- 作成日:2023.09.27
- 更新日:2023.10.26
監査法人だけではない、公認会計士のキャリアパス一覧
公認会計士のキャリアパスはどのような選択肢があるのでしょうか?試験合格後は監査法人でキャリアを積む方が多いと思いますが、その先のキャリアは多様化しています。
この記事では、公認会計士のキャリアプランについてご紹介します。
資格を活かしてさらに活躍の場を広げられるよう、知っておきたい知識・身に付けておきたいスキルについてもお伝えします。
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公認会計士のキャリアは多様化している
公認会計士といえば、監査法人で勤務するのが一般的な働き方でしたが、近年では公認会計士の資格を活かして活躍できる場が多様化しています。自身のキャリアプラン設計や、資格以外に身に付けたスキルによってさまざまな働き方を選べるようになっています。
そのため、幅広いキャリアパスがあること、またその種類を知っておくことで転職者の選択肢も格段に広がります。
公認会計士の主なキャリアパス一覧
ここから、公認会計士が選ぶことができるキャリアパスについて紹介していきます。
公認会計士のキャリアパスは、社外のクライアントに関わるプロフェッショナルファームと、企業の中で会計を行うインハウスの2つのパターンがあります。
活かせるスキルや身に付けられるスキルが異なるので、それぞれのキャリアパスについて理解しましょう。
監査法人(BIG4、中小法人)
多くの公認会計士が集まるBig4と呼ばれる大手監査法人のほか、準大手監査法人、中小監査法人の3つに分類されます。
Big4は日本や外資系を含めた大規模な企業をクライアントとしている為、有名企業とともに仕事をして自分を磨きたいという人には向いています。また、規模が大きいがゆえに業務は分業スタイルが多いようです。
準大手法人・中小監査法人は、Big4に比べてクライアント規模は大きくないものの、裁量権が大きいなどのメリットがあります。
会計事務所・税理士法人
会計事務所や税理士事務所も、選択肢の一つとして挙げられます。
公認会計士は税理士登録もできる※1ため、将来的に独立して事務所を立ち上げたいという人にとっては学びの場としても最適でしょう。
※1.平成29年4月1日以後に公認会計士試験に合格した人が税理士登録をする為には、財務省令で定める税法に関する研修を修了する必要があります。
ただし、事務所によっては税理士の資格がある場合とない場合で報酬の水準が異なることもあるようです。また事務所ごとに得意分野も異なるので、入社前のリサーチや業界理解なども必須となるでしょう。
コンサルティングファーム
最近ではコンサルティングファームへの転職を検討している公認会計士も増えてきました。
コンサルティングファームで働く場合、大きく分けて以下の3つのパターンがあります。それぞれで求められるスキルや実務内容も少し異なるので、押さえておきましょう。
財務・会計系(FAS)コンサルティングファーム
監査法人からコンサルティングファームに転職する際に最も一般的なのが財務会計系のコンサルティングファームです。特に、Big4のFASをめざす人が多く、それまでに会計士として従事していた財務デューデリジェンスや企業価値評価などの業務を活かすこともできます。
M&Aや事業再生系コンサルティングファーム
経営状況が悪化した企業やM&Aを実施したい企業の支援を行うのが主な仕事になります。資金繰りや事業再生計画の立案など、企業の存続に関わるような仕事のため、大きなやりがいや刺激を受けられるのが醍醐味と言えるでしょう。
戦略系コンサルティングファーム
新規事業の立ち上げ、M&A、海外進出の支援などを行うのが戦略系コンサルティングファームの特徴です。公認会計士のスキルだけでなく、困難な状況で課題を解決していく力が求められるため、やりがいや刺激を受けられる職場と言えるでしょう。
大手上場企業の経理・財務部門
一般企業の中でも特に上場企業において、経理・財務の透明性は重視されています。そのため、公認会計士の有資格者が活躍できる場は多くあると言えます。決算書や有価証券報告書の作成だけでなく、経営企画や社内のM&Aの実施に向けた部署での勤務などキャリアパスが多岐にわたるのも特徴です。
ベンチャー企業のCFO
ベンチャー企業のCFO(最高財務責任者)として経営者の近くで活躍するキャリアパスもあります。会社の成長に欠かせない要素としてキャッシュフローの管理があります。経営者の右腕となり、成長期にある企業に対して裁量権を持って関わることで、得難い経験や高い報酬を得られる可能性があります。
外資系金融の投資銀行部門(IBD)
投資銀行における投資銀行部門(IBD)は資金調達、M&A支援、IPO支援などを法人や金融機関に対して行っています。20代で年収1000万円を目指せるような環境ですが、高い英語スキルが求められたり、証券会社で活躍していたような若手IBDがライバルになる環境のため、公認会計士以外のスキルアップも求められるでしょう。
ベンチャーキャピタルファンドのコントローラー
ベンチャーキャピタルファンドのコントローラーの仕事は、ファンドによって多岐にわたりますが、VCのキャピタリストは必ずしも会計・監査に明るいわけではないため、投資情報をまとめたり、税務や法務知識に基づいたアドバイスやサポートを行う仕事がメインになるでしょう。
教育系企業の講師
割合としては多くはありませんが、公認会計士のスクール講師として活躍する選択肢もあります。人に教えることが好きだったり、教え子を難しい試験に受からせたいといった思いを持つ人に向いていると言えます。
独立開業・起業
税理士登録が可能な資格であるため、公認会計士・税理士として独立開業をめざすことができます。独立をめざす方は、会計事務所や税理士法人で実務経験を積んでから開業するパターンが多い傾向にあります。クライアント獲得に向けて会計事業だけでなく、「自分の看板を持ちたい」という方は独立も一つの道です。
公認会計士の活躍の場を広げる資格やスキル
公認会計士の資格に加え、さらに保有しているとプラスに働く資格やスキルを紹介します。
TOEIC
外資系企業だけでなく、国内外の大手企業でも履歴書に明記できる要素の一つです。一般的には650点以上が履歴書に明記できる点数の基準となっていますが、グローバル企業や外資系企業であれば700点以上が望ましいでしょう。
IFRS(国際財務報告基準)のスキル・知識
もともと国ごとに作られていた財務諸表ですが、グローバル化の流れを受けて国際的な統一基準が必要となり、IFRS(国際財務報告)が設置されました。そのため、これらの実務経験や知識は大手企業や外資系企業でのアピールポイントの一つになります。
ITのスキル・知識
会計処理にITシステムを導入するケースが非常に増えてきました。会計や経理処理の効率を上げられる一方で、ITの知識がなければ処理できない場面もあります。今後、この流れがますます強くなることを想定すると、持っていて有利に働くスキルだと言えます。
マネジメントスキル
部下やチームを管理するスキルは企業において重要です。会計や監査はどちらかと言うと一人でコツコツと行うような仕事に見えますが、分業したり、他部署とも連携が必要なため、マネジメントスキルがあると組織にとっても有用な人材になります。
公認会計士のキャリアパス選択で検討したいポイント
ここまで、多様なキャリアパスを見てきました。
選択肢が幅広い分、働く環境を選ぶ際に後悔しないよう、以下の2つのポイントを押さえた上で検討することが大切です。
監査以外の業務を担うかどうか
監査法人での仕事で求められるのは当然ながら「監査」がメインです。しかし、それ以外の仕事にもチャレンジしてみたいという方は、「監査」以外の業務内容がどれくらいあり、どんな業務内容なのかをもとに検討するのもおすすめです。
望んでいるワークライフバランスがとれそうか
昨今の働き方改革の流れもあり、時短勤務をしやすい環境だったり、逆に経営陣と同じようなレベルでの事業参画を求められたり、環境によって公認会計士の働き方も多様化が進んでいます。また、給料に関しても、やりがいを求めて転職を行った結果「給料が下がる」というケースも十分起こり得ます。
キャリアプランを考える際は、何を重視し、何の優先度を下げられるのかを十分に検討することが重要です。
まとめ
公認会計士という資格を活かせるキャリアパスは多様に広がっています。1社で長期的に働くこともできますし、勢いのあるベンチャー企業で自分の力を試すこともできます。そのため、どのようなキャリアプランを描き、何を重視して転職を行うのか、転職の軸を決めた上で働く環境を選ぶことが重要です。
転職活動をする際は、自分のリサーチする情報だけでは得られる情報に限りがあるため、転職エージェントの力を頼ってみるのも一つの手です。
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