パートナー弁護士になるには
- 更新日:2025.07.09
弁護士事務所には、経営に携わる「パートナー弁護士」と、実務を中心に行う「アソシエイト弁護士」という2つの大きなポジションがあります。
この記事ではパートナー弁護士について、その役割や業務内容、さらにパートナーになるための方法を解説します。
- パートナー弁護士とは 事務所の共同経営者として、管理・マネジメントや営業活動に携わる上位の役職の弁護士。
- アソシエイト弁護士とは パートナーの下で案件を担当し、実務を中心に行う弁護士。
「どんなスキルが必要とされるのか」「年収はどうなるのか」など、パートナーを目指したい方に役立つ情報をまとめました。
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INDEX
パートナー弁護士とは
マネジメントに関わる「経営弁護士」
パートナー弁護士とは、法律事務所の共同経営者にあたる弁護士です。大規模事務所の経営者や、事務所長以外の共同経営者などを指し、各事務所によってその呼び方や役割は異なります。
たとえば四大法律事務所の1つである森・濱田松本法律事務所では、「パートナー」「法人パートナー」「外国法パートナー」など、さまざまなカテゴリに分かれています。
大手事務所の共同経営者が多い
大手事務所には多くの弁護士が在籍するため、経営やマネジメントを担う役割が必要です。その結果、多くのパートナー弁護士は大手事務所の共同経営者として活躍しています。
一方、少人数の事務所では「代表弁護士」が実質的に経営を担うことが多く、「パートナー弁護士」という肩書きはあまり一般的ではありません。
代表弁護士の一種ともいえる
小規模事務所で「代表弁護士(ボス弁)」が、複数のアソシエイト弁護士を雇用して経営を行う場合、その代表弁護士はパートナー弁護士と同じように、経営面と案件管理の双方をこなす存在といえるでしょう。
パートナー弁護士の分類
パートナー弁護士はあくまで事務所内の肩書であり、その呼び方や地位は事務所ごとに異なります。
一般的には以下のように分類されます。
- シニア・パートナー(代表パートナー)
- 実力・名誉ともに最高峰のパートナー。事務所の経営が執務の中心となることが多い。
- ジュニア・パートナー
- パートナーの中で下位のポジション。案件獲得やアソシエイトへの指示が中心。アソシエイトから昇格した場合、まずはジュニア・パートナーに就くケースが多い。
- マネージング・パートナー(執行パートナー)
- 企業でいうCOOに近い立場。事務所の経営戦略や運営面を担当し、代表者が兼任することもある。
- エクイティ・パートナー
- 事務所に出資しているパートナー。利益の配当を受けるが、損失時にはリスクも負う。発言力が強い傾向にある。
- ノン・エクイティ・パートナー
- 出資をしていないパートナー。名目的にパートナー扱いされるが、出資によるリスクは負わない。
パートナー弁護士とアソシエイト弁護士の違い
上司と部下の関係性
パートナー弁護士はアソシエイト弁護士をまとめ、受任した案件を振り分ける立場にあります。
案件によっては、複数のアソシエイトに指示を行う場合もあれば、信頼の厚いクライアントの案件をパートナー自身が単独で担当することもあります。
経営や営業活動を担う
パートナー弁護士は、単に案件処理だけでなく、事務所の経営や案件獲得のための営業活動にも携わります。
具体的には以下のような業務があります。
- 経営に関する業務
- 支店の設立、海外展開の検討
- 新人弁護士やインターン生の採用・教育
- 事務所の人事・組織体制の見直し
- 営業活動
- 講演会の開催、実務本の執筆
- セミナーや交流会への参加
- 既存クライアントとのリレーション構築
大規模事務所では、パートナー弁護士の報酬に「自ら獲得した案件数」が反映されるケースもあります。
余談ですがSUITSのような、弁護士事務所をテーマにしたドラマ作品などでは、いかにクライアントの顧客と契約するか、契約を維持するかに腐心している様が描かれています。
パートナー弁護士になるには
パートナー弁護士になる方法は、大きく2つ考えられます。
- アソシエイト弁護士として経験を積み、パートナーに昇格する
- 独立開業して自分の事務所を立ち上げる
一般的なのは前者の「アソシエイトからの昇格」で、とくに大手法律事務所のパートナーを目指すには、このルートが王道です。
アソシエイト弁護士からパートナー弁護士へ
法律事務所に入所すると、多くの場合はアソシエイト弁護士としてスタートします。
その後、実務経験を積み、事務所内で実績と信頼を積み重ねることでパートナーに昇格できます。
- 昇格までの年数
- 小規模事務所:入所後3年前後でパートナーになるケースも
- 大規模事務所:10年以上かかることも珍しくない
- 昇格率
- 事務所ごとに大きく異なる
- 小規模事務所はパートナー枠が少ない分、昇格しやすいこともある
- 大手事務所は競争が激しく、昇格率が低い傾向
参考:四大法律事務所の場合
四大法律事務所では入所そのものが難関で、パートナー昇格も激しい競争を勝ち抜いた一部のアソシエイトのみが叶えられます。
10年以上の実務経験に加え、海外留学や官公庁・企業への出向経験などが考慮される場合も多いです。
法律事務所を開業する
自ら法律事務所を開業してパートナー弁護士(共同経営者)として活動する方法もあります。
しかし、大手事務所のように大きな収益や案件数が最初から保証されるわけではなく、ゼロから事務所を軌道に乗せる必要があります。
メリット
- 事務所方針や業務分野など自由に決められる
- 経営者としてのやりがいが大きい
デメリット
- 営業・広報を含めてすべてを自力で行う必要がある
- 安定した案件獲得までに時間がかかるリスクが高い
パートナー弁護士に求められるスキル・資質
- 高度な専門知識・実務能力
- 大規模案件や複雑な案件に対応するため、継続的な勉強・研鑽が不可欠。
- リーダーシップ・マネジメント能力
- アソシエイトを的確に指揮・指導し、事務所全体をまとめる力が必要。
- コミュニケーション能力
- クライアントとの関係構築はもちろん、アソシエイトやスタッフとの連携も重要。
- 経営・営業センス
- 経営戦略を考えたり、自ら営業して新規案件を獲得する姿勢が求められる。
パートナー弁護士になることのメリット・デメリット
メリット
- 高収入が期待できる
- 事務所の利益配分を受けられるため、業績次第では高年収が見込める。
- 事務所の経営方針に影響力を持つ
- 経営者として、採用方針や新規事業などにも意見を反映できる。
- 自身のブランディングがしやすい
- 「パートナー」という肩書きは対外的な信用力にもつながる。
デメリット
- 責任が大きい
- 経営リスクを負い、事務所の方針決定や実務を両立しなければならない。
- 激務になりやすい
- 大規模案件・複雑案件の対応に加え、経営面・営業面の負担もかかる。
- 競争が激しい
- とくに大手事務所では、パートナー枠が限られており、昇格までに時間や労力がかかる。
パートナー弁護士を目指すなら
- パートナー弁護士は共同経営者としての役割を担う、弁護士事務所の上位職
- アソシエイトとは上司・部下の関係性で、経営や営業にも携わるのがパートナーの特徴
- パートナーになるためにはアソシエイトで実績を積んで昇格するルートが一般的
- 大手では熾烈な競争を勝ち抜く必要があり、小規模なら早めに昇格できる場合もある
- 独立開業という選択肢もあるが、軌道に乗せるまでリスクを伴う
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この記事の監修者
リーガル専門コンサルタントとして、弁護士・法務人材を中心に転職支援を行う。中国発大手テクノロジー企業の日本法人にて創業メンバーとして事業開発・推進に従事。スタートアップ〜大手事業会社での事業開発、マネジメント経験を有していることから、様々な角度からの俯瞰したアドバイスを強みとする。
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