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森・濱田松本法律事務所でパートナー弁護士を目指した理由

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森・濱田松本法律事務所でパートナー弁護士を目指した理由

森・濱田松本法律事務所
パートナー弁護士
田中 洋比古

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弁護士としてのファーストキャリアをどのように選ぶかは、その後のキャリア形成に大きく影響する重要な決断です。特に四大法律事務所を目指す若手弁護士にとっては、どの事務所でどのような経験を積むかが将来を左右する重要な選択になるでしょう。

今回お話を伺ったのは、東京大学卒業後に森・濱田松本法律事務所へ入所され、現在はパートナー弁護士としてご活躍されている田中洋比古弁護士です。

四大法律事務所の中で森・濱田松本法律事務所を選んだ理由や若手時代のご経験、パートナー昇格までの道のりなどについて詳しくお答えいただきました。

ファーストキャリアで森・濱田松本法律事務所を選んだ理由

森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士 田中 洋比古 様

まずは簡単なキャリアを含めて自己紹介をお願いします。

皆さんはじめまして、森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士の田中洋比古と申します。

東京大学の法学部とロースクールを卒業後、新65期の修習を経て、2013年に森・濱田松本法律事務所に入所しました。

5年半ほど日本で働いたのち、バージニア大学のロースクールに1年間留学しました。帰国後は森・濱田松本法律事務所のシンガポールオフィスで半年ほど働いてから、東京オフィスに復帰しました。

しばらく東京オフィスで働いた後、2024年にカウンセルに就任、また2025年1月からパートナー弁護士になりました。

ファイナンス取引や不動産、あるいは再生可能エネルギーなどのエネルギー分野、またそれらのクロスボーダーのプロジェクトを中心に携わっています。

弁護士になろうと思ったきっかけについて教えてください。

最初から弁護士になりたいと思ったわけではなく裁判官なども考えていました。

しかしロースクール時代、四大法律事務所それぞれのサマークラークに1週間ずつ参加したところ、業務はエキサイティングで、働いている人たちが生き生きとしている様子が伝わってきたんです。

それを機に、企業法務を中心に扱う大手事務所に入りたいと思うようになりました。

四大事務所の中でも森・濱田松本法律事務所に入所したのはなぜですか?

学生だったので情報も少ない中の選択ではありましたが、サマークラークを通じて厳しい上下関係がなさそうな印象を受けたことが大きかったです。

例えば、サマークラークではその事務所の先生方と食事に行く機会があるのですが、そこでのアソシエイトの先生とパートナーの先生の会話の様子がすごくフラットだったんですよね。

キャリア初期の経験と専門分野の形成

森・濱田松本法律事務所のオフィスには多くの表彰状やトロフィーが飾られている。同事務所が日本の法曹界に与えてきた影響の大きさを物語る。

入所して最初のうちはどのような分野を主に担当されていたのでしょうか?

当事務所は入所時点では専門分野が決まっておらず、1年間かけて2分野の業務を順番に経験します。その経験を踏まえて2年目以降の専門分野が決まります。これが「ローテーション制度」です。

私は前半でM&A、後半はファイナンスを経験し、最終的にファイナンスを専門とすることになりました。2年目からは、特に不動産に関するファイナンスや不動産取引を中心とした案件に携わっています。

ローテーション制度はさまざまな経験をしてから専門分野を決められるため、非常に良い制度だと思います。

最終的には事務所が専門分野を決めるのでしょうか?

はい。各人が入所時に希望を出し、その希望を十分考慮の上、最終的には事務所が決めます。

若手の弁護士に人気の分野などはあるのでしょうか?

年によってばらつきがあります。例えば私の同期の代はファイナンスは人気がなく、選んだ人数も少なかったです。

最近はファイナンスフロアにもエネルギー関連など単純な金融だけではない案件が増え人気が出てきたように思います。

田中先生が最終的に不動産と再生可能エネルギーを専門になさったのはなぜですか?

専門領域同士のシナジーを考えると、不動産とエネルギーは関連性が高い部分が結構あります。例えばエネルギープロジェクトも土地がなければできませんから、不動産の知識が活きる面があります。

逆もまた然りで、例えばデータセンターを作るようなプロジェクトだと電気をたくさん使うアセットですから電力関連の知識が活きてきます。

社会のニーズや今後の需要拡大も見越されていたのでしょうか?

そうですね。エネルギー分野はかなり需要が伸びてきていますし、制度もコロコロ変わりますから弁護士の需要もあるだろうという考えは当時からありました。

これまでにどのような案件がありましたか?

直近ですと、不動産会社のお客様がオーストラリアの物流施設に投資したいということで、オーストラリアの法律事務所と協働して仕組みを作り、取引のサポートをする案件がありました。

エネルギー関連では、大手石油会社が再生可能エネルギー事業に進出するのに合わせて再生可能エネルギーデベロッパーを買収する案件がありました。

この案件では、再生可能エネルギーデベロッパーが持っている多数のプロジェクトが法的に問題ないかを確認する作業(デューデリジェンス)が生じたり、実際に売買を行う際の株式譲渡契約のレビューを行ったりしました。

これらの案件はそれぞれ期間的にどのくらい携わることが多いのでしょうか?

案件によってまちまちです。2~3ヶ月で終わる案件もあれば、1年以上かかる案件もありますね。特にエネルギーの案件は結構スパンが長く、開発段階から工事が終わるまで2~3年かかるような案件もあります。

例えば洋上風力発電の案件ですと、入札を行って開発段階、最終投資決定、工事が始まって完工まで3~4年かかる案件もありました。

そういう大型の案件になると、関与される弁護士の人数も多そうですね。

そうですね、特にデューデリジェンスが必要な大型案件ですと、数十人の弁護士が関わることもあります。

さまざまな専門分野のパートナーがいますので、例えば「M&Aのパートナーとエネルギーのパートナーが協働する」といった形で、案件によってどの分野の弁護士が関わるかは変わります。

若手時代に多くの弁護士が経験する「あるトラブル」

案件量のマネジメントを学ぶのも若手時代の重要な経験。忙しすぎてもパンクするが、余裕がありすぎても実務経験を積みにくい。

若手時代、特に留学前で大変だった経験についてお聞かせいただけますか?

個人的に、M&Aフロアにいた時に携わったデューデリジェンス業務が大変だったなという記憶があります。

M&Aのデューデリジェンスは買収する会社に問題がないかを確認するために大量の資料をチェックするんです。

デューデリジェンスで実施する業務は物量が単純に多いですし、大きな会社であればたくさんある子会社の分の資料も確認しなければならないため、大量の書類を朝から晩まで見続ける作業でした。

見逃してはいけないというプレッシャーが大きいですよね。

おっしゃる通りです。

クリティカルな見逃しが生じうる作業なので、ひとつの作業について複数の弁護士がチェックする体制が取られています。私もチームで仕事をして、なるべく見逃しを減らすように気をつけていました。

ただどの業務が好きかは人それぞれで、「デューデリの仕事が楽しい」と言ってM&Aの道に進まれる方もたくさんいらっしゃいますよ。

若手の頃に「やっちゃったな」と思った失敗談はありますか?

仕事面では多かれ少なかれミスはあったとは思うのですが、先ほど申し上げた通りチームで仕事をしているので、例えば若手アソシエイトだけでレビューをしてそれがクライアントに出るということはまずありません。

必ずパートナーやシニアアソシエイトがチェックしているので、クライアントに提出する成果物に何かミスが生じたという記憶はあまりないです。

しかし事務所内の立ち居振る舞いとして、案件を受けすぎてパンクしてしまい、上の先生にご確認いただくものの提出が遅れてご迷惑をかけてしまったことは何度かあります。

「これはいける」と思って頑張って受けすぎるとパンクしてしまうと。タスク量やスケジュールのコントロールは、やはり自分でしないといけないわけですね。

若手のうちはどれぐらい時間がかかるか読み切れないところがあり、適切に業務を受けるのはなかなか難しいところがあります。

パンクしてしまい大変な目に遭うという経験は、おそらく多くの弁護士がしているんじゃないでしょうか。

無理をしても結局のところ誰の得にもなりませんからね。適切な業務量を自分でコントロールして案件を受けることが大事だなと学びました。

しかし業務が増えすぎることを恐れて控えても、若手のうちは成長スピードが遅くなってしまいますよね。かといって受けすぎても、田中先生が仰ったように周囲に不利益をもたらしてしまうと。

当事務所には「受任禁止制度」といって、一定期間の労働時間が水準を超えると新規案件を受けてはいけないというルールがあります。

その前段階に「注意喚起」という段階も設けていますので、ある程度バランスをコントロールできているのかなと思います。

ただ受任禁止制度は「1ヶ月の労働時間が何時間か」で対象となるか否かが決まりますから、案件を受けすぎて大変な状況であることが分かるまでにタイムラグがあるんですよね。

そのため「今は受任禁止に当たらないが、案件がどんどん増えている」という状況をどう解決するかは各人の社会人としてのスキルに委ねられています。

案件によっては「なかなか経験できない内容だから、少し無理をしてでも受けよう」と判断する可能性もありますからね。

若いうちに経験できて良かったと思うことや、やりがいに繋がった経験はありますか?

やはり大変な案件に貢献できたと自分が思えた時ですね。

若手ですとできることは限られるところはあるのですが、その中で自分なりに逃げずに取り組んで、一定の貢献ができたなと感じられた案件がいくつかあります。

若手時代の田中先生ご自身の武器、強みはどんなところにあったと思いますか?

「じっくり考える」ことは結構できていたかなと思っています。

とにかく徹底的に突き詰める、必要があれば時間をかけて朝まででも考え抜くという姿勢で取り組んだことが、特にアソシエイト時代にはありました。

フィードバックを受ける時に「突き詰めて考える力がある」といった評価をもらうこともあり、そういった取り組み方や姿勢が自分の良さだったのかなと思っています。

「突き詰めて考える」とは具体的にどういうことでしょうか?

論理の筋道を誤魔化さないで考えるということです。

「こうだからこう」という考えを丁寧に繋いでいくことですね。場合分けが必要なら漏れがないように考えるといったことでもあります。法律面ではリサーチをきちんとすることですね。

たくさん考えてきたことの一部が新規性の高い案件をやるときのヒントになることもありますので、今も役に立っているなと思います。

留学と海外オフィスでの経験がもたらした変化

田中先生は弁護士になって何年目くらいで留学されましたか?

5年半働いて留学に行きました。

森・濱田松本の先生方だと、だいたい皆さん留学される方が多いのでしょうか。

そうですね、4年半から6年半ぐらいで留学に行く弁護士が多いと思います。最近は少し遅くなる傾向があり、7年ぐらいの弁護士も増えてきた印象ではありますね。

留学先はご自身で選べるのですか?

希望はもちろん出せます。しかし現実的にはTOEFLの点数が大きな壁です。ハーバード大学ですとかスタンフォード大学ですとか、そういういわゆるトップ校は基準が非常に高いんです。

私はなかなかそこまで及ばずバージニア大学に行きました。

英語の勉強は弁護士になられた後もされていたのですか?

私は留学に行ってから勉強し始めたところが若干ありました。もっと勉強してから留学に行った方が良かったなと、ちょっと後悔しているところです。

実際に留学してみて良かったなと思う部分や、得られたことはどんなことでしたか?

英語は多少上達しましたが、私自身としては留学期間中は辛いことも少なくありませんでした。

英語ができないことで挫折も経験しましたし、むしろ帰国後にシンガポールオフィスで執務をしていた期間で学んだことの方が大きいかもしれません。

留学後の勤務地は希望を出せるのでしょうか。

そうですね、基本的には希望制です。多くの場合は1年間海外オフィスで研修を行い、日本に戻ります。最近では海外オフィスからすぐ日本に戻り、企業や官庁に出向するというケースも増えています。

シンガポールオフィスでのどういったご経験が今プラスになっていると感じますか?

シンガポールオフィスでは、東南アジア各国の不動産プロジェクトを扱っていたのですが、現地の法律事務所と一緒に案件に取り組んでいました。

それを通じて海外の法律事務所と一緒に働く方法を学びました。あとは一緒に働いた弁護士が商社への出向経験があって、「プロジェクトマネジメント」ということをよく言っていたんです。

弁護士というのはクライアントからの依頼を単発で返すだけではダメで、プロジェクト全体を見て進行をマネジメントすることが重要であり、その一環として海外のファームをうまくコントロールして使っていくこともある、といったことを教わりました。

東京オフィスに戻ってきてから、仕事の向き合い方で変わった部分はありますか?

海外のファームを使う立場になってレスポンスの速さって大事だなと感じました。連絡にはひとまず返信を出すなど、自分も気をつけようと思うところはありましたね。

また顧客の皆様との信頼関係を築くのは基本的なことの積み重ねでしかないなというのをすごく感じました。

特に海外の案件ですと言語も法律も違うということで、我々も不安ですがお客様はもっと不安です。そんな中、返信ひとつで安心していただけるんだなといったことは、海外の法律事務所と仕事をしていて学びました。

パートナー弁護士を目指したきっかけ

一般的にどのくらいの年次でパートナーに就任する方が多いのでしょうか?

だいたい10年ぐらいはかかります。留学してからすぐにパートナーになれるわけではなく、留学して現場復帰後数年でなるというパターンが多いかなと思いますね。

田中先生は以前からパートナーを目指そうと考えていたのですか。

正直なところ、あまりパートナーになるビジョンを描いてはいませんでした。

2020年に帰国した頃コロナ禍で在宅勤務になったり、2022年に子どもが生まれて時短勤務にしたりもしていました。その中で家族と過ごす時間が増え、「こういう生活もいいな」とワークライフバランスの「ライフ」側に寄っていこうかなと思っていた時期もありました。

しかし子どもが少し大きくなり、自分の経験からしても「中学生になったらもう父親とは遊んでくれないだろう」と(笑)。

それで自分の人生何にかけたいかと改めて考えたところ、これまで頑張ってきたことでもありますし、やっぱり仕事が一番必死になれることだなと思ったんです。

それで「よし、パートナーを目指そう」と決心しました。

最近はインハウスローヤーへの転職を検討される方も増えていますが、そちらの選択肢はなかったのでしょうか?

私は考えなかったですね。法律事務所の弁護士としての働き方がすごく自由で気に入っているので。

パートナーに就任して変わったことはありますか?

アソシエイト時代に比べて自分から案件を取ってくる必要がありますし、自分が前に出て案件を回すように意識を変えていこうと思っています。

これまでは事務所の中で案件をこなすことが活動の中心でしたが、例えばセミナー開催や執筆などを通じて外へ向けた発信をする方に軸足を動かそうと努力しているところです。

田中先生の弁護士人生のターニングポイントはいつでしたか。

いくつかありますが、大きなものはシニアアソシエイト時代、カウンセルになる直前にありました。

洋上風力発電のような大型で難しい案件にいくつか関与していた中で、上の先生の下働きにとどまらない、自分なりのアドバイスの価値が出せたと思えた瞬間がいくつかありました。

そこで自分も弁護士として一定のバリューが出せるんじゃないかという自信が得られました。その経験がターニングポイントとなり、カウンセルやパートナーになろうと決心できたんです。

その自信にはアソシエイト時代や留学、シンガポールオフィスでの経験があったからこそ得られたものでしょうか?

まさにそうですね。

弁護士は経験が非常に重要な職業です。案件をどう進めていくか、さまざまな局面でどういった対応をしていくかは経験でしか得られない知見になります。

そういった積み重ねがようやく少しずつ実を結んできたのだと思います。

シニアアソシエイトになると、クライアントに直接提案する機会も増えるのでしょうか。

そうですね、ジュニアアソシエイトにも会議で発言する機会はもちろんあるのですが、頻度はそれほど多くありません。

シニアアソシエイトとなって少しずつ弁護士としての実力がついてくると、会議で発言する機会も徐々に増えてきます。

専門性の獲得と幅広い経験はバランスが大切

若手の弁護士の方々は専門性をどう高めていけばいいか悩んでいる方も多いと思います。田中先生の考えをお聞かせください。

私自身も専門性をどう身につけていくか非常に悩んでこれまでやってきましたが、さまざまな方法があると思っています。

若いうちから「ひとつの分野しかやらない」と決めるのもあり得る戦略です。私の担当している分野にも、2~3年目でもうエネルギー分野のみに特化する先生もいます。

他方で、私はかなり幅広く経験を積んできた人間です。それが良かったなと思う機会もあります。例えば現在私が多く担当しているデータセンターの案件は複合的な領域で、金融機関から融資を受ける場合も不動産ファイナンスという形で借りることもあれば、プロジェクトファイナンスとして借りることもあります。

しかし不動産しかやってこなかった人間はプロジェクトファイナンスに苦労するでしょうし、逆の人間には不動産ファイナンスは難しいため、ある領域に特化した弁護士だけでは対応できません。

こういった複合的な案件に対応できるのは幅広い経験があるからこそです。その一方で、専門的に取り組んでいる先生に比べて専門化は遅くなるという問題もあります。

バランスが難しいですね。

難しいですし、正解がないです。ただ、自分が興味がある分野で「これだ」というものが見つかったら、そこに特化するのはひとつの選択肢だと思います。

現代のように法律が複雑化し案件が高度化すると、求められる知識の量も質も高くなりますし、お客様も弁護士を使い分ける時代です。

そういった市場の状況では専門化して「この分野が強い」というのが大きな武器になりますので、好きな分野に絞るのは有効な戦略だと感じます。

興味がある分野を見つけるには、若いうちに色々なことを経験することも重要でしょうか?

おっしゃる通りですね。

しかしさまざまな経験を積む一方、どこで踏ん切りをつけるかというところですよね。いつまでも特化するべき領域を探し続けているとさまざまなことをやったことがあるけど専門性がない人になってしまいます。

求められる弁護士像は日々変化する

世の中の法律や制度が目まぐるしく変化する中、弁護士に求められる役割も時代が反映される。いつまでも歩みを止めないことが「求められる弁護士」でいる条件となる。

弁護士のニーズは変わってきていると感じますか?

なかなか一概に言うのは難しいです。

定型化している案件については、企業の皆さんも法務部で弁護士を雇われ、内部でこなせる体制を構築してきていると思いますので、必ずしもニーズが増えているとは言えないかもしれません。

しかし新しい法律や制度ができた分野の仕事はどんどん増えてきている印象です。社会の流れやビジネスの流れに沿った対応ができるかどうかで、ニーズが変わってくるでしょう。

アソシエイトの先生方に向けて、ご自身の経験を踏まえて「これだけはやっておいた方がいい」と思うことがあれば教えてください。

クロスボーダーの案件に携わりたい人は、英語をきちんとやっておく必要があるということは伝えたいですね。

また、アソシエイト時代は目の前の案件に必死になってしまうかもしれませんが、その時に「やがて自分がパートナーになってこの分野の第一人者として案件を引っ張っていくんだ」という目線で案件に取り組むと良いと思います。

そのためにパートナー弁護士が何を考えてどう動いているかに少し意識を配って案件に取り組むことが、弁護士として一人前になるために大事なんじゃないかなと思います。

田中先生ご自身がこれから目指す弁護士像についてもお聞かせいただけますか?

今も考えている最中ではあるのですが、答えはシンプルです。やはりお客様の役に立つことが弁護士の唯一にして最大の価値だと思います。

どうやってクライアントの皆様のサポートができるか、お役に立てるかを常に考え続けて実践する弁護士でありたいと思っています。

求職者へのメッセージ

最後にキャリアの情報収集をされている弁護士の方に向けてキャリアのアドバイスをお願いします。

私は、弁護士というのはすごく経験が重要な職業だと考えています。

特に若手の先生方は、今担当している一つひとつの案件が自分の経験となり、血肉となり、自分のキャリアを支えるんだという意識を持って一つひとつの案件に取り組んでいただきたいです。

他方で、やはり戦略的に専門性というのを身につけていく必要もありますので、自分がどうなりたいのか、自分の強みは何なのかということも日々考える必要もあります。

同時にやるのはなかなか大変だとは思いますが、目の前のことに一生懸命取り組みながら、自分の将来についても考えることを意識して仕事をしていくと、キャリアとして充実したものになるのではないかなと思います。

本記事の内容は動画でもご視聴いただけます
動画:四大法律事務所パートナーインタビュー|森・濱田松本法律事務所【田中洋比古 弁護士】
森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士
東京大学法学部および同ロースクールを卒業後、新65期の修習を経て2013年に森・濱田松本法律事務所に入所。約5年半の勤務を経て、バージニア大学ロースクールに1年間留学。帰国後は森・濱田松本法律事務所シンガポールオフィスで半年勤務したのち東京オフィスに復帰し、2024年にカウンセル、翌2025年1月にはパートナーに昇格している。ファイナンス取引、不動産、再生可能エネルギーを含むエネルギー分野やそれらに関連するクロスボーダープロジェクトが専門。
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