四大監査法人(Big4)の特徴|年収・転職についても解説
- 更新日:2025.08.22
この記事では、四大監査法人(Big4)の特徴や、年収・転職について解説します。
四大監査法人に転職するメリット・留意点も紹介しているので、ぜひ参考にご覧ください。
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四大監査法人(Big4)とは
監査法人は規模によって「大手監査法人」「準大手監査法人」「中小監査法人」に分けられ、四大監査法人(Big4)はそのうち「大手監査法人」に分類される大手4法人のことを指します。
- 有限責任監査法人トーマツ
- 有限責任あずさ監査法人
- EY新日本有限責任監査法人
- PwC Japan有限責任監査法人(旧PwCあらた監査法人)
ここでは、4法人それぞれの特徴について紹介していきます。
有限責任監査法人トーマツ
有限責任監査法人トーマツは、世界の四大会計事務所の一つである「Deloitte Touche Tohmatsu(デトロイト・トウシュ・トーマツ)」の日本に拠点を置くメンバーファームの一つです。
「Quality first」のスローガンを掲げ、品質の透明性を重視した監査・アドバイザリーサービスを行っています。
有限責任監査法人トーマツの主なサービスは次の通りです。
- 監査・保証業務
- リスクアドバイザリー
- ファイナンシャルアドバイザリー(M&A、フォレンジック&クライシスマネジメントなど)
- コンサルティング(ストラテジー・アナリティクス・M&A、カスタマーマーケティングなど)
- 税務
- 法務(企業法務、M&A、人事・労務など)
国内の監査法人業務収入は1位(FY22実績)となっており、監査法人人員数も1位となっています。オープン&フラットな風土が特徴で人材育成に力を入れており、高い品質の監査業務とリスクアドバイザリーとしての視点を持ったサービスを通して企業価値向上を目指しています。
有限責任監査法人トーマツの組織規模と資本金は以下の通りです。
資本金 | 1,172百万円(2023年8月末日現在) | |
人員数 | 7,866名(2023年8月末日現在) | |
社員:公認会計士 | 500名 | |
特定社員 | 62名 | |
職員:公認会計士 | 2,636名 | |
公認会計士試験合格者等(会計士補を含む): | 1,148名 | |
その他の専門職: | 3,427名 | |
事務職: | 93名 | |
合計: 上記のうち公認会計士: |
7,866名 3,136名 |
有限責任あずさ監査法人
有限責任あずさ監査法人は、世界の四大会計事務所の一つであるオランダの「KPMG」のメンバーファームです。2022年12月時点で全国に6,000人以上の人員を配置しています。有限責任あずさ監査法人の主なサービスは、以下の通りです。
- 監査・保証業務
- IFRSアドバイザリー
- アカウンティングアドバイザリー
- ITアドバイザリー
- 株式上場アドバイザリー
- サステナビリティ・トランスフォーメーション
- ファイナンシャルリスクマネジメント
有限責任あずさ監査法人は、KMPGが持つ143の国と地域のネットワークを通じて、サービスをグローバルに展開しています。また、AIなどの最先端のデジタル技術を積極的に導入し、監査品質の向上を目指しています。
有限責任あずさ監査法人の組織規模と資本金は以下の通りです。
資本金 | 3,000百万円(2023年6月30日時点) |
公認会計士 | 2,943名(うち代表社員29名・社員512名) |
会計士試験合格者等 | 1,357名 |
監査補助職員 | 1,690名(特定社員37名・うち代表社員2名) |
その他職員 | 745名 |
合計 | 6,735名(2023年6月30日時点) |
監査証明業務合計社数 | 3,423社(2023年6月30日時点) |
EY新日本有限責任監査法人
EY新日本有限責任監査法人は、世界の四大会計事務所の一つであるイギリスの「Ernst & Young(アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッド)」のメンバーファームです。
太田昭和監査法人が前身の監査法人で、2008年から日本初の有限責任監査法人となりました。国際業務も取り扱っており、国内外多くの企業と取引しています。
EY新日本有限責任監査法人の主なサービスは以下の通りです。
- 監査・保証業務
- 法務(Forensics&Integrity)サービス
- 財務会計アドバイザリー
- 気候変動・サスティナビリティ(CCaSS)
- 企業成長サポート
EY新日本有限責任監査法人は、最先端のデジタル技術を活用し、グローバルな経済社会の円滑な発展に貢献することを目指しています。ダイバーシティが重んじられており、一人ひとりの意見を尊重する企業風土が整っているのが特徴です。
EY新日本有限責任監査法人の組織規模と資本金は以下の通りです。
資本金 | 1,158百万円(2023年9月30日時) | ||
社員 | 職員 | 合計 | |
公認会計士 | 555名 | 2,623名 | 3,178名 |
公認会計士試験合格者等 | ー | 1,018名 | 1,018名 |
その他 | 11名 | 1,591名 | 1,602名 |
合計(2023年9月30日時点) | 566名 | 5,232名 | 5,798名 |
被監査会社数合計 | 3,740社(2023年9月30日時点) |
PwC Japan有限責任監査法人(旧PwCあらた監査法人)
PwC Japan有限責任監査法人(旧PwCあらた監査法人)は、世界の四大会計事務所の一つである「PricewaterhouseCoopers(プライス・ウォーターハウス・クーパース」のメンバーファームです。
最先端テクノロジーを監査業務に積極的に導入しており、日本国内の大手企業と取引しています。
2023年12月1日に、PwCあらた監査法人とPwC京都監査法人が合併し、「PwC Japan有限責任監査法人」となりました。主な提供サービスは以下の通りです。
- 監査およびアシュアランス
- コンサルティング
- ディールアドバイザリー
- フォレンジック
- 税務
- 法務
PwC Japanグループでは、働き方に関して、職員のライフスタイルやライフステージに合わせて勤務地や勤務時間を設定できる「Design Your Workstyle」が導入されています。
PwC Japan有限責任監査法人の組織規模と資本金は以下の通りです。
資本金 | 10億円(2023年12月1日現在) |
パートナー | 245名 |
公認会計士 | 1,092名 |
会計士補・全科目合格者 | 524名 |
USCPA・その他専門職員 | 1,392名 |
事務職員 | 127名 |
合計 | 3,380名(2023年12月1日現在) |
監査法人の年収
厚生労働省の調査(「令和4年賃金構造基本統計調査 | 表番号5 | 職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」)に、企業規模別の「公認会計士、税理士」の平均年収データが掲載されています。
かなり大まかな見立てではありますが、企業規模1,000人以上のデータを大手監査法人のデータとみなして参照してみましょう。
企業規模1,000人以上の「公認会計士、税理士」の年代別平均年収
年代 | 平均年収 |
20〜24歳 | 563万8,800円 |
25〜29歳 | 785万1,200円 |
30〜34歳 | 716万7,000円 |
35〜39歳 | 861万8,200円 |
40〜44歳 | 971万9,900円 |
45〜49歳 | 906万1,000円 |
50〜54歳 | 968万8,300円 |
55〜59歳 | 778万9,000円 |
Big4の平均年収は監査法人の中でも高いといわれていますが、関わる業務や経験値などによって変動します。
四大監査法人(Big4)と、その他の監査法人との違い
四大監査法人(大手監査法人)と、その他の監査法人(準大手監査法人・中小監査法人)とでは、組織規模や、クライアントの規模に違いがあります。
「所属公認会計士数」「監査証明業務数」のシェア
公認会計士・監査審査会が実施した「令和5年版モニタリングレポート」によると、「所属公認会計士数」「監査証明業務数」ともに、大手監査法人に集中している事がわかります。
(「令和5年版モニタリングレポート」を元に作成)
上場国内会社における監査法人の規模別シェア
また、同調査によると、上場国内会社における監査法人の規模別シェアは以下のようになっています。
(「令和5年版モニタリングレポート」を元に作成)
上場国内会社のうち、社数ベースで59.50%、時価総額換算で90.10%を、大手監査法人が担当している事がわかります。
四大監査法人(Big4)に転職するメリット・留意点
ここでは、Big4の監査法人に転職する場合のメリット・留意点について紹介します。
メリット
Big4の監査法人に転職すると主に以下2つのメリットが挙げられます。
- 年収が高い傾向にある
- 大手企業の監査に関わることができる
Big4はほかの監査法人と比べて年収が高い傾向にあります。また、大手企業の監査に関わることができ、やりがいを感じられるのもメリットの一つです。
留意点
一方、Big4の監査法人で働くうえで以下のような留意点があります。
- 業務が細分化され、業務範囲が狭い事がある
- 繁忙期は激務になる
- 監査業務の性質上、クライアントへ貢献している実感が湧きづらい
Big4以外の監査法人でも上記のようなことは起こり得ます。ただし、特にBig4は繁忙期は激務になる可能性が高いです。
公認会計士が、転職エージェントを活用するメリット
公認会計士が転職をする場合は、転職エージェントの活用をお勧めします。
転職エージェントを活用する事で、以下のようなメリットが得られます。
- 転職先の視野を広げられる(監査法人以外の選択肢も検討できる)
- 非公開求人を紹介してもらえる
- 選考対策、書類作成の相談ができる
転職エージェントのキャリアアドバイザーと話す中で、監査法人だけでなく、それ以外のキャリアの方向性が見えてくる事もあります。
また、転職エージェントが保有している非公開求人を紹介してもらえる可能性があったり、選考対策を受ける事ができる点も、転職エージェントを活用するメリットです。
まとめ
大手監査法人(Big4)は大手企業と取引があり、それぞれの強みや提供しているサービス内容が異なります。
Big4への転職を考える際は、自分のキャリアプランを明確にし、監査法人ごとの業務内容との関わりを確認したうえで転職先を選ぶと良いでしょう。
なお、弊社の運営する、経理・財務専門の転職エージェント「アガルートキャリア」では、公認会計士の転職支援を行っております。
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この記事の監修者
経理を主軸とした管理部門の方のキャリア支援を専門としており、特に伝統的な日系大手企業への転職に強みを持つ。その他にも国内外の会計事務所や、メーカー、商社、金融、IT、医薬ヘルスケア、消費財等々、多岐に渡る業界の企業との深いコネクションを有しており、会社規模もスタートアップから上場企業まで幅広く対応。
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