インハウスの実態
「NoではなくHowを考えるプロフェッショナル」──Uber Japan法務が挑む、前例のない領域
Uber Japan株式会社
日本法務統括(シニア・カウンセル)/弁護士
長谷川 敬洋
インハウスロイヤーの仕事は、一般に「守りの法務」と語られがちです。しかし、ルールそのものがまだ固まっていない領域では、事業と並走しながらルールの形成にまで関わる法務が求められます。規制が地域ごとに異なり、法令が事業の可否を直接左右するモビリティ・デリバリーの分野は、その典型と言えるでしょう。
今回お話を伺ったのは、Uber Japan株式会社で日本法務統括(シニア・カウンセル)を務める長谷川敬洋弁護士。ALB Japan Law AwardsのIn-House Lawyer of the Yearを2年連続で受賞されています。
四大法律事務所のパートナートラックから一歩を踏み出した理由、2024年4月の日本版ライドシェアのローンチという「地図のない領域」での実務、少数精鋭の法務チームに求めるマインドセット、そしてキャリア初期の弁護士へのメッセージを伺いました。
※本記事は取材当時の役職・組織体制に基づいています。
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「自由闊達な気風」に惹かれた、キャリアのスタート
はじめに、簡単な自己紹介をお願いできますでしょうか。
長谷川 Uber Japan株式会社で日本法務統括を務めております、シニア・カウンセルの長谷川敬洋と申します。
日本の大学及び法科大学院を卒業した後、64期司法修習を経て、国内の法律事務所であるアンダーソン・毛利・友常法律事務所に入り、そこで7年間を過ごしました。
その間にイギリスへ留学する機会もあり、留学の際には合わせて、英国 イングランド及びウェールズのソリシター(事務弁護士)の資格も取得いたしました。戻ってきてからはアンダーソン・毛利・友常で引き続き勤務した後、2019年4月からUber Japan株式会社に転職し、今に至っております。

Uber Japan株式会社 日本法務統括(シニア・カウンセル) 長谷川 敬洋 様
キャリアは四大法律事務所の一つであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所からスタートされています。数ある事務所の中から同事務所を選ばれた理由を教えてください。
長谷川 アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、いわゆる四大法律事務所と言われている中の一つですが、非常に自由闊達な気風で有名でした。
私も法科大学院の3年生の時だったかと思いますが、インターンをさせていただきました。そこで出会った先輩方が、すごく賢いなと思いつつ、人格的にも優しくて、とても魅力的に感じたというところがあります。
自由闊達というところで、やりたい分野をやらせてもらえるという裁量の広さ。それに加えて、四大法律事務所の中でも英語教育や英語を実際に使う機会が多く、外資系のクライアントも多いと聞いておりました。私自身、もともとドメスティックな人間なのですが、英語に対する興味もすごくあったので、そういう点も決め手の一つにはなりました。
英語に強いという点も魅力だったのですね。
長谷川 そうですね。英語に強い、そしてやりたい分野ができる。
事務所に入る前は、「企業法務をやりたいな」というのはあったのですが、企業法務の中でどうかというと、ざっくりM&Aくらいは頭にあった程度で。
その点、アンダーソン・毛利・友常(AMT)は選ばせてくれる。島制やチーム制というものがなくて、よく言えば自由闊達、見方によってはパートナーと点でバラバラに結びついているような感じもあるのですが、そのあたりに惹かれました。
入所後の7年間では、主にどのようなプラクティスを担当されていたのでしょうか。
長谷川 私の場合、留学の前後で少し違うんですけれども、留学前はざっくり言うと、M&A40%、キャピタルマーケット40%、あとはジェネラルコーポレート10%、訴訟・紛争案件10%という感じでしたね。
留学後は、M&Aは引き続き40%なのですが、仮想通貨(暗号資産)が40%として入ってきまして、残りの15%がジェネラルコーポレート、5%が訴訟・紛争案件という配分に変わりました。
留学後に暗号資産が4割ほど入ってきたというのは、ご自身の意図が反映された結果なのでしょうか。
長谷川 そうですね。2016年から17年にイギリスへ留学したのですが、当時はブロックチェーン、ビットコイン、イーサリアムといったものの発展がものすごくて。
留学先の友達もロースクールの人だったり、ビジネススクールの人もいたりするのですが、みんなで「ビットコインやブロックチェーンを研究しようぜ」というのを立ち上げて、いろんな研究もしていました。すごく新しいですし、僕自身も新しいもの好きなので、「これから来るのかな」と思っていて。
アンダーソン・毛利・友常に戻ってきたところ、所内にビットコインやブロックチェーンの第一人者と言われている先生がいらっしゃって、ちょうど案件がどんどん入ってくる時期で人が足りない、特に留学帰りのシニアアソシエイトが全然足りない、ということで、そこにもう入った、みたいな感じですね。
「Uberという会社のポテンシャルに魅了された」転職の決断
2019年にUber Japanへ参画されています。もともと、いつかはインハウスへ、というご志向はあったのでしょうか。
長谷川 正直、全然考えていなくて。いわゆるパートナートラックを目指しているのだろうなと、自分の中でも思っていたのですが…
Uber Japanへの参画を決めた時に「ここが魅力だな」と思ったポイントはどのあたりでしたか。
長谷川 決め手はいくつかありますが、大きく言うと3つです。
1つ目は、イギリス留学時代にロンドンでUberアプリを使う機会があり、本当に便利だったこと。他方で、いわゆる黒塗りのロンドンタクシーというトラディショナルなものにも乗ったのですが、やはり外国人にはすごく使いにくいんですね。そもそも目的地を説明して、初めて見るようなよく分からないイギリスの地名を言って、そこに連れて行ってもらうのは結構ハードルが高い。
それに対してUberの場合は、ピンポイントで指せば行けますし、来てくれますし、ドライバーの愛想というか体験がすごく良かった気がするんですよね。そういうところもあって、まずプロダクトがとても魅力的だったというのが1つです。
2つ目は、いわゆるテック系なのですが、バーチャルで完結するのではなく、実社会との関わりがあるということ。Uberは基本的に人か物を動かすビジネスなので、そこがリーガルとしては魅力的だなと。
というのも、実社会に関わる以上はローカルの規制がかなり影響してくると考えていたんですね。バーチャルだけだとネット上で全て終わってしまうところがあるかもしれませんが、そうではないので、ローカルのリーガルの裁量や意見の価値に重きを置いてくれる職場なんじゃないかと、構造的にも考えたりしていました。
最後は人ですね。私の留学先はオックスフォード大学のMSc in Law and Financeというところで、半分がLLM、半分がMBAのファイナンスをやるところでした。私の場合は特にファイナンスに特化して、3分の2くらいファイナンスをやっていたのですが、すごく楽しくて。
そのファイナンスの授業はMBAの人たちと一緒にやるのですが、ビジネスの人たちって面白いんですよね。法学大学院はどこに行っても割と均一で、真面目でしっかり予習してくる。でもMBAの人たちは飲み会も笑いの絶えない感じですごく楽しくて、「勉強するだけが勉強じゃないだろう」「普通に飲んだりしてコネクションを広げるのも勉強だろう」という考え方もすごく強かった。多分、僕がもともとそういうタイプじゃないというのもあると思うんですけど、すごく楽しくて、「こういう人たちと話したいな」と思っていたんですね。
そう思っていたところ、Uberの面接で出会った人たちが、海外の法務の人たちもいれば、日本のビジネスの人たちもいて、日本のビジネスにももちろん外国人の方がいて。それがすごく、あのMBA時代の友人を思い起こさせたんですよね。数字の話をしていたり、「お前はこの問題についてどう思う?」と聞いてくれたりして。
そうやって色々議論して物事を進めていくのは、法律事務所にいてロイヤーだけで話して進めていくより楽しいんじゃないかな、というところもありました。
法律事務所のクライアントワークで接する方々とは、また全然違った方々と一緒に仕事ができそうだ、という感覚だったのですね。
長谷川 そうですね。法律事務所の時も、多少は窓口の方とお話しすることはあるのですが、やはり深い話はしにくいですし、向こうからしたらビラブルアワーじゃないですか。だから、そんなに雑談に時間も割けないですし、僕の方もやはり必要なことだけ話す感じになりがちでした。
当時のパートナーのクライアントの方々は金融機関などで、やはり真面目というところがあるのですが、テックの方は何と言うんですかね、若くて、よりアドベンチャーが好きみたいなところがあって。すごく一緒にいて楽しかったですよね。
実際に意思決定をされる時はどんな感覚だったのでしょうか。スパッと決められたのか、それとも相当悩まれて一歩踏み出したのか。
長谷川 ギリギリまで悩みましたね。本当に悩んで…
「NoではなくHowを考える」法務チームの共通点
ここからはUber Japanの法務について伺います。まず、法務組織の概要──人数感や役割範囲をご説明いただけますでしょうか。
長谷川 Uberの現在の日本の法務チームは少数精鋭で、正社員の弁護士、法律事務所から来ていただいている弁護士、そしてパラリーガルのハイブリッドなチーム編成となっており、私がマネジメントを行っております。(2026年7月時点)
法務の皆さんの共通点──マインドセットやスタンスの面で「こういう人がUberのリーガルチームにいる」というものを教えてください。
長谷川 私がチームに設定しているのは「NoではなくHowを考えるプロフェッショナル」という点ですね。
グローバルテック企業なのですが、まだ比較的新しくてベンチャーの気風も残っているので、「こういうことをやりたい」「あんなことをやりたい」というのが、結構アイデア豊かに出てくるんですよね。
それに対して最初から「いやいや、ノー、ノー」と言うんじゃなくて、それを真摯に受け止めて、どうやったらできるのかを考える。もしすごくリスクがあるのであれば、どういう条件をつければ──英語で「ガードレール」と言うんですけれども──どういうガードレールをつけると問題なくできるのかというところを、一緒に考えていくような方ですね。
それが一番大事なところで、あとは最低限の素養として、英語と柔軟性。社内の人間の半分近くが日本語を話せないか拙いというところもございますし、海外とやり取りすることもたくさんあります。
また、先ほど申し上げたベンチャーの気風というところで、発想の柔軟性がないとついていけない。一見するとダメに見えるけれども、よく考えてみると道が見えてくるかもしれない、外部の法律事務所とも話し合って何とかなる道を考えてみよう、というマインドセットの方が必要だなと考えております。

「NoではなくHowを考えるプロフェッショナル」。長谷川様がチームに掲げる基準だ
外資系の中でも、英語を使う比率はかなり高いのでしょうか。
長谷川 そうですね。日本に何十年もあってプラクティスが確立されている会社とは違って、良くも悪くも新しいので、海外から日本に配置換えという人も結構多いんですよね。
その方々は大体、日本語は話せずに英語だけなんですけれども、そういう方々とリーガルの議論を分かりやすく説明して、「このオピニオンに対して、どういう点が実務上のコンサーンなんだ」というところを聞いて、一緒に考えていける。そういう人材が欲しいですね。
実際に議論をする場は、対面も多いのでしょうか。
長谷川 リアルで対面の場合もありますし、Zoomで普通に話す場合もあります。本当にコンテンツ次第ですね。
とりあえず一旦英語で意見を出してしまって、それを読んでもらった上でGoogleドキュメント上にコメントバックする場合もあれば、「ふわっとしすぎているから、とりあえず一回話そうか」と、一度議論して方向性を固めてからやろうか、という場合もあります。固まっていないと、文章上でのコメントも意味がないものになってしまうので、何を話すかによりますね。
働き方としては、ハイブリッドのような形になるのでしょうか。
長谷川 いわゆるスーパーフレックスというものだと認識しています。
アンカーデーと言われるものが各チームごとにございまして、リーガルの場合は週に2回、水曜と木曜にオフィスに来て、その日以外の日はリモートワークが許されているという状態ですね。他のチームも基本的に週2回のアンカーデーだと認識しておりまして、全員が同じ日だとオフィスがすごく混んでしまうので、分けているという形です。
「日本の新しいインフラや社会の景色を形作る瞬間」に立ち会える
Uber Japan法務のやりがいを簡潔に言うとしたら、どんなところでしょうか。
長谷川 やりがいというのは、…
2024年4月、日本版ライドシェアのローンチという「地図のない領域」
以前拝見したのですが、「地図のない領域で地図を描いていかなければならない」といった表現をされていた記憶があります。これまでの中で「これは大変だった」というエピソードを教えていただけますか。
長谷川 特に大変だったのは、2024年4月の日本版ライドシェアのローンチですかね。
前年の菅元総理の発言から始まって、日本版ライドシェアというものが形をなしてきて、4月のローンチの直前でもその規制の詳細が定まらない中、規制はどうなるのか、安全管理はどうなるのか、タクシー会社様との契約内容、利用者の方々との利用規約の改定──そういうところを全部一生懸命進めていって、本当に間に合うのか、というところでした。
最新の情報も得つつ、ポリシーチームやモビリティチームと連携して作業することで、なんとかローンチに間に合わせることができました。本当に大変でしたけれども、今から振り返れば、チームとしても個人としても実り多い経験だったなと思います。
本当に直前まで、細かいところが分からなかったのですね。
長谷川 特に直前まで議論があったのは、ドライバーの方の位置づけです。
タクシー会社が関わるのが日本版ライドシェアで、そこはもちろんそうなのですが、では、二種免許を持っていない普通の運転免許のドライバーさんを正式に雇用しないといけないのか、それとも個人事業主として業務委託というか、エンゲージすることはできるのか。ここが結構、最後の最後で論点だったんですね。
タクシー会社様としても、正式雇用というよりは個人事業主の方がありがたいというところで、業界としてはそう動きたいというところはあったのですが、行政の考え方としては「それは難しい、あくまで正式に雇用されていなければならない」というところがあって。
こちら側としては契約書を2パターン作っておいて、どちらが来ても対応できるようにするということを、直前までやっていました。
最終決定が出てから動いていては間に合わないので、考えられるバージョンを想定して準備しておく、ということですね。
長谷川 早く決めてほしいですし、決めてほしい中でも、できれば「どちらでもいい」という風にしてほしかったんですよね。正規雇用でもいいし、個人事業主としてもいい、と。
最後の最後まで色々議論はあったのですが、最終的には雇用一本という形になって、そちらで進めることになりました。
私たちはニュースで日本版ライドシェアというのを見る立場ですが、その裏側でそんなに色々なことが動いているというのは、中にいて実際に体験しないと、大変さもやりがいも感じられないですよね。
長谷川 本当に貴重な経験でしたね。おっしゃる通りです。

「契約書を2パターン作っておいて、どちらが来ても対応できるように」。規制の詳細が固まらないなかで、ローンチ直前まで準備は続いた
In-House Lawyer of the Year 2年連続受賞の背景
ALB Japan Law AwardsのIn-House Lawyer of the Yearを2025年・2026年と2年連続で受賞されています。受賞時の率直な感想を伺ってもよろしいですか。
長谷川 ありがとうございます。素晴らしい候補者の方がいらっしゃる中で受賞できたということは、本当に極めて光栄と言うしかなくて。法務チームとして成し遂げた成果に対する受賞なのかなとは思っております。
ご自身では、どのあたりが評価されたとお考えですか。
長谷川 先ほども申し上げた通り、受賞の対象は一応私個人なのですが、やはりチーム全体に対する評価なのかなと思っております。
色々な最先端の法領域、例えば日本版ライドシェアだとか、デリバリーの分野だとフリーランス新法もできましたし、最近だと自動運転だとか。デリバリーもモビリティも、すごく流動的で動いている新しい規制のものが多いんですね。
そういうところに早い段階からコミットして、ポリシーチームと共にルール形成にも関わっていく。そういうダイナミズムというところが、いわゆる従来的な守りの法務、リスクをマネジメントするだけの法務とは違うというところを示せて、評価していただけたのかなと。
ビジネス側とパートナーとして戦略的に働いていく、社内ではEnablerと言ったりするのですが、そういう面も評価していただけたのかなと思います。
グローバルとの連携と、生成AIをめぐる相互の学び
グローバルの法務チームとのコミュニケーションはどのように取っていらっしゃるのか、また各国のリーガルチームから学ぶことも多いのか、この2点を伺いたいです。
長谷川 連携はかなり頻繁にあります。
地域のアソシエイト・ジェネラルカウンセルに、私も他の国のリーガルヘッドもレポーティングしていますので、隔週に1回程の頻度でリーダーシップ・ミーティングのようなものがあって、そこで色々なものを議論します。
それだけではなくて、例えば競争法など一定の法律の観点から、もしくは自動運転といったテーマで、頻度はそれぞれですが、2週間に1回だったり1ヶ月だったり3ヶ月に1回だったりという頻度で、グローバルのチームと会議して情報共有する機会もあります。その際に「今、他の国ではこういうことが起きているんだ」というところから、帰納法と言うんですかね、その学びは何かというところを見つけたりもします。
学びとして、最近話題になることが多い生成AIについても、グローバルから色々学びがありまして。例えば…
海外チームとの議論で「コンテクストの共有」が極めて大事な理由
グローバルで事業を展開していく際、各国のローカルな法律にまたがる問題でディスカッションになることもあるかと思います。そうした場面で留意されているポイントはありますか。
長谷川 やはりコンテクストを共有するというところが極めて大事だと考えております。
というのも、「日本の規制がこうなっているよ」と言うと、「え、それどういうこと?」と、意味が分からないとなる。例えば日本の法律の条文があって、それをそのまま英語に訳したりすると、何を意味しているのかよく分からない、本当に直訳みたいな状態になってしまうんですね。
けれども、「要はそれってこういうことなんだよ」というところをかいつまんで、その上で「なんでそうなっているの?」というところまで遡って説明すると、大体海外の方々は分かってくれるんですよね。
字面だけを訳して説明するのでは全然分からないですし、そのアドバイスに価値は全然ない。規制の前提のところから説明すると、逆にすごく分かってくれて、分かると向こうからも回答が返ってくるんですよね。ですので、コンテクストをどこまで説明できるかが極めて大事だなと考えております。
国内では疑問に思わないようなことも、海外のチームからすると「どういうこと?」となるわけですね。
長谷川 そうなんですよね。この時代でもやっぱりそうなんです。「AIで調べてみたんだけど」と来るのですが、「これは分かっていないな」と思って説明しないといけない。ローカルのリーガルチームの価値が出せる場所だなと思いますね。

「ローカルのリーガルチームの価値が出せる場所」。海外チームとの議論で長谷川様が最も重視するのは、コンテクストの共有
長谷川 あとは、制度とは少し違うかもしれないのですが、自分の理解だと、いわゆるコモン・ロー(英米法)系は判例が公表されている場合が多いと思うので、生成AIがすごく強いのかなと。無料で公開されているからすぐにデータを取ってこられて、そこからルールを導き出すのも、生成AIからしたら余裕なんじゃないかなと思うんです。
日本はシビル・ロー(大陸法)系で、最高裁の判例データベースも何もかも載っているというわけではないじゃないですか。あとは色々なデータベースを各社が運営されていますが、そこは当然お金を払わないとアクセスできないので、生成AIもアクセスできるわけではない。
というところで、生成AIのリーガルリサーチのクオリティが平均より低めに出やすいのが、日本の法務市場の特徴かなという風に考えています。
キャリアに最も影響を与えた出会いは「留学」だった
ここまでのキャリアを振り返って、ご自身のキャリアに一番影響を与えている出会いは何だったとお考えですか。
長谷川 正直、星の数ほどあるのですが、でも一つだけ挙げるとすれば、…
キャリア初期の弁護士へ──「2つあります」
20代・30代前半のキャリア初期の弁護士に助言をするとしたら、どのようなことがありますでしょうか。
長谷川 2つあります。
1つ目はまず、目の前のこと、依頼されたことに一生懸命、誠実に真摯に取り組んで、できる限り最良の結果をお返しするということ。一つひとつしっかりこなしていく姿勢、努力がないと何者にもなれないと思いますので、まずはこれが一番大事だと思っています。
もう1つは、ご自身が担当されている分野の立ち位置や将来性を考えることも大事かなと考えております。企業法務であれば、何かのビジネスに関わるものだと思うんですけれども。
というのも、法務というのはあくまで…

※所属・役職等は取材当時のものです。
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