インハウスの実態
ミツウロコ法務で実現する「事業と伴走する」弁護士のキャリア
株式会社ミツウロコグループホールディングス
法務担当
工藤 萌美・近江谷 維人
本記事では、ガス・電力・不動産など多岐にわたる事業を展開する株式会社ミツウロコグループホールディングス(以下、ミツウロコ)の法務で活躍する近江谷様と工藤様にインタビューを実施しました。
法律事務所で経験を積んだ彼らが、なぜインハウスへの転身を決意し、数ある企業の中からミツウロコを選んだのか。
そして、入社後に見えてきた実際の仕事内容、働き方の変化、やりがい、さらには充実した福利厚生や「人」を大切にする温かい社風まで、ミツウロコの魅力とインハウスキャリアの可能性に迫ります。
法律事務所からインハウスへ転職を決めたきっかけ

株式会社ミツウロコグループホールディングス 法務担当 工藤 萌美 様(左)・同 近江谷 維人 様(右)
自己紹介をお願いします。
近江谷 ミツウロコ法務の近江谷と申します。修習期は66期で、2014年1月に弁護士登録をし、神奈川県内の一般民事を扱う法律事務所で6年ほど勤務しました。
当社には2020年6月に入社し、現在は主任職コーディネーターとして法務全般を担当しております。
工藤 ミツウロコ法務の工藤と申します。修習期は74期で、弁護士登録は2022年の4月です。弁護士登録をしてからファーストキャリアは、埼玉県の中小企業の顧問業務を中心とした法律事務所に在籍しておりました。
契約書レビューといった企業法務から、いわゆる町弁業務といわれる交通事故、離婚、刑事弁護など様々な案件を取り扱ってまいりました。
当社には2024年5月に入社し、現在は主任職コーディネーターをしております。
お二人はなぜ、法律事務所からインハウスに転職しようと思われたのでしょうか。
近江谷 一般民事の事務所で一通りの事件は経験できたかなと思い、新しく可能性を広げてみたいというところと、やはり一度は組織で働いてみたいという思いがありました。
当時35歳だったのですが、新たに転職するのは35歳がひとつの目安になるかなと思ったので、そのタイミングでインハウスを受けました。
工藤 ファーストキャリアは「会社と伴走して事業を進めていきたい」という思いがあり、かつ弁護士としてのスキルもつけたいと思ったので法律事務所を選びました。
しかし法律事務所は、紛争ごとになってからご相談いただくことが多いんですよね。
もちろん新しい事業をやりたい、新しい取引をしたいということでご相談いただくこともありますが、実際に法律事務所に所属してみて自分が思い描いていた働き方とのギャップを感じるようになりました。
やはり事務所だと「弁護士とお客様」という立場にどうしてもなってしまうので、いっそ企業の中に入ってしまおうと思いました。
私の場合は2年間と少しという事務所所属期間でしたが、会社員であればやはり年齢というところは区切りがあるものだと思い、早めにアクションしました。
ミツウロコを転職先に決めた理由
様々な企業がある中で、なぜミツウロコに決めたのでしょうか。
工藤 ミツウロコに応募しようと思ったのは、実家のプロパンガスに三角のウロコのマークがあったことが記憶に残っていまして。
本当に小さい頃の記憶なのでどこの会社なのかは知らなかったのですが、求人を調べている時に「この三角のマーク、実家で見たことある」と思い出しました。そこに縁を感じたこともあり応募したんです。
転職エージェントからは「人がすごくいい会社だ」と聞いていました。その部分が非常に感じられたのは、私を面接してくださった時のことです。
転職活動で訪れたどの企業よりも、一番誠実に私の話を聞いてくれたのがミツウロコだったんです。
面接では駆け出しの弁護士だった私のために、大竹と人事と現取締役が同席したのですが、「こんなに興味を持って話を聞いてくれるんだ」と感動したのが決め手でした。
近江谷様も様々な企業を受けられたんですよね。
近江谷 そうですね。私が会社選びにあたって重視していたのは、特定の分野だけでなく、様々な業務を持っている会社かという点です。
特定の業務だけをやっている会社ですと経験が限られてしまうので、様々な事業分野を持っている会社の方が自分の可能性を広げられるのかなと思っていました。
あとは他に弁護士がいるかというところも重視していました。
法律事務所であればどこの事務所も業務内容とか働き方というのは似てくるのですが、インハウスの場合は会社によって大きく違ってくると聞いていました。
すでに弁護士が入社して活躍している会社であれば、その姿を見れば自分の入社した後のイメージも持てるかなと考えていたんです。
今の弁護士の有資格者は4、5名ぐらいいらっしゃいますか。
近江谷 そうですね、(他部署所属の者も含めて社内に)日本法の弁護士で6人います。
結構いらっしゃいますね。実際に入社してみてギャップはありましたか。
近江谷 イメージ通りでした。
じゃあ本当に様々な経験ができるという。
近江谷 そうですね。
北は北海道から南は九州まで日本全国にグループ会社があり、それぞれの分野について経験できました。
幅広い事業分野を支える法務の仕事

多くの事業を展開するミツウロコでは、法務が対応すべき案件も多岐にわたる。
お二人はどんな業務を担当されていますか。
近江谷 私は電気事業に関する分野または不動産に関する分野、組織再編への対応などを行っています。
工藤 私はフーズ部門と、コンテンツ製作や印刷事業をやっている会社を担当しています。
日々の業務では契約書審査だけでなく広告物の審査やM&A、新規取引事業のプロジェクト案件も担当しています。
おそらく前職では担当されていなかった領域や案件もあるかと思いますが、どのようにキャッチアップしていったのでしょうか。
近江谷 個別の案件ごとに関連法令などを調べたり、その事業部の方に事業の実態をお聞きしたりして進めてきました。
工藤 私も同様です。やはり分からないことが多いので、その都度法律を調べることはもちろんですが、分からないことは事業部の方にお伺いして、全体像のすり合わせをしながら業務を行います。
事業部の方も聞けば教えてくれるような雰囲気なのですか。
工藤 そうですね。電話もそうですし、直接伺っても温かく迎えてくれます。快く教えてくれるのは本当にありがたいことですね。
貴社の法務はどのようなところに特色があると感じますか?
近江谷 やはり様々な事業分野を持っていますので、多くの分野の案件に関わることができるのが特色かなと思います。また、基本的に個人の裁量で案件を進められる点も特徴かもしれませんね。
インハウスでも法律事務所での経験が生きるシーンは多い
法律事務所での経験が生きているなと感じる瞬間はありますか。
近江谷 やはり一番は、何か紛争の問題が出た時ですね。そういう時にはやはり前職の経験が生きているなと思います。
また事情の聞き取りをする場面や、契約書を見る場面でも「この契約書が裁判に出た時にどのような評価を受けるか」を意識しながら契約審査ができる点も、前職の経験が生きていると思います。
工藤 裁判になった時にどうなってしまうかを見据えて契約書を見たり、事業部から話を伺ったりというところは、法律事務所を経ているからこその視点だと感じます。
私は中小企業の顧問業務を中心に経験してきたため、事業部からのヒアリングの仕方には前職の経験が生きているなと感じることが多いです。
最初からインハウスに入ったのと事務所を経てインハウスになったのでは、結構違っていたかもしれないですね。
近江谷 そうですね。やっぱり最初に法律事務所を経験していた方が良かったと思います。
貴社に入社して良かったなと感じるのはどんな時でしょうか。
工藤 当社ではちびまる子ちゃんのCMを流しているので、転職をしてミツウロコに入ったということを伝えた時に「まるちゃんのCMのところだね」と言ってもらえると結構嬉しい気持ちになります(笑)。
人の良さというところで言いますと、ちょっと残業してしまう時はどうしてもあるのですが、そういった時に部内はもちろん他の部署の方からも声をかけてもらえることがあり、本当に人を大切にしているんだなと感じました。
近江谷 社内の方は本当に皆さん良い方だということにびっくりしました。「ここまでいい会社なんだ」という。何か分からないことがあったりとか、質問したりとかしたら、本当に親切に説明してくださいますしね。
法律事務所であれば一度事件を解決してそれっきりという場合もあるのですが、会社では継続的に関わることも多いので、前にやった仕事の内容など自分がやったことに対するフィードバックをもらえるのが恵まれているなと。
当社は暮らしに関係する事業が多く街中で製品やサービスを目にする機会があるので、自分が関わった仕事の成果を目にすることができるという点でも入社して良かったなと思います。
充実した福利厚生制度で働きやすい環境がある
残業時間は大体どのくらいですか。
近江谷 私はほぼ定時で帰っています。基本の勤務時間は9時半から18時です。これも1時間早めて8時半から17時で働くなど、柔軟にシフトを変えることができます。
工藤 トラブルが起こってしまったりプロジェクトの担当に入ったりすると、日々の契約書の審査と両輪でやらなければいけないのでどうしても残業時間がかさむことはあるのですが、均せば私の場合は20~30時間ぐらいで収まっているのではないかと思っています。
リモートも活用しているのですか。
近江谷 以前はほぼリモートだったのですが、最近は会社に行っていることが多いですね。仕事の進みやすさがやはり違います。
「法務の人は週何回出社」と決まっているわけではないのですね。
近江谷 そうですね。週に1回ミーティングの日は基本的にみんな出社してくることにはなっていますが、それ以外は個人に任せられています。
工藤 私も事業部の方と打ち合わせがある日はなるべく出社していますが、何も打ち合わせの予定が入っていない日は基本的にはリモートワークをしています。
やはり出社した方がコミュニケーションや仕事のスピードの面で良いと感じますか。
近江谷 そうですね。
もちろんZoomを使ってテレビ会議で話すのも問題はないのですが、やはり面と向かって話すことで人間関係がさらに深まると感じています。
最近は皆さん会社に出てくる機会が多くなりましたし、実際に顔を合わせて働くことで案件も進みやすい上、一緒に働いているなという感覚が得られるので。
貴社で働く上で助かっている制度などはありますか?
工藤 一番は社宅制度ですね。
実態は家賃補助に近いのですが、採用面接時にも人事の方が強く推していました。(一定の制限はありますが)自分で住居を選べる上に、地域によって決まった額までは会社が家賃を負担してくれる制度です。
補助額もおそらく他に類を見ないのではないかと思います。本当に助かっています。選べる家の選択肢が大きく変わりますからね。
近江谷 私も社宅制度にはかなり惹かれましたね。地域によって金額が変わりますが、規定に定められた通勤圏内であれば、自分の住みたい地域に住むことができます。
工藤 その他に「よかCinema制度」というものがあります。
お休みの「余暇」と映画の「シネマ」を掛け合わせた名前なのですが、年1回ペアで映画館に行って映画鑑賞するのを補助していただけるんです。家族がいる場合は家族全員分補助が出ます。
さらにもう一つ、書籍代の補助もしてもらえます。社長が本を読むことを推進しており、毎月一定額の書籍代が支給される制度です。法務としては様々な書籍を読む必要があるので、非常にありがたい制度だなと思います。
ミツウロコ法務が求める人物像

「人の良さ」はミツウロコ全社にわたって共通する魅力のひとつ。法務組織内でも職位の上下を問わず、円滑なコミュニケーションが行われている。
人の良さや制度の良さを伺ってきましたが、仕事をする上で「大変だな」と思うこともありますよね?
近江谷 一般民事の法律事務所なら裁判をやるのは大体月に1度程度ですが、会社の事業に関する分野ではより短いスパンが求められます。その点ではプレッシャーを感じることはありますね。
工藤 法律事務所とはストレスの方向性がおそらく違うので、私自身は日々の中で何かプレッシャーに感じるということはあまりありません。
ただ、当社は上場企業ですので、M&Aをして組織再編をするようなプロジェクトでは社外からの目線を意識する場面があります。
そのため法務の目線からしっかりと適法性を担保できているかは、日々の契約審査よりも気を遣う部分だなと感じています。
そういった時にはプレッシャーと言いますか、責任を強く感じますね。
これまでのお話を総合すると、お二人から見てミツウロコの法務にはどういう人がフィットすると思いますか。
近江谷 多くの社員とコミュニケーションを取る機会があるので、人と話すことが好きだとか、コミュニケーション力がある方はフィットしそうです。
工藤 私自身まだ入社して1年程度ですからこのようなことを言える立場でもないのですが、弁護士資格の有無にとらわれずに事業部の話を聞ける方はマッチするのではないかと思います。
あとは様々な事業をやっているからこそ多様な契約書を見る機会があるため、好奇心が強い方も当社の法務に向いていると思います。
貴社に入って成長できたのではないかと思う部分はありますか?
工藤 担当案件について「以前聞いたのはこうでしたよね」「それはそうです」「これはここが違います」といった聞き取りができるようになったことです。事業部門を担当しているからこそ、契約書のレビューを深く行うことができるようになったなと感じます。
法律事務所では訴訟の対応や担当顧問先の事業に関わる法律であれば分かるという状況でしたが、当社ではM&Aから日々の契約審査まで様々な案件を担当させてもらえているため、視野がすごく広がったなと思っています。
近江谷様はいかがですか?
近江谷 当社には多くの案件がありますので、自分の知らない案件に出会った時の対応や、その法律の勘どころを押さえること、また関係する事業会社の方から話を聞いてポイントを押さえる力などは成長しているかなと思います。
あとは契約書をレビューする力や、様々な方と関わりながらプロジェクトを進める調整力は事務所にいた時と比べて伸びていると感じます。
これから法務パーソンとしてさらに挑戦していきたいことや、触れてみたい経験は何かありますか?
近江谷 法務パーソンとしては様々な案件に対応するというジェネラリストとしての力も必要ですが、やはり近江谷でなければこの案件は任せられない、といった自分の専門的な分野を作っていきたいなと思います。
また、法務パーソンとして年を重ねていくとマネジメント力も求められてくると思いますので、ここについても力を伸ばす必要があるのかなと考えています。
工藤様はいかがですか。
工藤 私は入社して1年と社歴が浅いのですが、今後はもっとプロジェクト案件にアサインされる法務パーソンになっていきたいと思っています。
まだまだ私1人でできることは少ないので、1人でできることを少しずつ増やしていきたいなと思っています。
お二人がキャリア形成において大事にしている考え方やスタンスを教えてください。
工藤 やはり人間性を磨いていくことが大事だと思っております。どんな会社でもどんな仕事でもそうだと思うのですが、人との関わりは仕事をしていればずっと続くことですよね。
また、私自身は好奇心が強い方だと思っていますけれども、今の強い好奇心を年を重ねてもずっと持ち続けることも大切にしたいと思っています。
その一方で事務所から離れた今、法律業界の実務には疎い部分がありますので、法律業界の実務については自分でキャッチアップしていかなければいけないと思います。
近江谷 まず当然、個人として効率的に業務を進める力をつけるのもそうですし、会社の人間として働く以上は、自分だけでなく自分の経験・知識を仲間と共有し、組織として一緒に成長するというマインドが必要だと考えています。
最後にキャリアの情報収集をしている弁護士や法務パーソンに向けて、メッセージをお願いします。
工藤 私が転職活動を始めた際、法律事務所からインハウスに転職した近しい年代の弁護士の仕事内容やどういう風に考えているのかには興味がありましたし、キャリアを考える上でも悩んでいたところです。私たちの話が少しでも参考になれば嬉しいです。
近江谷 当社は非常に働きやすい職場だと思います。もし法律事務所で勤務していて、インハウスに挑戦してみたいという方がいらっしゃいましたら、ぜひミツウロコグループホールディングスの門を叩いていただければと思います。

動画:法律事務所から100年企業ミツウロコの法務部へ転職


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