
キャリア羅針盤
社会課題解決への熱い想いを抱えメーカー法務から「成長産業支援」のフォースタートアップスへ
フォースタートアップス株式会社
法務部
塩田 貴大
大企業のメーカー法務からスタートアップ企業へ、「社会課題の解決」を目指す想いに突き動かされ、フォースタートアップス株式会社に飛び込んだ塩田様。
複数事業を展開し、ファンド運営まで手がける同社では、わずか2~3名の法務体制で事業部門への積極的なサポートを実現しています。
裁量と責任を担いながら、事業推進の要として活躍する塩田様のキャリア観や、社内カルチャー、働きやすさについて伺いました。
メーカー法務から転職した理由

フォースタートアップス株式会社法務部 塩田 貴大様
自己紹介をお願いいたします。
フォースタートアップス株式会社で法務を担当している塩田です。新卒ではメーカーに入社し、コーポレート全般を担当していました。
総務や法務など幅広く経験するうちに、徐々に法務分野にキャリアを絞り、約7年ほど携わってまいりました。
そして昨年4月に転職活動を経て、フォースタートアップス株式会社に入社いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
社会課題解決に挑むフォースタートアップス株式会社
それでは改めて、塩田様のキャリアについてお聞かせください。新卒でメーカーの法務担当をされていたそうですが、具体的にはどのような業務を行っていたのでしょうか。
私は自動車関連のメーカーにいまして、そこで研究開発に関連する契約審査やリスク管理、また内部統制など、法務全般を幅広く担当していました。
約7年ほどメーカーでご経験を積まれたのちに、なぜ転職しようと思われたのか、きっかけや理由を教えてください。
個人的に社会課題の解決に強い想いがあり、自分の人生の中でそのようなテーマにコミットしていきたいと考えていました。
企業によっては事業やビジョンを通じて社会課題の解決に取り組んでいるところも多いため、そこに法務のバックグラウンドを生かして貢献したいと思い、転職活動を始めました。
フォースタートアップス株式会社に決めた理由は何でしょうか。
代表の志水が「日本が今後経済成長していくうえで、スタートアップが生まれにくいという課題は、重要な社会課題のひとつだ」と言っており、ここに強く共感したことがとても大きかったです。
採用面接時に、コーポレート本部長の菊池からも事業内容をものすごい熱量で30分ほど語られて、「こんなに熱い会社があるのか」と感動しまして、それならば自分の経験を生かして貢献したいと思ったのが決め手でした。
私は特段スタートアップ企業で働こうという気はなかったのですが、社会課題の解決というビジョンを持って事業を推進している企業という視点で探したところ、自然と現職が候補になりました。
わずか「2名」で事業法務全般からコンプライアンス研修までこなす
2024年4月にご入社されてから約1年ほど経たれたと思いますが、現在の業務内容について具体的に教えていただけますか。
主に契約法務と呼ばれるリーガルチェックや、各事業部からの法務相談を受けることが中心です。
月に70~80件程度対応しており、それを私ともう1人のメンバーの2名で分担しています。
新規事業や新サービスが立ち上がる際には、対象となる法律や許認可の確認、スキーム全体の検討も事業部と一緒に進めています。
さらに、全社のリスク管理やコンプライアンス関連の研修企画といった業務も担当しています。
幅広い業務を2名でこなしているのですね。役割分担はどのようにされていますか。
事業部ごとの専任制は設けず、基本的に2人ともすべての案件を把握して、得意分野に応じて分担する形です。
数ある業務のなかでも、塩田様が特に面白いと感じる部分はありますか。
新しいことにチャレンジする事が好きなので、新規事業や新サービスを企画する事業部と伴走しながら仕組みづくりを行うところは、非常にやりがいがあります。
また、弊社は子会社でファンドを運営しています。
事業会社に在籍しながらファンド組成に法務として関われるのは、なかなか経験できないことなので、とても面白いと感じています。
日々の課題を乗り越えるために対話と議論は欠かせない

ちょっとした会話が「討論会」のような議論に発展することもあるのだとか。
ファンド組成に関する法務は初めてのご経験だったのですね。大変でしたか。
はい、初めてでしたので最初はわからないことも多かったです。
しかし、外部の弁護士にご協力いただきながら調べつつ、仲間と一緒に取り組むなかで理解を深めてきました。
前職でも7年ほど法務をされてきたということですが、新たに学ぶことやチャレンジが多いという印象でしょうか。
そうですね。法務としては、法改正や事業の変化に応じて学び続ける必要があります。
入社後約1年のなかで、特に「これは大変だった」というご経験はありますか。
個別にこれというより、日々いろいろな課題が起こると感じています。
弊社は複数の事業を展開しているため、それぞれの事業部が直面する課題に法務として伴走しなければなりません。
私たち2人しかいないのでリソース的に大変ですが、その分、対話と議論を大切にしています。
法務上の解釈や見解は人によって異なることも多いです。それぞれの意見を出し合い、正解がない場合でもよりベターな案を模索し、最終的には法務として判断するようにしています。
ミッション・ビジョン・バリューへの共感が生むチームカルチャー
かなり密にコミュニケーションを取っていらっしゃるのですね。
はい、席も隣なので、「ちょっと今良いですか?」といった形で雑談から始まり、討論会さながらの議論になることもあります(笑)。
ただ、それで多角的な視点を得られますし、意見を自由に出せる雰囲気があるのはありがたいです。
前職とはまた違った企業風土だと感じますか。
大規模な企業の場合、最終判断は役員や上長が担うことが多い印象です。
しかし弊社を含むスタートアップ企業では、1次担当者の段階で判断を求められる場面が多く、責任と裁量は大きくなります。
貴社のカルチャーには、どのような特徴があると感じていらっしゃいますか。
ミッションやビジョン、バリューへの共感が強いところが特徴です。
弊社でいうと「成長産業支援」という大きな目標があって、皆が「日本のために」「未来のために」という共通の主語で話しているので、意見が異なる場合でも向かう方向は揃っていると思います。
「The Team」というバリューもあるとお聞きしましたが、具体的にはどのような形で表れていますか。
本当に「チームでなければ成長産業支援は実現できない」という考えが共有されているように思います。
法務やコーポレートへのリスペクトが強く、事業部の方々からも細かいことまで積極的に相談が来ますし、一緒に事業をつくっている感覚があります。
柔軟な働き方と明確な評価制度を支える仕組み
皆さまミッションに熱心という印象を受けますが、ワークライフバランスなどはいかがでしょうか。
確かに熱意を持って仕事に取り組んでいる社員ばかりではありますが、労働時間などは全体的にきちんと管理されています。
基本的な定時は10〜19時ですが、自身の都合に合わせて1日単位で前後2時間までの時差勤務や、時間単位の有給取得ができるため、実質的にはフレックスのように柔軟に働ける制度になっています。
塩田様は普段、どのようにスケジュールを組まれていますか。
特に用事がない日は10時に出社し、19時ごろに退勤しています。
日によって波があるので、平均すると19時半~20時くらいになるでしょうか。ただ全体としてはそこまで遅くなりません。
基本的には出社とのことですが、リモートワークはできないのでしょうか。
原則として出社にはなりますが、子育て中の方や急な事情がある場合には柔軟にリモートワークに切り替えられます。
私にも子どもが2人いますので、保育園のお迎えなどがあるときはリモートワークを利用しています。
皆それぞれの都合に合わせて利用しており、利用しづらい雰囲気はありません。
評価制度はどのように運用されているのでしょうか。
年2回、昇給のタイミングがあります。
半期ごとに目標を設定し、振り返りと評価を行ってフィードバックを受け、それが昇給につながるイメージです。
1on1も隔週で実施していますので、日常的に自分の働きに対する丁寧なフィードバックをもらいやすい環境です。
フォースタートアップス株式会社法務に求められる能力とキャリアビジョン

塩田様は「フォースタートアップス株式会社が取り組む社会課題の解決に、法務として寄与したい」と語る。
法務パーソンとしてキャリアアップを目指すうえで、どのようなスキルや成果が求められると考えていますか。
もちろん法律の知識は必要ですが、外部の専門家に相談できる部分も多いです。
それよりも、事業会社の法務としては自社の事業を深く理解し、その事業においてどのようなアクションが適切かを見極める判断力が求められると感じています。
新たに法務メンバーが入られるとしたら、どのような方が合いそうでしょうか。
弊社のミッションやビジョン、バリューにある程度共感していただける方が望ましいと思います。
共通の方向性を持つことで、事業部との対話や立ち上がりがスムーズになるためです。
全てに共感とまではいかなくても「こういう点に惹かれた」というところがあれば、十分にやっていけるのではないでしょうか。
塩田様と同じように実際の面接で熱量に惹かれ、想像以上にマッチするというケースもあるかもしれませんね。
ええ、そう思います。少しでも興味をお持ちになった方には、ぜひ一度話を聞いてみていただきたいです。
貴社の法務に携わることで、どのような力が身につくとお考えですか。
弊社には多くの事業があり、必然的に法務の守備範囲も広くなります。
また、2~3人の体制なので、最終的な判断を自ら下す場面も少なくありません。
そのような責任感と裁量の大きい環境で経験を積むことで、視野や判断力が養われるのではないかと思います。
最後に、塩田様ご自身が今後どのようなキャリアを描いているかを教えてください。
法務の役割として、事業成長を実現させることが大きな軸だと思っています。
とある企業の法務責任者の方が「法務は会社で最も自社のことを知っている部署になり得る」とおっしゃっていましたが、私も同じように感じます。
事業の細部まで把握するからこそ、守りだけでなく攻めの部分でも事業をけん引できるのではないかと考えています。
弊社の多彩な事業を支えながら、社会課題の解決にしっかりコミットしていきたいですね。
動画:メーカー法務からスタートアップ法務への転職で得たもの

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