弁護士の仕事内容と働き方を解説
- 更新日:2025.07.09
「弁護士の仕事」と聞くと、裁判で依頼人を弁護する姿を想像する方が多いのではないでしょうか。
しかし、実際の弁護士の仕事内容はそれだけにとどまりません。法律問題は多岐にわたり、弁護士が関わる業務領域も多彩です。
本記事では、弁護士専門の転職エージェントの視点から、弁護士の仕事内容や働き方について詳しく解説します。
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INDEX
弁護士とは法律の専門家
弁護士は、社会生活のあらゆる場面で生じる法律問題に対応する法のプロフェッショナルです。
弁護士法1条が定めるとおり「基本的人権の擁護」と「社会正義の実現」を使命としており、クライアントの正当な権利や利益を守るために活躍します。
日本で弁護士になるためには、難関といわれる司法試験に合格し、司法修習を経て弁護士会に登録する必要があります。
弁護士の仕事内容
「弁護士の仕事」といっても、その業務内容は実に多様です。大まかに分けると下記の5分野が代表的な業務となります。
- 民事事件に関する業務
- 刑事事件に関する業務
- 企業法務に関する業務
- 顧問弁護士の業務
- 憲法・行政に関する業務
1. 民事事件に関する業務
民事事件とは、個人間の私生活上のトラブルから発生する事件を指します。たとえば、
- お金の貸し借り
- 離婚・相続・遺言
- 子どもの親権
- 交通事故や医療ミスの損害賠償
などが典型例です。
弁護士は事前に法的なアドバイスを行い、トラブルを予防することも重要な役割の一つ。
紛争が起きた際には、依頼者の代理人として相手方との交渉や裁判手続きの対応を行います。話し合いで解決しない場合には、訴訟や調停、和解交渉を進めて依頼者の利益を最大化するよう努めます。
2. 刑事事件に関する業務
刑事事件は、警察や検察が介入し「刑法」が適用される事件を指します。窃盗や詐欺、殺人、傷害など、多岐にわたる犯罪に対応します。
弁護士の役割は、必ずしも裁判での弁護だけではありません。
- 起訴前(被疑者段階): 逮捕や勾留を回避するために裁判官や検察官と交渉し、被疑者の身体拘束を解くための活動を行います。
- 起訴後(被告人段階): 無罪や減刑を目指して、有利な証拠を集めたりアリバイを主張したりします。また、被害者との示談交渉も重要な業務の一つです。
3. 企業法務に関する業務
企業法務では、企業が活動する上で必要となる法的サポート全般を担います。主な領域としては、
- M&A
- ファイナンス
- 倒産・再生
- 労働問題
- 知的財産
- 独占禁止法 などが挙げられます。
企業法務はグローバル案件も多く、英語力や国際法の知識が求められる場合も珍しくありません。
裁判手続きよりも、契約書の作成・チェック、クライアントに有利な契約交渉のサポート、トラブルの未然防止などの「予防法務」が中心となります。専門分野が細分化されているのも特徴で、実務家向けの書籍を執筆する弁護士もいます。
4. 顧問弁護士の業務
顧問弁護士とは、企業と顧問契約を結び、継続的に法律相談を受け付ける「かかりつけ医」のような存在です。
企業が直面する民事・刑事・行政上のトラブルだけでなく、日常的な法律問題にも迅速に対応できるのが大きなメリット。会社に精通した弁護士が常にそばにいることで、早期解決やトラブル回避が期待できます。
5. 憲法・行政に関する業務
国や地方公共団体と個人・団体の間で生じる法律問題に携わるケースもあります。
- 選挙訴訟
- 原発の差止訴訟
- 公害問題
- 税金トラブル
- まちづくり問題 などが典型例です。
国や自治体を相手に訴訟を起こすケースが多く、一般市民の権利や環境保護など社会性の高い分野で活躍する弁護士がいます。
弁護士の働く場所
弁護士は法律事務所だけで働いているわけではありません。近年では活躍の場がさらに広がり、さまざまなキャリアパスが存在します。
1. 法律事務所
もっとも一般的な就業先です。法律事務所によって取り扱う分野や得意領域が異なり、大手と呼ばれる「五大法律事務所」などは企業法務やM&Aなどの大規模案件を数多く扱っています。大手事務所では所属弁護士が多数在籍し、国際案件に力を入れていることが多いのが特徴です。
2. 企業や自治体で働く弁護士
社外役員
会社法など企業のルールに精通する弁護士が、社外取締役や社外監査役として企業ガバナンスを監督するケースがあります。法的リスクを未然に防ぎ、企業を健全に運営するための重要な役割です。
企業内弁護士(インハウスローヤー)
企業の法務部門に所属し、企業内の法的課題に専念します。経営や現場の事情を深く理解したうえで、リスクマネジメントや契約交渉にあたることができるため、近年需要が高まっています。
自治体内弁護士
都庁・県庁・市役所など地方自治体で働く弁護士も増えています。住民訴訟や公害問題などの対応を通じて、地域社会に貢献できるのが特徴です。
弁護士の働き方
所属先や雇用形態は事務所や企業によってさまざまで、委任契約や労働契約など形態も異なります。
- 勤務時間や休日: クライアントの都合に合わせる必要があるため、比較的自由度は高いですが、忙しいときは長時間労働になることもあります。
- 仕事のやりがい: トラブル解決や法的リスクの回避など、人や社会の役に立つことを実感できる点が大きな魅力です。
弁護士の1日スケジュール例
9:00 出勤、メールチェック・スケジュール確認
10:00 事務所内ミーティング
11:00 クライアントとの法律相談
12:00 昼食
13:00 裁判・証人尋問
15:00 事務所に戻り、報告書作成
16:00 内容証明郵便の作成
17:00 契約書の起案
19:00 帰宅
急な相談が入ると予定が変更になることもあり、フレキシブルな対応が求められます。
まとめ:弁護士の仕事は多様で社会的意義が大きい
- 弁護士は法律の専門家として、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする
- 業務領域は民事・刑事・企業法務など多岐にわたり、働く場も法律事務所に限らず企業や自治体まで多彩
- 平均年収は高水準だが、合格までの道のりは険しく、実力や所属先によって収入格差もある
弁護士は裁判だけでなく、企業の経営を法的に支えたり、地域の課題を行政との間で解決したり、多くのフィールドで活躍しています。
また、働き方も多様化しており、インハウスローヤーや自治体内弁護士など新たなキャリアパスも増えています。
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この記事の監修者
株式会社アガルート取締役(株式会社ファンオブライフ取締役を兼任)。 領域特化型転職エージェントを運営する株式会社ファンオブライフを創業し、アガルートへ売却後、同社取締役に就任。 弁護士・法務・管理部門専門エージェント「アガルートキャリア」を立ち上げ、弁護士専門エージェント エイパス株式会社を買収・吸収合併。 特化型エージェント運営やリーガル・管理部門の専門職の転職・キャリアに関する深い知見を有する。 早稲田大学経営管理研究科修了。
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