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アジア案件を軸に急成長するスフィア法律事務所の「強み」とは

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アジア案件を軸に急成長するスフィア法律事務所の「強み」とは

弁護士法人スフィア東京
代表弁護士・通知弁護士
小堀 光一

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今回は、渉外法務やM&A・コーポレート案件を中心に、多拠点・多国籍のチームで急成長を遂げるスフィア法律事務所の代表弁護士・小堀先生と、アソシエイトの久世先生にインタビュー。

前編では、スフィア法律事務所の設立経緯や業務内容の特徴、経営層とのダイレクトなコミュニケーションから生まれるやりがいなどについて、小堀先生からお話をお聞きしました。

「法律相談にとどまらず、ビジネスそのものをサポートしながらキャリアを広げたい」「海外案件やM&Aに関心がある」「クライアントと密接に関わりながら、問題解決以上の価値を提供したい」とお考えの弁護士の方は、ぜひご覧ください。

スフィア法律事務所設立の経緯・規模

まずは自己紹介をお願いします。

弁護士の小堀です。私は61期で、2008年に弁護士になりました。2年間、一般民事や刑事事件、企業法務を経験したのち中国へ留学し、中国の法律事務所で研修を受けました。

帰国後は中国案件に強い法律事務所に所属し、2017年に3人のパートナーで独立しました。2022年に再度独立してスフィア法律事務所を設立しました。

スフィア法律事務所は2022年に設立され、約3年弱が経過したところですが、現在のスタッフ数はどのくらいですか。

2022年10月時点では3人でしたが、今はスタッフを含めて47名ほど在籍しています。

急速に拡大されていますね。

主な取扱業務とクライアント構成

主に扱っている案件について教えてください。

当事務所のクライアントは海外企業が6~7割を占め、残りが国内企業です。

ほとんどが上場企業ですが、やり取りをする相手が法務部ではなく、経営陣や投資家の方々であるケースが約95%を占める点が当事務所の特徴です。

案件の多くは中国やアジアが中心なのでしょうか。

私が中国本土で活動していたため、中国大陸の案件が最も多くなっています。

それ以外の国の案件も取り扱っているのですか?

11月に台湾事務所を開設したのも、大陸案件だけでなく台湾やシンガポール、マレーシア、香港など、華僑ネットワークを活かして仕事を拡大するためです。

現在は台湾を通じて東南アジア方面の依頼が増えています。

国内外の拠点展開

拠点数は国内外合わせていくつありますか。

現在は計7拠点です。

国内では東京以外にどこに拠点がありますか。

東京には本店以外に立川事務所があります。沖縄には那覇を中心に支店を含め3箇所あり、台湾にも1拠点設置しています。その他、中国広州にも連絡事務所を設けています。

今後、新規展開も計画されているのでしょうか。

はい。今年中に福岡に進出したいと考えています。台湾では台中への進出も検討しており、香港、マレーシア、シンガポールへの展開も模索中です。

沖縄・台北事務所との提携の背景

2024年11月に、沖縄の事務所と台北の事務所が一体となり、新体制のスフィア法律事務所として始動されたと伺いました。その背景や経緯をお聞かせください。

以前から、私と沖縄事務所の代表、台湾事務所の代表は仲が良く、弁護士の活動を世界へ広げる必要があると話していました。

私は大陸案件に長く携わっていましたが、最近の経済状況を踏まえ、大陸以外のビジネスも伸ばしたいと考えたのです。

スフィア法律事務所代表弁護士

弁護士法人スフィア東京 代表弁護士・通知弁護士 小堀 光一様

沖縄と台湾は地理的に海外展開の拠点として最適でした。また、沖縄事務所はすでに当地で最大規模ですが、東京や海外へも進出したい意向が強く、台湾事務所の代表も同じ考えでした。

そのため、三者で一つの事務所として新しくスタートすることになりました。

所属弁護士・海外弁護士の活用

スタッフ全体で50名弱と伺いましたが、弁護士はどのくらい在籍していますか。

十数名です。中国法や台湾法の弁護士も含まれるため、単純に日本法弁護士が何名という形ではありません。

日本法の弁護士だけでなく、中国や台湾の弁護士資格を持つ方も多いのですね。

はい。海外進出の際、日本人弁護士を現地に少数配置する方法もありますが、私は現地の法律は現地で長年活動している弁護士に任せるほうがよい と考えています。

日本人弁護士は調整役を担い、現地弁護士を尊重するほうが効率的です。そのため、既に現地で活躍し、当事務所との関係がある弁護士にジョインしてもらう形を取っています。

案件次第では、海外の弁護士事務所とも協力されるのですか。

所内の中国弁護士や台湾弁護士と組む場合もあれば、所外の海外弁護士と共同で進める場合もあります。

語学が得意な弁護士は直接やり取りし、苦手な場合は通訳担当やバイリンガルの弁護士・スタッフがサポートします。

案件獲得の第一歩は「何とかしてほしい」に応えること

海外企業や投資家からの依頼が多いということですが、案件はどのように獲得されているのでしょうか。

私が海外で活動していた際に接してきた相手に経営者の方が多く、その頃のご縁でというのが一番多いパターンかと思います。

それに加えて私自身が投資も行うので、単に法務面だけではなく投資家的な視点からアドバイスをすることも可能です。

コロナ禍では、「企業を買収したは良いものの日本に来られず経営ができない」ということが起きていました。そういったクライアントから、投資デューデリジェンスやその後の経営自体、そしてその企業において生じる法務案件を依頼されるケースがありました。

他にも、企業法務を継続して担当するうちに、当初法務部とやり取りしていたところから、役員クラスとの直接交渉へつながる流れが生まれています。

「法務案件を依頼する」という明確な要望ではなく、「ちょっと困ってる」「何とかしてほしい」という段階から関与することが珍しくありません。

経営者の相談に乗っているうちに、自然と弁護士としての業務につながっていくんですね。

過去に担当した企業法務の現場で、「弁護士さんの費用ってコストですよね」と言われたことがあり、とても悔しかったことを覚えています。

ですから私としては「弁護士に頼んだおかげで、コスト以上に利益が出たじゃないか」と思っていただける仕事をし、私自身が法務案件を生み出すようにしていれば、弁護士が肩身の狭い思いをすることはないのではないかと。

より価値を生み出す仕事ができるのではないかと思って日々業務にあたっています。

ALSPとして法務機能全体を委託されることも

M&Aや会社設立など、企業法務全般を扱うことが多いのですか。

そうです。スフィア法律事務所の中でも、スフィア東京は企業法務が100%なので、投資案件に関する企業法務が中心です。

またALSP(オルタナティブ・リーガル・サービス・プロバイダー)として、法務部門の機能自体をアウトソースされるケースも増えています。

経営陣や投資家から「何が問題なのかわからないがとにかく頼みたい」と依頼を受け、当方で仕分けを行います。

ビジネス面の課題にはリスク提示を、法律面の課題には予算に応じた対応策を提案します。これまで投資家や経営者との壁打ちで培ったノウハウを、包括的に活かすイメージです。

経営層とのやり取り・アソシエイトの関わり方

経営層との打ち合わせには、アソシエイトも同席するのですか。

はい。同席させることが多いです。

私の場合、中国での経験から「商人魂」のような交渉スタイルが身についており、いきなり一任するのは難しい面がありますが、現場に同行することで担当分野がビジネス上どのように位置づけられているのかを学べると考えています。

スフィア法律事務所代表弁護士

「中国で得た経験が現在の核になっている」と笑う。

そのため、アソシエイトや秘書なども可能な限り連れて行き、クライアントと直接やり取りしてもらうようにしています。

経営に近い案件を担当するうえでのやりがいとは何でしょうか。

クライアントが「やりたいこと」の段階から携わり、初めて売上を上げた報告や、上場などの成功事例の報告をいただくと、自分事のように一緒に喜べる点が大きいです。

最初から伴走してきた分、クライアントとの距離が近く、一緒に成果を分かち合えるやりがいがあります。

海外出張と語学スキル

海外クライアントが多い分、海外出張も多いのですか。

時期によっては月の半分ほど海外に滞在することもあります。

アソシエイトも海外に同行するのですか。

できるだけ公平に機会を与えたいので、「行きたい」と手を挙げた人に自身がどのような価値を提供できるかを説明してもらい、納得できる理由があれば同行してもらいます。

たとえば中国語ができる、投資案件の知識がある、などですね。ビジネスですので、コストに見合う付加価値を検討してから決定しています。

語学に関しては中国語と英語どちらが多いでしょうか。

利用機会は多いですね。私の場合、華僑ネットワークとのやり取りが多いため中国語が主です。

英語も必要ですが、比率としては日本語5割、中国語3割、英語2割ほどかと思います。

投資家向けプライベートクラブ構想

今後注力したい領域や、事務所の展望を教えてください。

当事務所は投資家や経営者とのネットワークが強く、大陸から東南アジアへビジネスを広げています。そこで「スフィアクラブ」と銘打って、投資家向けプライベートクラブを立ち上げる構想です。

すでに海外のプライベートバンク関係者や、日本国内の海外資本を呼び込みたい地方自治体と協議しております。たとえば地方自治体にあるサッカークラブなどと投資家をつなぐようなビジネス展開も検討中です。

採用ニーズと事務所の雰囲気

今後、案件が増えるにつれ弁護士の採用を拡大されると思います。現所属の弁護士の方々の雰囲気はいかがでしょうか。

皆、非常に協力的で穏やかな人が多いです。 私や沖縄・台湾の代表は外へ出て案件を開拓するタイプですが、それをフォローしてくれる優しいメンバーがおり、コミュニケーションもフラットです。

入所することで得られるスキルやメリットは何でしょうか。

投資やファイナンス面の経験が得られる点と、経営陣や投資家と直接交渉する機会が多い点です。

未整理の状態から問題を洗い出し、ビジネスリスクを見極め、法的アドバイスにつなげる能力が身につきます。

私自身、企業の代表の方から「壁打ち相手になってくれ」とご依頼いただくこともありますが、「やりたいことはあるけど、何が問題になるかわからない」のが今の時代のご相談です。

問題を切り分けられるクライアントであれば、あとはAIでまかなえてしまう世の中ですからね。ここには何か問題があるのか、それともないのか、整理して見極める力がつくのが当事務所で働く大きなメリットかなと思います。

若手が得られる貴重な対経営者経験

経営者と直接話す経験は若手にとって大変貴重ですね。

それは本当に貴重な経験になると思います。

予算を決定する役員や投資家と直接やり取りし、提案を通して自分のクライアントを獲得するチャンスもあります。

会食の場などで商談が進む場合もあり、そこでアソシエイトが話して魅力を感じてもらえれば、自分のクライアントとして依頼を受ける可能性もあります。

働き方(リモートワーク等)について

リモートワークについてはどのようにお考えですか。

若手のうちはなるべく出社し、対面で学んだほうが良いと考えています。商談の場での細かなニュアンスや、相手に好印象を与える所作などは直接クライアントと接しないと学べません。

もし「法律問題を整理して対応する」ということだけを仕事にするのであれば、若いうちからリモートワークでもよいのかもしれません。しかしそれでは、その方の人生にとって大きな損失が生まれてしまうと思っています。

私としても自由にリモートで業務に当たってほしいという思いはあるんですよ。それこそ沖縄の拠点もあるので、「しばらく沖縄で働いてきたらいいよ」ということも本当は言いたいんですね。

ですから、経験を積みクライアントに喜んでいただけるような動き方ができるようになったと判断できれば、柔軟な働き方でも問題ないと思います。

報酬・評価体制

報酬や評価制度はどのようになっていますか。

設立から3年ほどなので、今後さらに改善していくという前提でお話をします。

基本的には公平性を重視し、中途の方には前職の給与水準を考慮、新人には業界相場をベースに設定します。

その上で半年ごとに昇給の機会を設けており、実力次第では大きく昇給可能です。実際に3年で給与が2倍になった例もあります。これも頭打ちというわけではありません。

とても大きいですね。

はい。当事務所では投資家や経営者との案件を自ら動かし、予算を確保するところから仕事が始まります。

クライアントと交渉し活躍の場を自ら得られるような方であれば、その分を報酬に反映するのが「公平」ではないかと考えています。しかし固定給では、報酬をあげたくてもあげられません。

スフィア法律事務所代表弁護士

報酬体系も時代に合わせて変化すべきだと語る小堀弁護士。そのために感度の高い若手の意見も取り入れたいという。

メンバーの給料はどんどん上げていきたいと考えていますから、「どうしたら給料が上がるのか」について議論したい方はぜひ議論しましょう。その上で事務所としての実績も積んでいければなと思います。

新卒採用も行っているのですか?

悩みながらではありますが、行っています。

初任給はある程度決まっているのでしょうか。

これまでは定額で報酬を定めていました。しかし時代の流れもあり、見直しも検討しているところです。

そういった部分については私よりも若手のメンバーの方が感度が高いですから、皆さんの意見を踏まえ、公平で納得感のある報酬体系に整備したいと考えています。

当事務所に入所する方と、長期的に良好な関係性を築けるような制度を目指しています。

求める人物像

求める人物像を教えてください。

素直な方ですね。

当事務所のクライアントである投資家や経営者は事業への熱量が高く、様々な要望を伝えてきます。それも、日本だけでなく海外の多くの地域にクライアントがおり、それぞれの文化を反映した要求です。

素直でないと、まずその要求を受ける段階で拒否感が出てしまう場合があります。柔軟に対応するには、物事を素直に受け止めて調整できる力が重要です。

技術的な面で言えばM&Aの知識や語学のスキルなどがあればよいと思いますが、それらは後からでも身につきますからね。

素直で、チームの一員として成長したいという気持ちがある方なら、良い経験ができる土壌が整っていると思います。

転職検討中の弁護士へのメッセージ

最後に転職を考えている弁護士の皆様へ一言お願いします。

当事務所は短期間で拡大してきましたし、これからも発展する勢いがある事務所です。私自身、今後の展開をワクワクして楽しみにしています。

大きく変化していく環境にチャレンジしようという気概のある方は、ぜひご応募ください。 よろしくお願いします。

本記事の内容は動画でもご視聴いただけます
動画:中国・台湾など海外企業法務を扱う法律事務所
弁護士法人スフィア東京 代表弁護士・通知弁護士
  • 2008年
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  • 2012年~2017年
    弁護士法人キャスト(香港、北京、上海駐在)
  • 2017年~2022年
    AZ MORE国際法律事務所開設 パートナー弁護士
  • 2021年~2024年
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  • 2022年~
    スフィア法律事務所開設 代表弁護士
  • 2023年~
    中国大連市高新区商事商務紛糾法律仲裁センター 法律顧問
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