産業を扱っている企業や経営上の問題を抱えている企業に投資するファンドです。
資金援助とともにさまざまなアドバイスを行い、企業価値を向上させます。
その後、株式の売却により利益を得ます。
ファンド・オブ・ファンズ
ファンド・オブ・ファンズは、投資ファンドを対象に投資しているファンドです。
各領域で成果を出しているファンドを厳選して投資対象を決定します。
不動産投資ファンド
不動産投資ファンドは、投資家から資金を集めて不動産を運用するファンドです。
運用により発生した家賃収入や売却益などを投資家に分配します。
なお、不動産投資ファンドの経理は、いわゆる「ファンド経理」とは異なります。
ファンド経理の年収目安
ファンド経理の年収は、比較的高い傾向にあるようです。
転職市場に出ているファンド経理の求人を見てみると、年収450~980万円の求人、年収500~1,000万円の求人、700~~1,000万円の求人などがあるようです。
スキルや経験によっても、期待できる年収は変化するでしょう。
また、勤務先の条件によっても、実際の年収には大きな違いが出る可能性がありますので、あくまで参考としてください。
ファンド経理に向いている人
ファンド経理に向いている人の特徴の1つが注意力です。
ファンド経理はお金の動きが特に激しく、対応すべき案件もたくさんあります。
それぞれをきちんとチェックし、正確に処理するためには、注意力が重要です。
また、ファンド経理には、コミュニケーション能力も求められます。
社内だけでなく社外の関係者とやり取りする機会も多いためです。
これまでの業務で折衝経験があれば、ファンド経理でも役立てられるでしょう。
ファンド経理に活かせる資格や経験
ファンド経理には、公認会計士や税理士などの国家資格が関係します。
税理士事務所や会計事務所での実務経験があると、アピールポイントになることもあります。
「必須」と記載されていなくても、簿記2級レベルの会計知識や消費税の基礎知識などは最低限求められていると考えてよいでしょう。
ファンド経理の採用動向
ファンド経理の採用人数は、基本的に少なめです。
転職市場全体が、コロナ渦により先行きが不透明となり、求人数が減少しました。
その頃と比較するとファンド経理の採用も活発化してきたものの、ファンドは全体的に人気があるため競争率が高い傾向があります。
ファンド業界の求人は非公開の場合も多いです。
ファンド経理の求人を探している場合は、転職エージェントに登録して、求人が公開されたタイミングでお知らせをもらうと、貴重なチャンスをつかみやすくなります。
ファンド経理のキャリア
ファンド経理としての転職を目指すには、会計基準の変化にも対応しなければなりません。
会計基準の国際化が進んでおり、現在では国際財務報告基準(IFRS)にもとづいて会計処理を進める企業が増えています。
ファンド経理としてキャリアアップするには、国際会計の知識を身につけたり、語学力を磨いたりする必要があります。
ファンド経理として実績を積んだ後は、管理職を目指すのもひとつの道です。
ファンド経理では一般的な経理以上に豊富な経験を積めるため、それぞれの業務に対応しながら少しずつスキルを磨いていきましょう。
(参考)会計士からファンドへの採用ニーズ
ファンド経理への転職を目指している人のなかには、会計士からの転職を目指している人もいるでしょう。
会計士がファンドに採用されるためには、スピード感をもって業務に対応できるスキルを磨く必要があります。
ファンドでは利益のために素早い行動が求められる場面が多いためです。
会計士の資格や監査の経験に加えてそのようなスキルがあれば、評価されやすくなります。
もちろん、専門的な知識や数字を正確に扱う会計士としてのスキルは、ファンドに転職しても十分に活かせます。
ファンドの特徴を理解したうえで、必要とされるスキルをしっかりアピールしましょう。
▶経理における管理職の役割
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この記事の監修者
経理を主軸とした管理部門の方のキャリア支援を専門としており、特に伝統的な日系大手企業への転職に強みを持つ。その他にも国内外の会計事務所や、メーカー、商社、金融、IT、医薬ヘルスケア、消費財等々、多岐に渡る業界の企業との深いコネクションを有しており、会社規模もスタートアップから上場企業まで幅広く対応。
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