弁護士の平均年収は?アソシエイト・パートナー・分野別の相場と年収アップの秘訣

年収はキャリアを考える上で大切な要素の一つです。

現代の弁護士の選択肢は法律事務所にとどまらず、企業内弁護士(インハウスロイヤー)として働く道や、リーガルテック分野などで起業を目指す道も選択肢として広がっています。

オンライン上に公開されている求人情報を見ても、弁護士の活躍領域が多彩であることがよくわかります。

本記事では、弁護士専門の転職エージェントとしての知見を踏まえ、最新の年収相場やキャリアステージごとの特徴、専門分野による年収の差異について詳しく解説します。

また、企業内弁護士を中心とした求人情報における特徴にも触れながら、弁護士としてのキャリア形成に役立つヒントをお伝えします。

冒頭で、弁護士専門の転職エージェント「アガルートキャリア」が支援している弁護士の平均年収も公開しています。

PEファンド、有名企業、事務所などの
非公開求人が受け取れるメルマガ配信中

アガルートキャリアは弁護士専門の転職エージェントです。弊社独自の求人をご経歴に応じて個別に紹介しております。求人の情報収集をお考えの方はお気軽にメールマガジンにご登録ください。

無料メルマガ登録はこちら

アガルートキャリアで転職を支援した方の平均年収は1151万円

アガルートキャリアが2024年から2025年2月までの転職を支援した方の平均年収は1,151万円です。

※この数字にはインセンティブ等の額は含まれず、確定している年俸・年収分のみです。

年収の幅としては、600後半から3,000万円台となっており、その方の経歴やポジションによって大きく差があります。

事務所の弁護士の方の年収は700万円前後~3,000万円代と幅があり(多くの方は900~1500程度に分布されます)、インハウス(企業内弁護士)の年収は600後半~1200万円程度です。

弁護士の求人一覧(アガルートキャリアで公開しているもの)

弁護士の平均年収の実態

弁護士全体の平均年収

日本弁護士連合会の2018年の調査では、弁護士の平均年収は2,143万円、平均所得は959万円です。

しかし、これはあくまで「平均」であり、大手法律事務所のパートナーや事務所経営に成功した独立開業弁護士などは、2,000万円〜数千万円(上限はありません)の収入を得るケースも珍しくありません。逆に、開業直後や事務所規模、案件の内容によっては、年収が平均を下回る可能性もあります。

・日本弁護士連合会「弁護士実勢調査と事件動向調査
・日本弁護士連合会「弁護士実勢調査と事件動向調査
・日本弁護士連合会「基礎的な統計情報(2020年)

平均値にとらわれすぎないことが重要

弁護士の年収は、案件の種類や数、専門領域、営業力、経営手腕などさまざまな要因で大きく変動します。

多くの弁護士は業務委託であり、企業に雇用されている従業員のように年次で給与レンジが決まるわけではなく、成果次第で収入が大きく上下するのが特徴です。(社員弁護士も一定いらっしゃいます)

そのため、「自分の専門性をどう活かすか」「どのようなキャリアを築くか」を意識して、長期的に戦略を練ることが重要です。

キャリアステージ別の弁護士の年収相場

弁護士のキャリアを大きく分けて「新人弁護士」「中堅弁護士」「パートナー・独立開業」、そして番外編として「起業」という分類をしています。

それぞれのステージにおける特徴と、あくまで参考値となる年収レンジを解説します。※弊社アガルートキャリアにご相談いただく事務所や企業などの求人、ヒアリングで伺っている内容をもとにしております。

新人弁護士(アソシエイト弁護士)の年収相場

司法修習を終え、弁護士登録をしたばかりの新人弁護士は、所属事務所や就職先の方針によって待遇が大きく異なります。

大手法律事務所:初年度から年収800万円〜1,200万円程度が提示されるケースもあります。業務量が多くハードワークが求められる傾向があります。

中小法律事務所:給与レンジは幅広いですが、500万円前後でスタートする事務所も存在します。大手ほどの専門分化が進んでおらず、幅広い案件を経験できる環境であることが多いです。

いずれの場合も「新人時代にどのような実務経験を積めるか」が今後のキャリアに大きく影響します。

年収を重視するか、どの分野で経験が積めるかを重視するかなど、優先順位に合わせて就職先を検討するのがよいでしょう。

中堅弁護士の年収相場

実務経験を積んで、5年目~10年目の中堅層に差し掛かると、専門性や営業力が評価されやすくなります。

大手法律事務所1,200万円〜2,000万円程度のレンジで推移する例が多いです。大規模案件や国際案件を任される機会が増え、責任も重いですが、そのぶん収入アップが期待できます。

中小法律事務所800万円〜1,200万円程度が目安ですが、報酬体系が歩合制に近い事務所ではクライアント獲得次第でさらに上を目指すことも可能です。

この時期には「得意分野の確立」が重要となります。自分の専門領域を高めて、他者との差別化を図ることで、継続的に高単価案件を獲得できる可能性が高まります。

弊社にご相談いただく弁護士の方(特に大手法律事務所所属の方)は「〇〇領域のプラクティスが経験出来ること」、「今までと異なるプラクティスを経験したい」など、ご自身の得意分野・専門性を意識していらっしゃることが多いです。

パートナー・独立開業の年収相場

パートナー

大手法律事務所のパートナーになれば、年収2,000万円〜数千万円とかなりの高額報酬が期待されます。事務所の経営戦略に深く関わり、組織を牽引する立場となるため、高い責任とリーダーシップが求められます。

独立開業

独立後に事務所を拡大し、多数の弁護士やスタッフを抱える経営者となれば、青天井で収入を伸ばせる可能性があります。逆に、軌道に乗るまでの資金繰りや集客、マネジメントの難しさもあるため、準備と経営手腕が必要です。

参考:パートナー弁護士の年収|仕事内容・転職方法も解説

番外編:弁護士から起業という選択肢

弁護士の方の独立は事務所の設立が主流です。しかし近年は、弁護士の知見を活かしてリーガルテックその他業界でスタートアップを起業される方もいらっしゃいます。

たとえば、契約管理ツールや法律相談プラットフォームなど、法的課題をITで解決するビジネスは注目度が高く、成功すれば投資家からの出資や上場によって、年収の概念を超えた収益を得ることも期待できます。

弁護士ドットコム株式会社を創業された元榮 太一郎氏(Authense法律事務所の代表弁護士でもあります)が有名です。

起業したあと成功した場合は、年収ではなく、資産を考えるフェーズになるかもしれません。

参考:リーガルテック企業が大手法律事務所との協業で実現する法務人材の未来の姿(MNTSQ株式会社のインタビュー)

専門分野別に見る弁護士の年収の違い

弁護士の取り扱う分野によっても年収は変動します。

企業法務(M&A・知的財産等々)

  • 大手事務所やインハウスでの複雑な案件1,500万円〜2,000万円以上も十分狙えます。国際取引や大型M&A、DX関連のIT契約に強みがある弁護士は需要が高く、高単価案件が期待できます。
  • 専門スキルの相乗効果:英語などの語学力や会計知識、ITリテラシーを併せ持つ弁護士はさらに希少性が高まり、高収入につながりやすいです。

民事領域

相続や離婚、債務整理、交通事故など:単価自体は企業法務ほど高くないケースが多いですが、安定したニーズがあります。ベースの年収が600万円程度であとは成果に応じるといった制度をとられている事務所が多いです(あくまで傾向、事務所によって大きく異なります)。

アトム法律事務所が「刑事・交通・離婚・相続」にこだわる理由

報酬トップ弁護士が解説/高年収を得る秘訣とは

弁護士の年収を左右する主な要因

勤務先の規模・形態

大手法律事務所は、報酬体系が確立されており高年収を得やすい一方、激務である場合も多いです。中小規模の事務所や独立開業では、自身の営業力やマネジメント能力によって大きく収入が変動します。

地域差

東京や大阪などの大都市圏では、高額案件や大企業からの依頼が多く、年収レンジが高い傾向にあります。一方、地方は競合が少ないメリットもあるため、特定分野に強みを持ち独占的に案件を獲得できれば、高収入を狙うことも十分可能です。

スキル・専門領域

英語や中国語などの語学力、金融・IT・医療といった業界の知識、交渉力など、法律以外のスキルを身につけるほど、希少性が高まり収入アップに直結しやすいです。

実務経験・顧客基盤

弁護士としての実績やクライアントとの信頼関係が深まるほど、高額案件やリピート案件が安定的に発生します。特に、独立開業やパートナーへの昇進を狙う場合、過去の実務経験や顧客基盤が大きな武器となります。

弁護士の年収をアップさせるためのポイント

転職・キャリアチェンジ

  • 大手法律事務所への移籍:高難度案件と高報酬が得られる可能性が高いです。
  • ブティック系法律事務所への移籍:専門性を活かせる環境へ転職することで大幅に報酬が上がる可能性があります。企業法務で顕著です。
  • インハウスローヤー(企業内弁護士):企業の法務部門に所属することで、年収1,000万円〜1,500万円以上が見込めるケースもあります。業界大手や外資系企業なら、さらに待遇が良い場合もあります。高額な事務所からの転職では年収減もありえますが、現年収次第ではアップ出来る可能性もあります。

資格取得・専門領域の拡大

公認会計士、弁理士、税理士などの資格を組み合わせたり、ITや金融などの専門知識を深めると、より幅広い案件や希少性・報酬ともに高い案件に対応できるようになり、報酬が上がりやすくなります。

ブランディングとネットワーキング

学会やセミナーでの発信、SNSやブログを通じた情報発信などで、高単価案件の獲得や顧問契約の締結がしやすくなります。知名度や信用度が上がるほど、長期的な収益増にもつながります。

企業内弁護士(インハウスローヤー)求人の特徴

弁護士資格を活かして企業の法務部門で働く「インハウスローヤー」は、ここ数年でますます需要が増えています。

アガルートキャリアに掲載されている求人情報を見ると、IT・通信、金融、メーカー、製薬・ヘルスケア、コンサルティングなど、多彩な業界が弁護士資格者を求めていることがわかります。

企業内弁護士の年収傾向

企業内弁護士は、事務所の弁護士よりも年収が低い傾向にあります。弁護士といえど雇用される従業員ですので、その会社の給与制度にしたがうことになります。

企業の報酬体系は、弁護士事務所(特に企業法務)に比べると低く設計されることが多いためです。

参考:企業内弁護士の年収相場を経験別・業界別に解説

多様な業界で活躍のチャンス

  • IT・通信系:ソフトウェアライセンス契約や個人情報保護法対応、SaaSサービスの利用規約策定などを幅広くカバー。
  • 金融系:銀行法や保険業法、金融商品取引法などの法規制対応やコンプライアンス体制の強化が主な業務。
  • メーカー・製薬・ヘルスケア系:製造業に伴う契約書や薬機法、特許などの管理体制整備が求められます。

事業視点でキャリアを積める

インハウスローヤーは、経営や事業戦略に深く関わりながら、法的リスクを管理する役割を担います。

事業の成長プロセスを間近で体験できるため、ビジネス全体を見渡す視点を身につけやすい環境です。ワークライフバランスや勤務形態が比較的安定している企業も多く、メリハリをつけながらキャリアを築ける点も人気の理由の一つです。

弁護士の年収を上げるために転職エージェントを活用するメリット

弁護士として年収アップやキャリアアップを実現するには、弊社が運営しているアガルートキャリアのような、専門の転職エージェントを活用するのが有効です。

  1. 非公開求人の紹介:大手法律事務所や大手企業などの優良ポジション(条件面)は非公開求人であることも少なくありません。また人気求人は充足も早いので、スピーディに紹介がかのうです。
  2. 専門知識を持つコンサルタント:法曹界や企業法務の実情を熟知したコンサルタントが、要望をお聞きし、様々な選択肢を提案します。
  3. 市場動向の把握:自分だけでは得られない最新の求人動向や年収相場、業界のニーズを把握できます。
  4. 応募書類や面接のサポート:弁護士特有のアピールポイントや面接での留意点を、プロの目線でアドバイスしてもらえます。企業は弁護士採用に慣れていないので、特有の準備が必要です

参考:インハウスローヤーへの転職でエージェントを活用するメリット

繰り返しになりますが、条件の良い求人募集は、タイミングが限られていることも多く、常に情報を仕入れておくことが、弁護士の転職活動のポイントです。

とはいっても、お忙しい弁護士の方々が常に転職サイトを見たり、エージェントとお会いしたりというのは手間ですので、弊社のようなエージェントが発信する情報をご活用頂ければと思います。面談依頼頂いた方限定で、弊社保有求人を紹介するメールを定期的にお送りしております

お気軽に以下のフォームよりご相談ください。

Youtubeでも、弁護士の年収について解説しています

YouTubeチャンネルでも、弁護士の年収について解説をしています。

動画では、

  • 法律事務所の年収(企業法務系・一般民事系)
  • インハウスローヤーの年収(業界ごとの相場・年収面以外の魅力)

などについて解説しています。

テキスト情報だけではわからない、動画だからこそ伝えられる内容もございますので、是非あわせてご覧ください。

→ Youtubeチャンネルはこちら

PEファンド、有名企業、事務所などの
非公開求人が受け取れるメルマガ配信中

アガルートキャリアは弁護士専門の転職エージェントです。弊社独自の求人をご経歴に応じて個別に紹介しております。求人の情報収集をお考えの方はお気軽にメールマガジンにご登録ください。

無料メルマガ登録はこちら

この記事の監修者

リーガル専門コンサルタントとして、弁護士・法務人材を中心に転職支援を行う。中国発大手テクノロジー企業の日本法人にて創業メンバーとして事業開発・推進に従事。スタートアップ〜大手事業会社での事業開発、マネジメント経験を有していることから、様々な角度からの俯瞰したアドバイスを強みとする。

弁護士専門の転職エージェントが、
自身では探せない非公開求人をご提案
多数の法曹を輩出する
アガルートグループが運営する
弁護士専門の
転職エージェント
大手事務所、外資、インハウスなど
多数の非公開求人を保有
4大法律事務所
アソシエイト
年収
1,2002,000
外資系法律事務所
アソシエイト
年収
1,4003,000
+ボーナス
中堅法律事務所
アソシエイト
年収
8001,000
財閥系総合商社
インハウスローヤー
年収
1,2001,500
信託銀行
インハウスローヤー
年収
9001,400
PEファンド
アドミ担当(リーガル)
年収
1,3002,000
+特別賞与

転職エージェントに相談

登録には プライバシーポリシーへの同意が必要です。

弁護士・リーガル領域の非公開求人 多数転職エージェントに相談する(無料)
転職エージェントに相談する