株式上場を目指す企業で会計業務のスキルを活かす転職【スタディプラス株式会社インタビュー(前編)】
- 更新日:2025.01.28
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今回は上場準備中のEdTech企業であるスタディプラス株式会社にうかがい、取締役CFOの中島様に管理部門および法務部門強化の背景や、ご自身のキャリアについてお聞きしました。
企業の法務領域での転職をお考えの方、またスタディプラス株式会社にご興味のある方は、ぜひ本記事をお読みください。
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INDEX
バックオフィス業務が集約されている管理部
―最初に自己紹介をお願いします。
スタディプラス株式会社で取締役CFOと管理部長を務める中島と申します。
当社には2018年に入社したため、今年で6年目です。管理部門に入社し、現在までずっとコーポレート業務を行っています。
組織としては事業本部と管理部に大きく分かれており、いわゆるバックオフィスと呼ばれるような部分が管理部にすべて集約されています。そのためバックオフィス業務全般を私が管掌していることになりますね。
CFOとして3度の資金調達を行ったり、上場準備を行ったりもしています。
―貴社の事業や所属メンバーの概要を教えてください。
当社は2010年に、現社長である廣瀬が学生時代に創業した会社です。
サービスの名前は変わったこともありますが、一貫して社名でもある「Studyplus」のアプリ開発と拡大に注力し、それに伴う事業を展開してきました。
現在、社員は80名ほど。アルバイトの方も含めるとメンバーは100名を超えます。
広告宣伝費をかけずにクチコミで拡大してきたStudyplus
―貴社の強みや特徴はどのような部分でしょうか。
当社の強みはStudyplusが非常に多くのユーザーに利用され、愛されている点です。
事業としては広告のStudyplus AdsとSaaSのStudyplus for Schoolが主力事業ですが、どちらもStudyplusアプリのユーザープラットフォームを基盤としています。
当社のサービスはすべての学習者のために提供しているもので、中学生から社会人まで幅広い年代の方にご利用いただいています。
その中でも大学受験生の割合が多く、大学受験生の中でも2人に1人以上が利用しているという大きなシェアを持ちます。
―大学受験生は大体皆さん知っているアプリだと。
そう思います。ただ、よくリクルート様が運営する「スタディサプリ」と間違われますが……(笑)。「Studyplus」とは、全く別のサービスです。
「Studyplus」は他多くのサービスと異なり、ユーザー獲得のために広告宣伝費をかけてCMや広告を出したことが一度も無いというのが、特徴でもあります。
―広告を出さずにここまで来ているのはすごいですね。
それにもかかわらず受験生の2人に1人以上というシェアを得られているのは、ユーザーのクチコミで広げていただいているからです。
学校で先輩から教わったり、塾の先生から「これいいよ」と紹介されたりといった形で広まっているようです。
私たちもユーザーアンケートで「どうやってStudyplusを知りましたか」と聞く機会がありますが、クチコミやアプリストアで上位表示されていて知った方がほとんどです。
受験生は毎年入れ替わります。私たちの主なターゲットである高校生は移り変わりが激しい層ですが、広告宣伝費をかけずに成長できていることが、私たちにとって非常に大きな自信につながっています。
―代表の廣瀬様にもお話をうかがいましたが、毎年多くの大学受験生に活用されているからこそ、大手予備校や大学がクライアントとして入ってくるのでしょうね。
おっしゃる通りです。
学校や塾の先生方は生徒のことをよく観察しています。その方々から「高校生が勉強の時に使うアプリはStudyplusですね」と教えていただいて、そこからお取引につながることが多いです。
―それは他社には真似しにくいポイントですね。
そうですね。ありがたいことに圧倒的な数のユーザーに選ばれ、SNSのような使い方もされており、常にユーザーがアクティブでいるのは当社の強みのひとつです。
他社が今から同様のサービスを作るのは難しいのではないかなと思います。
スタディプラス株式会社に転職した理由
―中島さんがご入社されたのは2018年でしたよね。監査法人からキャリアをスタートされたとうかがっています。
はい。最初は監査法人におりました。
その後「食べログ」で有名な株式会社カカクコムに転職し、経営企画室長や財務経理部長を務めました。
―そこからスタディプラス株式会社へ転職したのはなぜでしょうか。
私はもともと会計士としての経験・スキルがバックグラウンドのひとつにあります。
カカクコムに転職した際、経理ではなく経営企画部に配属され、主にIR(投資家向け広報)業務を担当していました。具体的には投資家向けに各種情報発信するなどの業務ですね。
その他M&Aのプロジェクトに参加したり、取締役会の運営を担当したりもしましたが、カカクコムではIR関連業務が最も長いキャリアです。
会計士としての会計業務と投資家向けのIR業務は近接領域ではありますが、少々異なるものです。
これらの経験を経て、次のキャリアとして未上場企業に興味を持つようになりました。
未上場の企業で働くことで新たな市場や資金調達のニーズに触れられる点に魅力を感じ、転職活動を始めたところスタディプラス株式会社と出会いました。
―未上場企業の中でも、特にIPO(新規公開株式)を目指す企業を選ばれたのでしょうか。
おっしゃる通りです。未上場でも資金調達ニーズがなければ、CFOの役割もないことが多いですから。
未上場企業で、資金調達や株式上場を目指す企業こそ私の興味や経験にマッチすると考えていたため、その軸で探していました。
―その軸だけで考えるならスタディプラス株式会社以外の選択肢もあったと思いますが、現職を選んだのはなぜですか?
これは本当に出会いだと思います。
私としては会社の規模感も重視しており、100人以下で、全社員の顔が見える規模が理想でした。さらに複数の事業を持っている企業であることもポイントです。
ひとつの事業で成功しただけでなく、さらなる事業を展開している企業は成長のステージが異なり、連続的な成長に対してしっかりと投資を行える企業だと考えています。
その点でも、スタディプラス株式会社が魅力的でした。
チームで会社を運営していく風土が合っていた
―スタディプラス株式会社には初めから大きな興味を持っていたのでしょうか。それとも、選考の中で徐々に惹かれていった部分があったのでしょうか。
私が挙げた条件を満たす企業はそれほど多くないと感じていましたから、出会いを大切にしようと思っていました。
―最終的な入社の決め手となったポイントを教えてください。
最終的には、やはり「人」の要素が大きいと思います。
代表の廣瀬は創業者ですし、もちろん彼のキャラクターやリーダーシップが会社を引っ張っていますが、一方でワンマン経営ではないとも感じました。
廣瀬は社全体の代表としての役割を担っていますが、複数ある事業の責任者はそれぞれ別に任命されています。経営チームとして会社を運営するというマインドが私の転職当時から明確だったことが、「入社したい」と思ったポイントのひとつでしたね。
―他にも株式会社カカクコムのご出身の取締役の方がいらっしゃいますよね。
はい、宮坂がそうです。たまたまではありますが。
優秀な方々が経営チームのボードメンバーとして活躍しており、代表一人だけでなく複数人で会社を引っ張る体制が整っていました。そういった点も魅力でした。
宮坂は当社の主力事業である教育機関向けのSaaS事業を担当しています。その事業の立ち上げから現在まで成長させている点にリスペクトを感じます。
また、社内には新事業を立ち上げる責任者がしっかりおり、会社を大きくしていくメンバーが揃っていると感じたことも、入社の決め手です。
今お話ししたことは入社前に感じていたことですが、実際に入社してからも違いはありませんでした。
また規模の小さい会社に入社したことで私自身が手を動かす場面が増え、業務に自信がつきました。監査法人にいたころは会計業務は行えど、事業運営をしていたわけではありませんでしたからね。
カカクコムでは規模が大きくなり、社内の分業化が進んでいたため、経営企画部は経営企画部としての業務に集中せざるを得ませんでした。
一方スタディプラス株式会社は入社当初から管理部門の業務を全般的に担当し、未経験だったことにも挑戦してきました。その過程で、「やればできる」と実感できたのは大きな気づきですね。
私が初めて転職したのは30歳前後でしたが、キャリアを進めるうちに「本当に自分にできるのか」と不安に感じることもありました。しかし飛び込まなければ結果は分からないという状況で挑戦したことで、以前の会社に留まっていては得られなかった自信が持てたと思います。
スタディプラス株式会社管理部門の体制など
―管理部門の体制やメンバーの人数、役割分担などについて教えてください。
2024年11月時点では6名在籍しています。また、管理部門は経営企画ユニットと経理法務ユニットの2つに分かれています。
経営企画ユニットには広報・IR、人事企画、総務のそれぞれの担当者がいます。こちらは男性2名、女性1名の3名で、年明けに女性1名の増員が決まっています。
経理法務ユニットは現在経理が2名、法務が1名で全員男性です。こちらも経理に女性1名が入社する予定があります。
―管理部門にはどのような方が多いのでしょうか。
年代は30代が多いですね。20代は1名だけです。
また育児中のメンバーが2名います。管理部門に限らず、当社全体で育児中の社員がとても多いです。教育に関わる事業に携わっているのが影響しているのかもしれませんね。
中途採用で入社する方からは「子どもを持つことを考えたとき、子どもの未来のためになるような事業に関わりたい」という話をよく聞きます。
会社としてフルフレックス制度を導入している点も、働きやすさの一因です。制度だけあっても実質利用されていないケースも世の中にはありますが、当社では多くの社員が当たり前に活用していますよ。
特に育児に活用している方が多いです。たとえば子どものお迎えのために一時的に離席したり、配偶者と交代するために時間を調整したりといった使い方もされています。
こうした柔軟な働き方が可能なのは、子育ての先輩たちが会社の風土を築いてくれたからだと思います。
―リモートワークも活用されていますか?
週の中で出社日を設定し、リモートワークを併用して柔軟に運用しています。
―出社とリモートワークのハイブリッドなのですね。その他、働き方や企業の魅力はありますか?
フルフレックスとリモートワークを導入している分、社員間のコミュニケーションが希薄になりがちなのですが、だからこそ四半期に一度のイベントでのふれあいを大切にしています。
懇親会もありますが、その前に全社員をシャッフルしたグループワークを実施しています。
このワークでは当社のミッションやバリュー、未来について考えたり、社員同士で会社の存在意義を議論したりします。そういったワークを通じて日々の業務から少し離れ、会社や自分自身を見つめ直す機会を設けているのも当社の特徴かと思います。
こうした活動が、当社の特徴や社員の一体感の源泉です。
―ありがとうございます。後編記事でも引き続き中島CFOに、スタディプラス株式会社についてお話をお聞きします。ご興味のある方はぜひ続けてお読みください。
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この記事の監修者
2016年創業期の株式会社ファンオブライフに参画し、人材紹介サービス立ち上げ・拡大に従事。現在はリーガル専門のエグゼクティブコンサルタントとして、弁護士・法務パーソンのキャリア支援を行う。国内外の法律事務所や、メーカー・商社・金融・IT業界等の企業法務部とのネットワークが強み。
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