一般民事系事務所からインハウスローヤーへ転職 若手弁護士でも異例の年収アップが叶った背景

弁護士のキャリアにおいて、一般民事系の事務所から事業会社内のインハウスロイヤーへと転身する道を選ぶ方は少なくありません。

しかし、事務所勤務と比較してインハウスの年収水準が下がる傾向にある中、想定されていた年収上限を大きく超えるオファーを得て転職を成功させた事例は非常に稀です。

今回は、若手ながら一般民事系事務所で経験を積み、見事インハウス転職を実現した70期代弁護士の事例について、担当キャリアアドバイザーの森にインタビューを行いました。

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若手弁護士のユニークな経験と転職を決意したきっかけ

まず、今回転職された方の背景と、なぜ転職を考え始めたのかを教えていただけますか。

 この方は70期代中盤の若手弁護士で、一般民事系の事務所に勤務されていました。特筆すべき点として、彼は地方にあるその弁護士事務所の拠点長を任されていました。

そのため単に弁護士の業務を行うだけでなく、採用・マーケティング・営業・経営管理といった事務所の運営にも携わっていらっしゃったんです。

若手でそこまでの経験を積めるのは珍しいですね。そうした経験が、転職を考えるきっかけになったのでしょうか。

 はい。法律に関わる実務や、顧問先の法務相談を行う中で、ご本人はより事業に寄り添った形で、事業会社の中で経営に近い法務支援をやっていきたい、という思いが湧いてきたそうです。

また第一の理由ではないものの、働き方も見直したいと考えていたようです。この方は拠点運営を任されていたこともあり、連日24時を超えるようなハードワークが続いていたと伺っています。

一般民事系出身者のインハウス転職の難易度と可能性

一般民事の経験が2年ほどでインハウスを目指すというのは、一般的に見て難易度はどうなのでしょうか。

 感覚的には、ハードルは高めになります。

企業法務をメインで取り扱う大手や準大手の事務所出身の方々と比較すると、一般民事出身の方はどうしても企業法務の経験値という部分で弱くなる傾向があるためです。

やはり難易度は上がるのですね。

 ただ、可能性がゼロというわけではありません。企業側は「一般民事出身の方でも歓迎します」というリクエストをエージェントに出しているケースは実は非常に多くあります。

弊社もそういった案件を多く保有していますので、選択肢は十分にあるのが現状です。

この方の応募数はどのくらいでしたか。

 5社前後でした。関西圏にお住まいの方だったので、東京に比べて関西では案件数が少ないことに加え、インハウスローヤーというポジションはさらに絞られるため、厳選してご紹介した結果です。

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書類選考の通過率と評価されたポテンシャル

応募後の選考状況はいかがでしたか。書類選考で厳しく見られることが多いのでしょうか。

 書類選考の通過率は高かったです。

一般民事の事務所出身であっても、企業法務の経験があったこと、そして年齢的にも若手で伸びしろがあるという点から、「一度会ってみよう」という企業様が多かったのは間違いありません。

ただし内定が出るかはまた別の話になってくるのですが……。

内定を出した企業様は、特にどのような点を評価されたのでしょうか。

 今回内定を出された企業様は、収益不動産を扱う会社で、非常に成長の加速度が速い企業です。

売上も大きく伸びるようなスピード感のある企業で、専門人材、つまり有資格者を部門ごとに置いて体制を強化したいというニーズがありました。

その成長期待が評価につながったのですね。

 はい。経験値だけで見れば、法務の観点からはまだポテンシャル層という評価でした。しかし、彼のポテンシャルの高さが評価されました。

冒頭で触れたように、彼は法律実務に加え事務所の経営にも携わっていたため、若手の他の弁護士と比べて意識が一つ二つ高いと見なされました。

土台があるため吸収が早く、カルチャーにも十分対応できるだろう、というポテンシャルを高く評価いただいたのです。

異例の年収アップを実現した背景と評価の変動

この方の事例で驚いたのは、年収が上がったという点です。インハウスへの転職は、事務所勤務に比べて年収が下がる傾向が強い中で、これはかなり珍しいケースですよね。

 その通りです。特に若手弁護士の方で年収が上がるのは、非常に珍しいと言えます。

しかも、今回のケースでは、もともと事務所での現年収よりも、求人票の想定年収の上限は低かったんですよね。その低い想定額を上回るオファーが出たというのは、なぜでしょうか。

 そうなんです。

当初は、現年収より100万円から150万円程度下回る可能性が高いとご本人にもお伝えし、覚悟をお願いしていました。

しかし、選考のフェーズが進み、最終面接などで役員や代表といった決済権者が登場した際に、状況が変わったのです。

最終的なジャッジをする方々が高く評価したということですね。

 はい。「この優秀な方を逃したらだめだ。適正な金額を支払うべきだ」という代表や役員の一声により、当初人事側で組んでいた予算のバジェットを超えてでも採用しよう、という判断に至るケースが稀にあるのです。結果として、想定していた額よりも大幅に高いオファーが出されました。

求人票の記載に囚われず可能性を広げる重要性

最初の目線が高いと今回の企業様のように求人票の想定年収が現年収より低い場合、応募すらしていなかった可能性がある、ということですよね。

 その通りです。求人票に書かれた金額だけを見て「これは合わない」と判断しエントリーをしない方は意外と多いのですが、それは非常にもったいないと思います。

今回の事例のように代表の評価が高かった場合や、企業側がそのポジションを長期間探しており要件や報酬面が変動しやすいタイミングであった場合など、求人票の内容よりも大幅に改善されるケースもありますから。

入口のところで可能性を狭めすぎない方が良い、ということですね。

 はい。キャリアを検討する中で結果が変わる可能性はありますので、少しでも気になる案件があれば積極的にトライをしていただくのが良いでしょう。

インハウスローヤーの採用数は非常に増えており、企業法務のご経験がない方でも、ぜひ会いたいという企業様はたくさんいらっしゃいます。

本日は貴重な事例の解説ありがとうございました。

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この記事の監修者

リーガル専門コンサルタントとして、弁護士・法務人材を中心に転職支援を行う。中国発大手テクノロジー企業の日本法人にて創業メンバーとして事業開発・推進に従事。スタートアップ〜大手事業会社での事業開発、マネジメント経験を有していることから、様々な角度からの俯瞰したアドバイスを強みとする。

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