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スタートアップに伴走するGVA法律事務所 AI時代の弁護士が持つべき「マインドセット」とは
GVA法律事務所
代表弁護士
小名木 俊太郎
急速な発展を遂げるスタートアップ業界。
その成長を法務の力で支えるGVA法律事務所の共同代表弁護士・小名木先生に、事務所が持つ特色や弁護士としてのキャリア、そして未来への展望についてお話を伺いました。
本記事ではGVA法律事務所の革新的な取り組みと、小名木先生が歩んできたキャリアの道のり、若手弁護士へのメッセージをお届けします。
小名木弁護士自己紹介

GVA法律事務所 代表弁護士 小名木 俊太郎様
小名木先生の簡単な自己紹介をお願いします。
GVA法律事務所の共同代表弁護士を務めております小名木と申します。上場企業を中心にサポートする法律事務所で約3年間勤務した後、2016年に現在のGVA法律事務所へ入所いたしました。
2020年からは共同代表として、事務所の経営面を含め、全体を統括しております。どうぞよろしくお願いいたします。
GVA法律事務所様が他の法律事務所様と比べてどのような特色をお持ちなのか、概要をご説明いただけますか。
私どもはスタートアップ企業を中心にサポートしている法律事務所です。
創業当初から一貫してスタートアップをメインとしてきました。
業務内容は100%企業法務ですが、特徴的な点として、スタートアップのファイナンスやストックオプションといった、他の企業法務ではあまり扱わない分野の業務を多く手掛けていることが挙げられます。
最近では、スタートアップの支援を通じて培った最先端の法務分野の知見を活かし、上場企業の新規事業サポートも増えており、徐々に上場企業のクライアントも増加している状況です。
GVAというお名前には、どのような意味が込められているのでしょうか。
GVAの「G」は「グローバル」、「V」は「ベンチャー」、「A」は「アチーブメント」を意味します。
創業当初からスタートアップがグローバル化していくと考えておりましたので、GVA自体もグローバル展開を目指すという思いも込めて「G」が入っています。
また創業当初から主にベンチャー企業をサポートしたいという強い思いがあったため、「V」の文字が入っています。
「高島屋でハンカチを売った…」小名木弁護士のファーストキャリア
小名木先生のファーストキャリアはGVA法律事務所ではないと伺っておりますが、最初はどのような業務をされていたのでしょうか。
最初の事務所は上場企業を中心にサポートしていました。そこでは弁護士業務と並行して、企業内弁護士として高島屋に約3年間出向していました。
当時は高島屋に出社し夕方まで勤務した後、案件があれば事務所に戻って仕事をするという二足のわらじを履くような働き方でした。
当時の事務所ではどのような案件を主に担当されていたのですか。
上の先生が元東京地検特捜部出身だったこともあり、企業間紛争や訴訟など、紛争系の相談が多かったですね。
最初の事務所には、出向期間とほぼ重なる約3年間在籍しました。
入所後、すぐに高島屋へ出向されたのですね。
そうです。
元々出向前提での入所でしたし、私自身も企業の中を知りたいという希望があったため、うまく合致して高島屋へ出向させていただきました。
企業での実務経験と法律事務所での経験を両方お持ちですが、企業での出向経験は今振り返ってみて、大きな学びとなりましたか。
とても大きな経験でした。
企業内で働くことで、会社の仕組みや、企業がどのような考え方で動き、稟議がどのように上がっていくのか、取締役会への流れなどが非常によく分かりました。
また、高島屋特有かもしれませんが、現場に出ることが多く、日本橋店の婦人用品売り場で実際にお客様にハンカチを販売した時期もありました。
販売スタッフとして現場に立たれたのですね。
はい。
当時27歳くらいでしたが、高島屋のお客様に大変可愛がっていただきました(笑)。
それは意外です。出向というと法務部で法務的な案件に対応するイメージですが、高島屋の社風や制度で、間接部門の社員も一度現場を経験するというものがあったのでしょうか。
まさにその通りです。
私自身が高島屋で弁護士一号案件だったため、どのような対応が良いのか、お互い探り探りの状況でした。
そのため私も新人研修を他の社員と一緒に受け、日本橋店でハンカチを売る経験もしました。ビジネスそのものを理解していなければ、法務部からのサポートも十分に行えないという考えがあったのだと思います。
現場を知ることで、現場がどのように回っているのか、手続きはどうなっているのかがよく分かります。
例えば、個人情報紛失のような事案が法務部に上がってきた際も、現場で働いた経験があれば状況をより深く認識でき、よりカスタマイズされた再発防止策や法務サポートを提供できたという印象がありますね。
GVA法律事務所への転職を決意した理由

GVA Tech株式会社は、GVA法律事務所の創業者が立ち上げたスタートアップ企業。リーガルテックのプロダクトで、2024年12月には上場も果たしている。
非常にユニークなファーストキャリアだったのですね。そこからGVA法律事務所様へ転職されたとのことですが、前職を辞めて転職しようと思われた理由や、その中でGVA法律事務所様を選ばれた決め手についてお聞かせいただけますか。
転職を考えたきっかけは、当時の企業法務において、高島屋に限らず他のクライアントでも、法務部の方々と相談する機会が多く、企業規模が大きくなるほど「全体最適な法務サポートができているのか」という漠然とした疑問を抱いていたことです。
会社の中にいると、法務部というのは当時、経営企画が進めたいことに対してブレーキ役になることが多く、部署間の衝突も生じがちでした。
そのため、全体最適な法務サポートができていないのではないかという、心の中に小さな引っかかりがありました。
その中で他の選択肢も見てみようと考えた時、GVA法律事務所は創業当初からスタートアップを支援しており、スタートアップであれば経営者と直接話し、意思決定をサポートできるため、全体最適な法務サポートが実現できるのではないかと考えて、非常に興味を持ちました。
他にもいくつかの事務所を検討しましたが、最終的な決め手は創業者である山本でした。
彼は現在GVA Techの代表取締役ですが、当時、こんな弁護士がいるのかと思うほど型破りな人物で、「世界200カ国に展開するぞ」といった発言も面白いと感じました。
山本の考え方や個性を見て、「この事務所に入ればきっと面白いことができる」と思い、入所を決めました。
現在、共同代表を務めていらっしゃいますが、代表弁護士になられたのはいつでしたか。
代表に就任したのは2020年です。
どのような経緯で代表弁護士になられたのでしょうか。
2018年にパートナーとなって以降、当時、代表の山本は2017年にGVA Techを創業したこともあり、少しずつ権限が移譲されていきました。
私自身も経営に興味があったので、以前からその旨を山本に伝えていました。
そのため、採用や人事評価など様々な内部業務に携わる機会をいただき、2020年7月から9月頃に「一度事務所全体を見てみないか」という話をされました。
私は当然「はい」と返答し、担当させていただいたところ、山本にも「任せてみたけれども、事務所をしっかりと運営してくれそうだ」という感触を持ってもらえたようです。
その後、10月からは完全に代表に就任し、山本もGVA Techの経営に集中できる環境が整いました。
ここからは本題であるGVA法律事務所様についてお伺いします。まず、現在の事務所の規模や組織体制、弁護士の人数について教えていただけますか。
恵比寿オフィスには約24、25名の弁護士がおります。グループ全体では、外国人弁護士を含めると約40名体制です。
修習期で言えば、一番上が60期、一番下が新人の77期までと、最近はかなり幅広い期の者が在籍しています。
男女比は、恵比寿オフィスで見ると男性が約7割、女性が約3割といった比率です。
アソシエイトの先生方は全体の半分くらいを占める形でしょうか。
ええ、パートナーが5名、シニアアソシエイトが7名程度で、残りがアソシエイトという構成です。
GVAの由来で「グローバル」というお話がありましたが、海外展開もされているのですよね。
はい。タイとフィリピンに拠点があり、それぞれ日本人弁護士が拠点長を務めています。
また、各拠点で現地弁護士も採用していますね。マレーシアとインドにはデスクを借りており、弁護士が常駐しているわけではありませんが、それらの国の案件にも対応しています。
なるほど。案件によっては、海外の拠点と連携しながら対応されることもあるのですね。
はい、海外の拠点と連携しながら対応しているクライアントもいらっしゃいます。
案件への対応は、どのようなチーム体制で行っているのでしょうか。
主に顧問契約が多いので、顧問先様への対応は基本的に2人1組でサポートしています。
主担当と副担当を必ず配置することで、担当者が不在の場合でも対応できる体制を整えています。
顧問契約以外の案件では、産業別チームを組成しており、Web3チーム、フィンテックチーム、メディカルチーム、AIデータチーム、メタバースチームなど、各チームに専門性を持つ弁護士が所属しています。
専門的な案件は各チームが担当し、ここでも基本的に2人1組で対応しています。
シード・アーリーからIPOまで、全フェーズを支援可能
GVA法律事務所様の強みはスタートアップ支援とのことですが、スタートアップにも様々なフェーズがあるかと思います。どのフェーズも対応されているのか、あるいは特に強みのあるフェーズがあるのか、お聞かせいただけますか。
基本的に、起業前からIPO後まで全般的にサポートしております。
ただ、私どもの事務所が他の事務所と異なる点として、シード・アーリーフェーズのスタートアップが非常に多いことが挙げられます。
顧問先は約340〜450社ほどありますが、その約7割がスタートアップ企業で、さらにその約半分がシード・アーリーフェーズの企業です。
創業当初からしっかりとサポートさせていただいているクライアントが多いですね。
創業当初のスタートアップ企業とのネットワークや接点があるからこそ、そうした案件を獲得しやすいのでしょうか。
スタートアップ界隈は確かに広いとは言えませんが、ご紹介いただくこともありますし、インターネット経由で私どもの記事やサイトを見て「スタートアップに詳しそうなので」とご連絡いただくこともあります。
最近では「ChatGPTに聞いたらスタートアップサポートでGVA法律事務所が出てきたので来ました」というお問い合わせもありましたね。
最近ならではのエピソードですね。シード・アーリーフェーズの企業が多いとのことですが、小名木先生ご自身も前職でスタートアップ法務に携わっていたわけではないと伺いました。スタートアップ法務の経験がない弁護士の方でも、中途で入所して活躍されている方は多いのでしょうか。
はい、まさにおっしゃる通りです。
私自身もスタートアップ経験は全くない状態で入所しましたし、現在のシニアアソシエイトやパートナー弁護士も、半分以上はスタートアップ経験なしで入ってきています。
そもそも、スタートアップを本格的にサポートしている弁護士自体がまだ少ないので、スタートアップの経験がないからといって私どもで活躍できないということはありません。
環境としても、クライアントの7割から8割がスタートアップ企業ですから、自然とスタートアップについて学ぶ機会が豊富にあります。
また、定期的な勉強会や、スタートアップに関する専門的な勉強会も開催していますし、中途採用者や新卒採用者向けには教育も行っています。
その中にはスタートアップ講義という形でいくつかの講義や演習もあり、無理なくスタートアップの知識を習得できる体制が整っているので、経験がなくても十分に活躍できると考えています。
スタートアップと聞くと特殊なイメージもありますが、企業であることには変わりないので、法務的なマターも根本は同じで、そこにスタートアップ特有の特色が加わるという理解で良いのでしょうか。
はい、その通りだと思います。私自身も企業内弁護士の経験がありますが、その経験は非常に役立ちます。
スタートアップ法務は、スタートアップが抱える課題を全般的にサポートする必要があるため、企業内の法務部と同じような役割を担うことになります。
私以外にも企業内弁護士経験のある弁護士は多く、おそらく全体の3分の1くらいはいますね。
逆に「この分野しかやりたくない」「この専門性だけを突き詰めたい」という方には、少しミスマッチになる可能性もあるのでしょうか。
そうですね、それはあるかもしれません。
求められるのは全般的な対応能力ですから。
ジェネラルの上に専門性が立つのは良いと思いますが、「これしかやらない」という方にはスタートアップ法務は少しミスマッチになるかもしれません。
スタートアップ法務の面白さと難しさ

経営者とともに企業を作り上げていく経験ができるのが、スタートアップ法務の醍醐味だという。
スタートアップ法務と一般的な企業法務との違い、スタートアップ法務ならではの特色について教えていただけますか。
中途採用の方が入所して一番戸惑うのは、やはりスタートアップファイナンスやストックオプションといった分野ですね。前職で全く経験がない方が多いので、大きなハードルである一方、特色の一つとも言えるでしょう。
あとは、スピード感が非常に速いという点も挙げられます。
スタートアップは経営者の意思決定が速いですし、速くなければ生き残れないという側面もあります。加えて、経営者から直接連絡が来ることも多いため、難しいと感じることもあるかもしれません。
回答した内容がそのまま意思決定に反映されますし、特に未経験で入所された方は、このスピード感に戸惑う瞬間もあるかもしれません。
それが面白さであり、やりがいにも繋がるということでしょうか。
はい、その通りです。
経営者と一緒に会社を作り上げていくような経験ができるので、経営者が今困っていることや、今実現したいことを直接相談していただき、それに対してサポートできるというのは、非常に大きなやりがいとなります。
先生がこれまで対応された中で、特に印象に残っている案件や、GVAらしい経験があればお聞かせください。
印象に残っているのは、案件というよりもクライアントとの伴走経験ですね。
ちょうど今年3月に上場されたクライアントなのですが、私が2016年に入所した当初からずっとサポートさせていただいていた企業です。
9年前はまだ非常に新しい事業でどうなるかと思っていましたが、着実に実績を積み重ね、今年3月に無事上場されたことは、本当に感慨深いものがありました。
法的な論点も非常に多く、上場時には様々な質問があったクライアントでしたので、無事に上場できて本当に良かったと感じています。
上場パーティーにも伺いましたが、経営者と「お疲れ様でした」「本当にありがとうございました」と話したことも、非常に印象に残っています。
法律事務所と事業会社のクライアントとの関係は、あくまでも「クライアント」という位置づけだと思いますが、GVA法律事務所様では非常に距離が近いと感じます。まるで社内の人間のようですよね。
そうですね。
Slackなどでクライアントの社内チャットツールに直接参加することもありますし、クライアントからも「社内の人間」という印象を持っていただけることもありますので、距離はかなり近いと思います。
AIやデジタル化が弁護士業務にもたらす変化
現在、デジタル化やAIの進化が著しいですが、これらの変化は法律事務所の弁護士の働き方にも影響を与えているのでしょうか。業務で実際に変わってきたと感じる点はありますか。
はい、影響は大きいですね。
たとえばGVA法律事務所でも、山本が創業したGVA Tech株式会社が提供するリーガルテックサービス「OLGA(オルガ)」を広く活用しています。
このような案件管理ツールや契約書レビューツールなどの活用により、業務効率が格段に向上したと実感しています。当事務所では他にも、全員の知見を集約し共有するシステムや、他の業務管理ツールも導入しています。
マーケティングでAIを活用したり、記事作成のリサーチサポートにAIを使ったりと、弁護士業務だけでなく、弁護士以外の業務にもAIを積極的に活用している状況です。
今後、これは必須になってくるだろうと考えています。
テクノロジーを積極的に取り入れていく上で、弁護士に求められる考え方はどのようなものでしょうか。
一番大切なのは「ポジティブな気持ちで使ってみる」ことだと考えています。
特に組織で新しいツールを導入する際には、どうしても「これまでの方が良い」といった抵抗勢力が現れるものですが、「いや、そんなことはない、これを使えば良くなるんだ」と推進者がしっかりと信じて、ポジティブな姿勢でやり遂げることが重要です。
テクノロジー導入で挫折したという話はよく聞きますが、そのようなケースではフォロワーシップやマインドセットが足りず、周囲の協力が得られなかったという声も聞きます。
そのため、導入する際には事務所全体でポジティブな気持ちで取り組むことが大切です。
また、テクノロジーは導入するだけでは古くなってしまうため、業務フローに合わせて利用法をアップデートしていくメンテナンスも必要だと考えています。
テクノロジーの活用が進む一方で「人でなければ難しい」という業務やポイントはありますか。
交渉ごとは、やはり人でなければ難しいと感じています。
契約書の中でのコメントの応酬などもそうですが、会社同士の関係性はもちろん、「この情報は譲ってもこちらは譲れない」「会社としてここだけは大前提として譲りたくない」「今回のフェーズではこれで良いだろう」といった様々な要素が絡み合います。
それらを踏まえて適切なコメントを入れ、契約書を相手方に返すといった交渉ごとは、どれだけテクノロジーが進化しても、やはり人が行うべき領域だと考えています。
GVA法律事務所が求める弁護士像と育成体制
GVA法律事務所様にはどのような弁護士がフィットすると思われますか。経験よりも、マインドセットの面で教えていただけますか。
変化に対してポジティブに対応できる人が非常に重要だと考えています。私どもの事務所もクライアントも外部環境に合わせて変化していきますからね。
特にスタートアップを取り巻く外部環境は劇的に変化しますので、常に情報をキャッチアップし、クライアントが変化したら自分もそれに合わせて対応し、法務サポートも変えていく必要があります。
常に流動的な状況に対応し、ポジティブで前向きな姿勢で一緒に仕事ができる人が合うでしょう。壁に直面した時にも「どうやって乗り越えようか」と前向きに考え、「乗り越えてやる」というマインドセットが重要です。
スタートアップ法務では壁にぶつかるケースは多そうですね。
はい、非常に多いです。
適法性のリサーチ段階でグレーな領域に踏み込むこともあり、行政から「これは難しいでしょう」と却下されることも少なくありません。
そのような時、「ではダメですね」で終わるのではなく、「このようにすれば良いのではないか」とクライアントと一緒に議論できるマインドが非常に重要です。
新メンバーが入所された際、スタートアップ法務についてはどのようにキャッチアップをサポートされていますか。特に力を入れている取り組みがあればご紹介ください。
勉強会を頻繁に行っています。
最近ストックオプションに関する法改正がありましたが、スタートアップ関連の法改正が頻繁にあります。改正が行われた際には事務所全体で勉強会を開き、「このように変わったので、今後我々としてはクライアントにこうサポートしていこう」といった議論をしています。
また、スタートアップの現状をキャッチアップするため、上場した会社の有価証券報告書を皆で確認し意見を出し合ったり、「このような点がポイントだったのか」と話し合ったりもします。
最近GVA Techが上場しましたが、上場時の課題についてGVA Techの山本と取締役の方々を招いて勉強会も実施しました。
透明性の高い評価制度とキャリアパス
評価制度についてお伺いしたいです。法律事務所の評価制度は事務所によって異なり、オープンになっていないことも多い印象ですが、GVA法律事務所様ではどのような評価制度を採用されているのでしょうか。
「能力評価」と「情意評価」で評価を行っています。
能力評価は、弁護士としての能力に加え、スタートアップ弁護士としての能力も含む約10項目についてそれぞれ10段階で評価します。
一方、情意評価は、事務所のバリューとして「GVAの弁護士はこのような行動をすべきだ」という行動指針を8項目定めており、それぞれが達成できているかを5段階で評価しています。
これらの評価は半期に1回実施します。ただし、半期に1回では本人の主観と事務所の客観との間にずれが生じる可能性があるため、2ヶ月に1回フィードバック面談を設けています。
6月と12月に評価を行い、2月、4月、8月、10月にフィードバック面談を入れることで、お互いの評価のずれがないようにしています。
システマチックで分かりやすい制度ですね。
はい。弁護士からも「かなり緻密だ」という声がありますし、評価自体も非常に透明です。
アソシエイトの評価の場合、上位パートナーやシニア弁護士3名程度が評価して出した数字が、そのまま基本給に反映される仕組みです。
賞与はあるのでしょうか。
はい、賞与もあります。賞与は完全に成果報酬型です。
私どもの事務所では組織をしっかり作っていくことをメインテーマに掲げているため、各弁護士の売上を計算するのに加え、内部業務への貢献も評価対象としています。
例えば、ひな形作成や採用活動での面接、マーケティング活動といった内部業務も金額換算し、その合計値をもとに賞与を支給しています。
事務所が大きくなるにつれて、内部への貢献度も重要になってきますよね。
その通りです。
法律事務所は組織化が特に難しいと言われる分野であり、弁護士は「一匹狼」というイメージもあります。
だからこそ、組織化するために内部への貢献も重視し、組織に貢献してくれた人をしっかりと評価する制度にしています。
なるほど。ちなみに、アソシエイトの方の年収レンジはどのくらいになるのでしょうか。
アソシエイトは700万円から1000万円を超えるくらいというイメージです。
シニアになるともう少し高くなるのですね。パートナーになるための基準はありますか。
シニアアソシエイトからパートナーへ昇格する際もグレード制を採用しており、様々な評価をクリアしていくとパートナーになります。
パートナーにもさらにグレード制があり、そのグレードに応じて報酬テーブルが決まっています。パートナーも含め、すべてにおいて透明化され、予測可能性の高い制度を導入しています。
GVA法律事務所様で働くことで得られる成長機会や、GVAならではの経験とはどのようなものでしょうか。
まずGVAならではの経験という意味では、クライアントがスタートアップの経営者様が多いので、スタートアップの「今」を全て経験できるということです。
先ほどお話ししたIPOを果たす場面もあれば、資金調達が厳しく「来月には貯金がゼロになる」というような、非常に厳しい状況にギリギリで踏みとどまる場面にも立ち会います。
手続きを一つ間違えれば会社が危うくなるような状況で、経営者と膝を突き合わせてリアルに対応する。そのような現場の「今」を経験できるのは、他では得難い経験だと思います。
経営者はビジネスへの理解が深く、頭の回転も速い方が多いです。経営者にしっかりと信頼してもらうためには、かなりのスキルや能力が求められます。
経営者と仕事をするだけでも、プロフェッショナリズムの向上や成長の機会が非常に多いと感じています。
なるほど。リーガルパーソンとしてだけでなく、ビジネスパーソンとしての成長も大いに期待できる環境なのですね。
はい。
私どもの事務所は「ビジネス理解力」を非常に重視しています。
クライアントと話す際、当然クライアントの方がビジネスに詳しいわけですが、弁護士も競合他社はどうか、マネタイズポイントはどこか、最近上場した事業の動向はどうか、といったビジネスパーソンとしての知識を高めていこうと常に話しています。
そのようなビジネス理解力がなければ、本当の意味での法務サービス、全体的な法務サービスは提供できないと考えていますので、事務所でも勉強会を通してこの力を伸ばしています。
若手弁護士へのメッセージ

「情報収集を行い、集中して行動する」。当たり前のようだが、それだけでも周囲と差をつけるには十分なインパクトがある。
自身のキャリアを考えている若手弁護士の方々に対し、キャリアを築く上で意識すべきことや、若い時に積んでおくと良い経験があればお聞かせください。
あくまで私見にはなりますが、生成AIなどにより社会が劇的に変化している中で、やはり情報をしっかりと収集しておくことが重要だと思います。
司法試験があるため仕方ない部分もありますが、特に最近の新卒の方々はあまりアンテナが立っていないような印象を受けます。
だからこそ情報収集をしているだけでも他と大きな差をつけられると思います。また、良い情報を見つけたら、そこに集中してやり遂げるという行動力も非常に重要です。情報に基づいて選択し、集中して行動することによって、大きく突き抜けられるのではないでしょうか。
今、若手には多くのチャンスがあると思います。
経験の長い先生方はもちろん深い知見をお持ちですが、新しいビジネスとなるとデジタルネイティブ世代の方々の方がすんなりと理解できることがあります。
スタートアップでは特に経営者層も若い方が多いので、本当にチャンスだと感じています。思い切って行動することが非常に重要でしょう。
成長する弁護士に共通するのは「素直さ」と「ポジティブな姿勢」
小名木先生は採用活動をする中で多くの弁護士の方を見ていると思いますが、弁護士として成長する人とそうでない人にはどのような違いがあると思われますか。
やはり「素直さ」が大切だと感じています。
指導を受けた際、「でも」から入る人っていますよね。
「でも」と言われると、指導する側も「でもじゃないんだけどな」と思いますし、内容が浸透していないと感じるものです。
ですから、「いや、でも」と思ったとしても、まずは一旦飲み込んで考えてみるという姿勢が非常に重要です。指導を受ける側が考慮している情報量と、指導側が持っている情報量には差がありますからね。
そのような情報を一旦素直に受け入れて、試してみることができる人は大きく成長すると感じます。
そして、先ほどもお話ししましたが、様々な変化に対してポジティブに反応できる人はやはり違いますね。突き抜ける人は、ポジティブに反応し、行動している人が多いという印象があります。
そのような方は伸びますし、私も脅威に感じます(笑)。
小名木先生ご自身のキャリアを振り返ってみて、迷われた時期や苦しかった時期はありましたか。また、その時どのように乗り越えられましたか。
一番迷ったのは、転職した時です。
弁護士4年目で、3年間お世話になった法律事務所にはやはり恩義を感じていました。しかし、全体最適な法務サービスに関してモヤモヤとした思いも抱えていた時期でもありました。
そのモヤモヤを抱えるだけでなく、他の選択肢、つまり転職も考えて行動に移したことは非常に良かったと感じています。
結果として山本とも出会えましたし、思い切って飛び込んで本当にこの人は面白いなと思えました。そういった意味で、転職の時が一番悩みましたね。
悩むだけでなく、行動に移したことが結果的に良かったと。
はい、その通りです。
当時、悩んだだけで終わっていたら、今の自分はなかっただろうと思いますので、しっかりと情報収集したことが重要でした。
小名木先生の弁護士としてのキャリアに最も影響を与えた人物はどなたでしょうか。
やはりGVA法律事務所の創業者である山本だと思います。
初めて面接した時は「変わった人がいるな」と思ったのですが、実際に入所してみると、彼は変わっているだけでなく、非常に勉強家で、深く考え、そして驚くほど行動する人でした。
バイタリティというよりは、「これがやりたいから当たり前にこうする」ということを自然にできる人ですね。今でも非常に尊敬しています。
意識はしていてもなかなか同じようには行動できない部分もありますが、少しでも彼に近づけるような弁護士になり、後輩たちにも良い背中を見せたいと思っています。
山本先生と一緒にお仕事をされる中で、すごいと感じた点や、ご自身も近づいていけたと感じる部分はありますか。
山本は会社を上場させていますし、行動力は計り知れません。
特に「諦めない」という点が非常に重要だと思います。山本は本当によく粘るのです。
普通の人なら心が折れてしまったり、「もういいか」と思ってしまったりするところを、彼はそうではないかのように淡々と突き進みます。そこが本当にすごいと今でも思いますね。
そのような方が身近にいらっしゃるのは、大きな財産ですね。
今でも週に1回ミーティングをしていますが、いつも非常に勉強になります。
そのような人を見つけられるかどうかも、キャリアにとって大切かもしれませんね。
はい、大切だと思います。
最後にキャリアについて情報収集をしている弁護士の方々へメッセージをお願いします。
GVA法律事務所はスタートアップを中心にサポートしている事務所です。スタートアップ法務は若手に非常にチャンスがある領域だと考えています。
もっと自分の専門領域を確立したい、ビジネスに興味があるという方は、ぜひお気軽にご連絡いただければと思います。よろしくお願いします。
動画:スタートアップを支える法律事務所|創業・資金調達・IPO・M&Aを支援

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