中央大学ロースクール出身弁護士の転職・転籍体験談

中堅企業法務事務所から、弊社にご相談をいただき、大手法律事務所に転籍された渡邉先生にインタビュー。

  • 1所目に中堅企業法務事務所を選んだ理由
  • 中堅企業法務事務所での仕事
  • 転職のきっかけ
  • 転職前後での働き方や年収の変化
  • 現在の担当案件
  • これから転職する方へメッセージ

などを伺いました。

※この記事は、アガルートキャリアのYouTubeチャンネルに公開されている動画を要約したものです。

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中堅企業法務事務所での仕事

――今回は中堅の企業法務事務所から、皆さん知っているような大きな法律事務所に転職をされた渡邉先生にお越しいただきました。まずは簡単に自己紹介をお願いします。

中央大学の法科大学院に入学をし、既習コースで2年間勉強しまして、司法試験に一発で合格しました。その後、まず企業法務の中堅事務所に約3年間勤めました。そして2022年に皆さん大体わかるような法律事務所に移籍しました。

――ありがとうございます。今が2所目になられるんですね。なんでそもそも転職しようと思われたのかとかいろいろと聞いていければなと思います。まず1所目を選ぶときですよね、中堅の企業法務事務所に入られましたが、就活時はどのような軸で探されてたんですか?

大規模のところだとどうしても会社みたいな形で専門性がすごい強い印象があったので、どちらかというと中規模でそんなに部門がなく、あらゆる分野の仕事ができるようなところが自分としてはいいかなと思い、中堅事務所を希望しておりました。

――そこではどんな領域の案件を主に取り扱っていらっしゃったんですか?

主に企業法務をやっておりました。ただそれだけではなく、知財、倒産、消費者法関係、税務など本当に幅広い分野をやらせていただいておりました。

――中堅規模を志向されていたのがいろんな業務、いろんなプラクティスに触れられることが魅力だったからなので、その点は結構叶えられる環境ですね。

うん、そうですね。いろいろ経験できたかなと思っています。

――クライアントはいわゆる大手企業や上場企業が中心だったんですか?

そうですね。中小企業もありましたけれども、大企業の案件もやらせていただいておりまして。両方というか、大企業の案件もあるし、中小企業の顧問業務みたいなのやってました。

――英語を使う案件もありました?

英語の案件はほとんど私は触れてなくて、英語ができる弁護士が別にいたのでそちらに振られた感じです。私自身そんなに英語が得意だったわけでもないので、それも考慮して、多分上の先生が振らなかったのかなと思います。

――そこでいろんな業務経験を積まれて、3年ぐらいは1所目のところでやってらっしゃった。就活時の軸にも当てはまっていて、それは結構叶ってらっしゃったと思いますが、なぜ転職しようと思われたんですか?

入所して約3年が経とうとしていたときに、本当にいろんな分野の業務を大体1周して、案件はいろいろできたんですけども、やはりもっと自分で自立していろいろ案件をやっていきたいなと思ったのがきっかけです。

今まではずっと上から、パートナーの方から仕事を振られてる状態だったので、もっと自分で案件ができればなと思いまして。事務所としてはまだ僕に仕事をやってほしいと、ただ僕としては自分の仕事をやっていきたいと、そういう溝が生まれてる気がしました。

なのでもっと例えば出向に行く機会だとか、自分で仕事ができる環境を提供してもらえるような事務所に移籍したいなという思いが芽生えたのが転職のきっかけでした。

――なるほど。1所目の事務所はパートナーの先生からバーっと案件が降ってきて、それをひたすらやってく感じのスタイルだったんですね。そのスタイルが近い将来変わるようなイメージも特になかったんですか?

そうですね。このままずっと上のパートナー先生から振られた仕事だけやってくと、いずれ自分がパートナーになるときにそういうわけにはいかないので。もっと自分で仕事つかんできたり、自分で仕事案件を回さなきゃいけないので。

そういったところが本当にこれから将来きちんとやっていけるのか不安もありました。

――将来弁護士としてのキャリアを見据えたときに成長スピードや経験が、このままここにいるとあまり得られないという懸念みたいな。

そうですね。ちょうどひと区切りというか、いろいろなものを経験した3年という区切りで転職を考え始めました。

――それ以外にも何か要因はありますか?割と皆さん、転職活動されるときって1個の理由より複合的な要因であることが多かったりするんですけれども。

もう正直な話でいうと、やはりお給料が少なかった。業務量も月300時間とかしてた中で、やっぱりお給料がそんなに貰えてない印象でした。

――業務量結構多いですね。ちなみに入所初年度年収はどのくらいだったか覚えてらっしゃいますか?

500万円ちょっとぐらいですね。あまり就活のときは初年度の報酬は気にしてなくて・・・どちからというとやれる業務や事務所の規模感を重視してました。

だからそんなに給与を重視してなかったんですけど、やはりいざ入ってみて仕事をたくさんしていくと、どうしても仕事量に見合った給料がほしい気持ちも正直ありまして。入所後に同期の弁護士に聞いて、「えっそんなにもらってるの?」みたいなことがちょくちょくありました(笑)

――中堅企業法務だと一般的に年収600万円ぐらいからスタートするのが多いような気がしていて、そこから見てもちょっと低かったのかもしれないですね。初年度から2~3年目になるにつれて報酬は上がってはいかれたんですか?

そうですね、毎年一定額は上がってはいたんですけど。とはいえ最初のスタートが低かったので、やはり友人の弁護士と比べると少ないなと。

仕事が忙しいことは全然苦じゃないというか、自分のためになるという気持ちがあってそんなに辛くはなかったんですけど、やはり給料はが合うかと言われるとちょっと・・・それで少しずつ耐えられなくなってたのかなと。

――最終的に3年目のときはどのぐらいだったんですか?年間の報酬額でいうと。

ボーナス等もいろいろ込みで700万円いかないぐらいです。

転職活動の進め方

――弁護士としての成長とか自分で仕事を自主的にしていける環境、そして給与・待遇向上。この2点を求めて転職活動をされたと思いますが、最初は何をされたんですか?

自立するって意味で出向をしたいなと思っていたので、官公庁のホームページを見たり、先輩の弁護士に「どこか良い出向先はないか」みたいな相談をしてました。

――自分の入手できる情報の中でいろいろ探してらっしゃったんですね。実際それでいい機会や役に立つ情報は見つけられましたか?

すごくいろいろな情報はホームページから出てきたり、弁護士の方からもいただいたんですけど、なかなか自分がこれをやりたいってことが見つからなくって。ちょっとどうしようかなって最初はなっていました。

――じゃあ数か月は「情報収集してみたけどなんかしっくりこないな」みたいな期間があったんですかね。その後はどういった行動をされたんですか?

それで官公庁の道は諦めて、他の事務所の意見というか、どういった内容の仕事を募集してるかとか聞きたいなと思いまして、エージェントを使った転職を考えました。それでネットで探してアガルートキャリアも見つけました。

――今っていろんなエージェントがありますが、複数のエージェントを使われたんですか?

アガルートキャリアを含めて2社と連絡を取りました。

まずはアガルートキャリアじゃないエージェントと話をしたんですけども、その時私としては「出向したい」とかそういった希望をお伝えしたんですけど、エージェントから私が希望するところではないような事務所をすすめられたりして。「ちょっと違うな」って思い別のエージェントを探そうということで、アガルートキャリアを見つけました。

1社目の方と違って本当に丁寧に、いろいろ求人も「こういうものがいいんじゃないですか?」って、私に似合った、希望に沿うようなところをいろいろご提案いただいて。

――お褒めの言葉を頂きありがとうございます!「出向を経験したい」というご希望でいくと、やっぱり一定の規模感があるような事務所が転職先の候補になりうるかなと思うんですけれども、その辺りで見られてたんですか?

そうですね。

――実際にエントリーをされたのは何所ぐらいですか?

6、7事務所くらいですね。

――ちなみに、その時にインハウスは特に検討はされなかったんですか?

そうですね。弁護士として1人でいろいろな案件をやりたいと思っていたので、インハウスは考えませんでした。

――それで一定規模感のある事務所を中心に見られていたと。最終的に今いらっしゃる事務所にご縁があって入所されましたが、選考進まれたのはここ1所だけだったんですよね。

そうですね。第1希望としてエントリーして、内定をいただけたので。

――元々6、7社ぐらいエントリーされたとおっしゃってましたが今入所されてるところの志望度が1番高かったんですか?

はい、高かったです。

もちろんいろいろな業務をやってるところもさることながら、出向の環境が非常に整ってるのが魅力的でした。その事務所に友人もいて、友人からいろいろ情報も聞いていましたので、もしかしたら自分の希望が叶うかもしれないと第1希望にしていました。

――面接はどうでしたか?雰囲気とか、何人ぐらい面接官の方がいらっしゃったとか。

最初の面接から事務所の代表と、あとマネージングパートナーって言ったらいいんですかね。ちょっと表現が適切か分からないですけども、上の方のパートナーの先生が出てこられて合計で4人でした。

――最初から代表が出てこられたんですね。雰囲気はどうでした?

カチッとはしてなくて、どちらかというと会話形式ですね。全然堅苦しくなく「今まで何してきたの?」「どういう仕事をしてきたの?」って聞かれて、「こういう仕事してきました」って答える感じ。もう本当にざっくばらんにお話しする感じの面接でした。

――面接対策は何かされましたか?

私は正直そんなに面接対策はしていなくて。応募する事務所のホームページと、あとは自分がこれまでやってきた仕事の内容とか経歴とかをきちんと説明できるようには一応準備はしてましたけども、もう本当にそれぐらいです。

――それで普通にコミュニケーションは問題なく取れるような感じだったんですね。最初から代表弁護士の方も含めて4人出てこられたということは、面接1回で合否が出たんですかね?

はい、そうですね。1回で合格って言われて、私自身すごく驚きましたね(笑)

――志望度が当初から高かったので、内定でたらスパッと意思決定されたんでしょうか?

そうですね。エントリーシートはいくつか出してたんですけど、今の事務所から内定をもらったタイミングで辞退をさせていただきました。

――非常に順調というか、スーッといった転職活動でしたね。

幸い、そうですね(笑)。

――これを見ていただいている皆さんはこれが当たり前だと思っちゃうと、大変かもしれないですね(笑)。転職活動のもう1つの軸として報酬面を重視されてたと思いますが、オファーはいくらで提示されたんですか?

900万円で提示されました。200万円以上アップしたので、文句なしで即決できましたね。

――そうですよね。やはり一定規模感のある事務所の方が待遇水準が良い傾向はあるので、報酬の向上を目指されてる方は、大規模の事務所や、何かしらすごく特徴があるブティックで「この分野なら負けません」みたいな事務所に転籍されると、分かりやすく待遇改善を目指せるかもしれないですね。

参考:弁護士の転職・求人の市場、中途採用の動向を専門エージェントが解説

大手法律事務所での仕事

――お話いただける範囲で、現在はどういった案件を担当されてるんですか?

事務所の顧問先の業務が今は中心で、契約書チェックから始まり、日々の法律相談、あとは英文契約のレビューとかをしてます。そこは前の事務所と少し変わったかなと。

――前職の事務所での経験を活かしながらも、その時になかった経験もプラスでできてきている。

そうですね。

――いわゆる大手の法律事務所となると割と縦割りになってることが多いと聞きます。実際、今割と大きな事務所に入られてみて携われる領域の幅はどうですか?

事務所に寄りけりかもしれないんですけど、私が今入ってる事務所は本当にいろいろな案件をやれるような環境にあると思います。

一応グループはあって、希望があれば所属できてそこのパートナーの先生から案件が振られる感じです。グループの異動も比較的自由なので、幅広く案件はできるんじゃないかなと思ってます。

――事務所の規模は大きくなったけれども、幅広く経験を積めるのは変わらずですね。

そうですね。

――働き方はどうですか?

今はそこまで忙しくはなくて、家で夜ご飯が食べれるぐらいの時間に帰れます。

もちろん波はあるとは思うんですけれども、なのでこれからその波が来て忙しくなるってことはあるのかもしれないですけど、ただ幸い今のところはそこまで忙しくなく仕事ができてます。

――働き方改善されて、報酬上がって、やりたいこともできて、僕が言うのもあれなんですけど、いい転職になりましたね(笑)。

これから転職を考える方へ

――最後にご自身の転職経験を踏まえて、これから転職される方にアドバイスをお願いします。

私自身そんなに準備してこなかったので、あまり言うのもおこがましいんですけど(笑)。

まずは本当に、今回アガルートキャリアに相談をしてから結構いろいろと話が進んでいったなと。いろんな事務所の求人があることを教えてもらったので、まずは行動してみるのが大事かなと思いました。行動してみるっていうのは、例えばエージェントに「何かいい事務所ないですか?」みたいな形で話を聞いてみるとか。

あとは面接ではやはり自分がこれまで何をやってきたかが1番聞かれるので、それをきちんと整理して面接官であるパートナーの先生にきちんと説明できるのは大事かなと。そこは私も少なくともやってたので、もしかしたらそれが面接のときに響いたのかなと思っていますね。準備はちゃんとして、最後に気持ち的なところで、「こういうことをしたいです」と熱意を伝えるのが大事かなと。

転職でやっておけばいいことの大体はそういったところかなと思います。

――ありがとうございます。渡邉先生は「僕は全然準備してない」っておっしゃるんですけれど、ご自身の経験を棚卸をして、言語化をしてちゃんと自分の言葉で伝えられるようにするという、至極当たり前のように聞こえるかもしれないですけど意外と難しいんですよね。なんとなくの準備で行くと意外と喋れない・整理できてなかったって結構あるあるなので。なので「特別な準備してません」ってご謙遜はされていますが、それをしっかりやってらっしゃったのは本当に良かったし、いい結果に繋がったんじゃないかなってすごくお話聞いてて思いました。

ありがとうございます。

――あとあれですね、行動してみるって本当大事ですよね。

そうですね、本当にアガルートキャリアで話を伺うまで私もどうしたらいいか全然分からなかったので、本当によかったなと。エージェントにいろいろ話聞けてよかったかなと思っています。

――本当そうですね、アガルートキャリアだけじゃなくていろんなエージェントに話聞いてみた方がいいですよね。どこか1つに相談すれば全部の情報が得られるみたいなものがあったら便利なんですけど、必ずしもそうではなかったりするので。知人や先輩方もそうだし、ネットもそうだし、エージェントだったら複数みると、いろんな角度からの情報が得られます。そこで相性いいところ、いいなと思うところを進めていけばいいんじゃないかなと。活動して、結果転職しなくてもいいですからね、究極。

うん、本当にそうですね。自分の今の立場と、実際にお話を聞いてみて移籍した場合の立場を天秤に乗せて、それで転職した方がいいなってなるのであれば、転職に向けて活動すればいいですし、いろいろ話を聞いたけどやはりまだ今の方がいいなって思えれば今のままいるのも、1つの選択肢かなと思います。

――そうですよね。よく転職活動したら最後、もう絶対に移籍しなきゃいけないみたいに思われる方もいらっしゃるんですけど・・・

全然そんなことはないと思います。

――最近だと事務所側もカジュアル面談をやってくれてたりするので、そういう機会も使われてみるといいかもしれませんね。行動してみることでキャリアの選択肢広がったり、視点が広がったりするので、転職を考えてらっしゃる方はぜひ参考にしてみてください。渡邉先生、本日はありがとうございました!

参考:弁護士の年収はいくら?キャリア別・分野別の相場と年収アップの秘訣

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この記事の監修者

2016年創業期の株式会社ファンオブライフに参画し、人材紹介サービス立ち上げ・拡大に従事。現在はリーガル専門のエグゼクティブコンサルタントとして、弁護士・法務パーソンのキャリア支援を行う。国内外の法律事務所や、メーカー・商社・金融・IT業界等の企業法務部とのネットワークが強み。​

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