ブティック系法律事務所とは企業法務の中でも特定分野に特化した事務所
- 更新日:2024.12.26
法律事務所の呼称には、企業法務系事務所や町弁、新興系事務所など様々なものがあります。
ブティック系法律事務所の「ブティック」はフランス語で「小さな店」を表し、典型的には装飾品店などの専門店を指します。
ここから派生して大規模な渉外事務所ではない事務所で特定の分野に専門性を有する事務所を、「ブティック系法律事務所」と呼ぶようになったと言われています。
この記事では、ブティック系法律事務所の特徴や事務所例などを解説します。
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INDEX
ブティック系法律事務所とは
ブティック系法律事務所とは、一般的に企業法務事件の中で特定の分野に特化した法律事務所のことです。
明確な定義や基準があるわけではありません。
企業法務事件に限らず刑事事件や家事事件を専門に扱う事務所を含める場合もあります。
ブティック系法律事務所の特徴
ブティック系法律事務所の特徴として、
- 取扱い分野
- 事務所の規模
- クライアント
の3点が挙げられます。
取扱い分野の専門性
ブティック系法律事務所の特徴は何といっても特定分野の事件に対する専門性です。
これは所属弁護士及びクライアントのいずれにとってもメリットであり、デメリットでもあります。
例えば、同じ企業法務事件でもファイナンス業務と労働業務では大きく異なります。
ファイナンス業務を専門とする事務所に依頼しても、労働業務は別の専門とする事務所に依頼する必要があったりします。
ブティック系法律事務所に所属する弁護士にとっては、特定の分野のスペシャリストになれる反面、事務所で取扱わない分野の事件処理のスキルは身に付きにくいです。
事務所は小中規模
ブティック系法律事務所の規模は小規模(弁護士数人)~中規模(弁護士20名前後)の事務所がほとんどです。
ほとんどの場合、事務所は1か所のみで、基本的には東京や大阪などの都市部にしかありません。
クライアントはベンチャー企業や中小企業が中心
ブティック系法律事務所のクライアントはベンチャーや中小企業が多いです。
消極的な理由としては、大手企業の企業法務事件は四大(五大)事務所と取引していることが多いからです。
積極的な理由としては、大規模な事務所よりも小中規模のブティック系法律事務所の方がレスポンスが良いためベ、ンチャー企業や中小企業と相性が良いこと等が挙げられます。
四大など一般的な企業法務系事務所との違い
四大法律事務所など一般的な企業無法系事務所と、ブティック系法律事務所との違いを以下の表にまとめています。
ブティック系法律事務所 | 一般的な企業法務系事務所 | |
規模(弁護士数) | 小~中規模(20名前後) | 大規模(50人以上) |
取扱分野 | 特定の分野に特化 | 企業法務全般 |
弁護士の年収 | 600~1,000万円 | 800~1,500万円 |
まず、ブティック系法律事務所の規模は小~中規模であるのに対して、一般的な企業法務事務所は大規模な事務所が多く四大事務所になると弁護士数が500人以上の事務所もあります。
取扱分野は、ブティック系法律事務所が特定の分野に特化しているのに対し、一般的な企業法務事務所は企業法務業務を広く全般的に取扱います。
最後に弁護士の年収は、ブティック系法律事務所も比較的高い傾向にありますが、一般的な法律事務所の方がより高い傾向にあります。
例えば四大法律事務所だと、新人弁護士でも年収1,000万円を超えます。
▶四大法律事務所とは日本の企業法務を支える4つの大手法律事務所
ブティック系法律事務所の例
ブティック系法律事務所の例をいくつかご紹介します。
一般に企業法務を取扱う法律事務所は企業法務全般に取扱っている事務所がほとんどですが、特に強い分野がある事務所をブティック系法律事務所としてご紹介します。
主に特化している分野 | 法律事務所名 |
コーポレート・M&A | GVA法律事務所、日比谷パーク法律事務所など |
事業再生・倒産 | LM法律事務所、ひいらぎ法律事務所 |
知的財産 | 阿部・井窪・片山法律事務所、内田・鮫島法律事務所、骨董通り法律事務所、中村合同特許法律事務所、ユアサハラ法律事務所など |
独占禁止法 | 池田・染谷法律事務所、矢吹法律事務所など |
ファイナンス | 島田法律事務所、三井法律事務所など |
労働 | 石嵜・山中総合法律事務所、第一芙蓉法律事務所、高井・岡芹法律事務所など |
コーポレート・M&A分野は、コーポレートは企業の日常的な法律問題全般を指し、ここではベンチャー企業の立上げ支援や企業の合併といったM&Aの対応も含みます。
事業再生・倒産は経営困難となった企業の再建や清算に関する手続です。民事再生、会社更生、破産、特別清算の他、事業再生ADRといった私的整理手続きも含みます。
知的財産は特許権、商標権、著作権、意匠権などの知的財産権に関連する出願や侵害行為に対する対応などの手続きをします。事務所名に特許と付く場合、知的財産権を専門分野として取り扱っていることが多いです。
独占禁止法はカルテルや私的独占、優越的地位の濫用や再販規制などに関する不公正な取引方法および企業結合規制等を規制する法律です。カルテル等の規制対象があった場合に公正取引委員会への被害申告や差止訴訟などの手続きをします。
ファイナンスでは企業の資金調達には金融機関の借入れの他、株式や社債発行など様々なスキームがあるため顧客のニーズに応じたコンサルティングや手続きをします。
労働では解雇や退職勧奨、労働組合との団体交渉などの労働紛争について企業側からのアドバイスや訴訟手続き等の対応をします。
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この記事の監修者
リーガル専門コンサルタントとして、弁護士・法務人材を中心に転職支援を行う。中国発大手テクノロジー企業の日本法人にて創業メンバーとして事業開発・推進に従事。スタートアップ〜大手事業会社での事業開発、マネジメント経験を有していることから、様々な角度からの俯瞰したアドバイスを強みとする。
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