弁護士の廃業数と廃業の理由
- 更新日:2024.12.26
最近弁護士を廃業する人が増えていると言われてます。しかし本当に弁護士を廃業する人は多いのでしょうか。
この記事では弁護士廃業の実態はどうなっているのか調査しました。また、なぜ廃業する弁護士がいるのか、その理由について解説します。
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INDEX
弁護士の廃業とは
弁護士の廃業とは、自ら進んで弁護士を辞めることを指します。
弁護士の場合、弁護士としてふさわしくない行動をすると、所属弁護士会から退会処分を下される可能性もありますが、これは廃業とはいいません。
また、開業弁護士が倒産や経営破綻により事務所を閉業しても、自ら弁護士会を退会しなければ廃業には該当しません。
弁護士廃業における実態
弁護士廃業にはどのような実態があるのか、弁護士の現状について解説します。
弁護士を廃業した人の数
弁護士を廃業した人の数は以下の通りです。
年度 | 廃業した人の数 |
2012 | 306人 |
2013 | 345人 |
2014 | 389人 |
2015 | 332人 |
2016 | 360人 |
2017 | 358人 |
2018 | 379人 |
これによると、毎年必ず増えているわけではありませんが、若干廃業する人の数は増えていることがわかります。
2012年は約300人であるのに対し、2018年には380人ちかくにまで増えています。
弁護士を廃業した人の割合
弁護士になった人に対し、弁護士を廃業した人の割合は以下の通りです。
年度 | 廃業した人の割合 |
2012 | 0.9% |
2013 | 1.0% |
2014 | 1.0% |
2015 | 0.8% |
2016 | 0.9% |
2017 | 0.9% |
2018 | 1.0% |
廃業する人の数は若干増えていますが、割合に関しては大きな変化はありません。
これは、弁護士の数自体が毎年増加しているからと考えられます。
母数も毎年増加しているため、弁護士を廃業する人の数が増えていても割合的には変わりありません。
弁護士の数は増加しているのに関わらず事件数は減少している
弁護士の数は、2012年には32,088人でしたが、2020年には42,164人にまで増加しています。
一方、民事事件の数は2012年には161,313件で、2019年には134,934件です。この7年間で3万件ちかく減少しています。
弁護士を廃業する理由は明らかにはされていないため、厳密な原因はわかりません。
しかし、このような状況からすると、弁護士一人あたりの事件数が減少していることは事実でしょう。受ける案件数が少なく、廃業せざるを得ない弁護士もいるかもしれません。
※参考:弁護士白書2020年版「第1章弁護士人口」|日本弁護士連合会、弁護士白書2020年版「第2章民事事件等に関する活動」|日本弁護士連合会
弁護士を廃業する理由
弁護士を廃業する理由はそれぞれ異なります。そのなかでもよくある理由について解説します。
ライフステージの変化
結婚や出産、介護など、ライフステージの変化により弁護士業務が続けられなくなる人もいます。
家庭の事情により弁護士業務に時間を割けなくなると、どうしても得られる報酬は減るでしょう。
弁護士会に支払う会費を負担できなくなれば、廃業せざるを得なくなるため、ライフステージの変化により廃業する弁護士もいます。
裁判官への任官
弁護士としての実績が豊富な人を、裁判官として任官する制度があります。
裁判官任官は、裁判官をさまざまな人材を採用する目的で行われています。
弁護士から裁判官になる場合、兼業はできず弁護士は廃業しなくてはなりません。ただ、弁護士任官の数はそう多くはありません。
思ったほどの収入が得られない
弁護士は日本の最難関資格である司法試験を通過しないとなれません。そのため、弁護士になれば高収入を得られる、と考える人もいるでしょう。
しかし、先程解説した通り、弁護士の数は増えているにも関わらず事件数は減少しています。
想像よりも定収入で苦しむ人もいることが現実です。思うように収入を得られず廃業する人もいるでしょう。
弁護士会に会費を支払えない
弁護士として働くためには、それぞれの地域の弁護士会に所属しなければなりません。
弁護士会の会費は地域によって異なりますが、年間50~100万円ほどです。
案件を取得し、報酬を得られないと、赤字になる可能性もあります。実際に、開業に失敗し、弁護士費用を支払えずに閉業、廃業する人もいるようです。
開業に失敗した
弁護士としてある程度経験を積んだのちに開業する人は多くいます。
ただ、弁護士として開業しても必ずしも成功できるとは限りません。
開業しても年収200~300万円程度である弁護士もいます。
それ以下の年収となってしまうと、弁護士会の会費を支払うことも難しくなるでしょう。開業に失敗し、やむを得ず廃業を選ぶ弁護士もいます。
弁護士廃業の前にしてみること
前向きな気持ちで廃業するのではなく、やむを得ず廃業する人もいるでしょう。
弁護士を辞めたくないのであれば、まず以下のことをしてみてください。
弁護士会の支援制度を利用する
弁護士会には若手弁護士や開業弁護士に対して、金銭的に支援する制度があります。
それぞれの弁護士会によって支援の内容や条件は異なるため、自分の所属弁護士会に問い合わせてみてください。
例として、東京弁護士会は若手弁護士に対して、専門の研修やOJTの機械提供を行っています。
これは、金銭的に恵まれない若手弁護士が早く知識や技能をえるための支援です。
大阪弁護士会では、若手弁護士の会費負担を軽くするような制度があります。独立するときに開業資金や設備に関する情報提供も行っています。
転職する
弁護士としてほかの法律事務所や企業に転職すれば、金銭的な要因による廃業は回避できるかもしれません。
一度開業した弁護士が、再度法律事務所や企業に就職することもよくあります。
弁護士廃業後のキャリアの事例
たとえ弁護士として廃業したとしても、弁護士として就労した経験は次のキャリアに役立ちます。
弁護士以外のキャリア事例を紹介します。
一般企業への転職
一般企業に弁護士としてではなく、法務部やコンプライアンス部に転職する方法もあります。
企業が法律やコンプライアンスに従った運営をすることは必須です。
元弁護士という経歴を活かした転職ができるでしょう。不動産業などに重宝がられる傾向にあります。
ただし、廃業後は交渉などの弁護士にしかできない業務には携われません。
企業内弁護士
もし激務でつらい場合、企業内弁護士として働く方法もおすすめです。
このような弁護士をインハウスローヤーといいます。
企業は労働時間が決められていて、福利厚生が手厚いところも多くあり、ライフワークバランスの実現を求める人は検討してみてはどうでしょうか。
ベンチャー企業の役員
元弁護士の経歴があると、ベンチャー企業やスタートアップ企業の役員として採用されるケースもあります。
通常は一般社員として働き始めますが、弁護士としての経歴や深い知識があれば、最初から役員として働ける人もいます。
弁護士を廃業したとしても、元弁護士として活躍することができる働き方です。
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この記事の監修者
リーガル専門コンサルタントとして、弁護士・法務人材を中心に転職支援を行う。中国発大手テクノロジー企業の日本法人にて創業メンバーとして事業開発・推進に従事。スタートアップ〜大手事業会社での事業開発、マネジメント経験を有していることから、様々な角度からの俯瞰したアドバイスを強みとする。
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