エクスターンシップとは?法科大学院生が実務を体験できる短期プログラム

ロースクール生や法曹を目指している方なら、一度は「エクスターンシップ」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

エクスターンシップは、法科大学院のカリキュラムの一環として行われる短期間の就業体験プログラムです。

法律事務所や企業法務、官公庁など、さまざまなフィールドで「生きた法律」を学べる機会として、多くのロースクール生が注目しています。

この記事では、

  • エクスターンシップの概要
  • サマー/ウィンタークラークとの違い
  • 参加するメリット・デメリット
  • 参加方法

など、基礎からわかりやすく解説します。

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エクスターンシップとは?

エクスターンシップとは、法科大学院生が法律の実務現場で一定期間研修を行うプログラムです。

大学生や大学院生が一般企業や官公庁で職務を体験する「エクスターンシップ」も存在しますが、この記事では法科大学院生向けのエクスターンシップに焦点を当てます。

  • 主な派遣先
    • 法律事務所
    • 企業の法務部
    • 官公庁
    • NPOや民間団体
    • 希望すれば海外の企業や法律事務所
  • 実施時期と期間
    多くのロースクールでは、夏季・春季休暇中(1~2週間程度)に集中して行うことが一般的です。
  • 給与や単位
    授業の一環として実施されるため、給与は通常支給されませんが、法科大学院の単位が認定されます。

サマー/ウィンタークラークとの違い

エクスターンシップと類似のプログラムとして、サマークラークウィンタークラークがあります。それぞれの主な違いは以下のとおりです。

項目 エクスターンシップ サマークラーク ウィンタークラーク
参加者 ロースクール生 法曹志望の大学生、ロースクール生 予備試験合格者
目的 実務経験を積み、法律を生きた形で学ぶ 法律事務所での職務体験を通じた就職活動(事務所とのマッチングを図る) 同上(特に就職活動要素が強い)
給与の有無 無(単位が認定される) 一般的に(事務所により異なる)
単位の有無 (法科大学院の履修科目扱い)
時期 夏季・春季休暇中 夏季休暇中 予備試験合格発表後(11月末~2月頃)
期間 1~2週間 5日間程度 2日間程度
開催場所 法律事務所・企業・官公庁・海外など多様 主に法律事務所(都市部が中心) 主に法律事務所(都市部が中心)

エクスターンシップの特徴

  • ロースクールの単位になるため、学業の一部として組み込まれている
  • 就職活動というよりも実務を知ることに重点が置かれている
  • 希望すれば、企業や官公庁、海外など幅広い選択肢がある

サマークラークとウィンタークラークの場所は法律事務所で、特に東京や大阪など都市の法律事務所で開催されます。

▶サマークラークとは夏に行われる法律事務所体験のこと

▶ウィンタークラークとは冬に行われる法律事務所体験のこと

法律事務所でのエクスターンシップ

エクスターンシップ先として最も人気が高いのが法律事務所です。
一般的に、大手法律事務所から中小規模の事務所まで幅広く受け入れ先があり、自分の希望分野や興味関心に合わせて選ぶことができます。

  • 業務内容
    • 裁判所への同行
    • 依頼者との面談に同席
    • 裁判書面の作成補助
    • 判例や法律のリサーチ
    • 一般民事・刑事・企業法務など事務所の得意分野の実務に参加
  • 1日のスケジュール例
    • 10:00~19:00が基本(事務所によって異なる)
    • 弁護士の勤務時間に合わせ、裁判所への同行やミーティングに参加
  • 給与・手当
    • 原則無給(交通費や食事代は事務所によって支給される場合もあり)

エクスターンシップのメリット・デメリット

参加者のメリット

  1. 実務をリアルに体感できる
    • 教室で学ぶ法律がどのように使われるのかを目の当たりにし、将来像が具体化する。
  2. 進路選択の判断材料になる
    • 企業法務や国際案件など、将来のキャリアを考えるうえで実地体験は大きなヒントになる。
  3. 司法試験へのモチベーション向上
      • 実務家と接することで受験勉強への意欲が高まる。

参加者のデメリット

  1. 勉強時間の確保が難しくなる
    • 集中的なプログラムのため、事前の勉強計画が必要。
  2. 派遣先によって業務範囲に差がある
    • 大規模事務所では特定の分野しか体験できない場合もあれば、中小規模だと多岐にわたる実務が見られることもある。

受け入れ側(事務所・企業)のメリット

  1. 教育スキルが向上する
    • 法科大学院生に教えることで、弁護士や担当者の指導力が磨かれる。
  2. 将来の人材発掘の機会
    • エクスターンシップ生が優秀であれば、将来的に採用につながる可能性もある。

受け入れ側(事務所・企業)のデメリット

  1. 指導コストがかかる
    • マンツーマンでのフォローや業務準備など、通常業務とは別の負担が発生する。
  2. 受け入れ体制の整備が必要
    • マニュアルの作成や業務内容の調整など、受け入れ準備をしっかり行わなければならない。

エクスターンシップに参加するには?

エクスターンシップに参加するためには、まず法科大学院に入学し、該当プログラムに履修登録をする必要があります。

法科大学院に合格・入学

そもそもエクスターンシップはロースクール生を対象としているため、入学前の段階では応募できません。

エクスターンシップを履修登録

多くの場合、必修科目ではなく選択科目扱い。履修申請を行い、受理されると単位取得が可能。

派遣先を決定

  • 希望調査や応募を行い、大学院側がマッチングをサポートすることが多い。
  • 大手法律事務所や海外派遣先は人気が高く、抽選となる場合もある。

まとめ

  • エクスターンシップは法科大学院のカリキュラムの一環として行われる短期の就業体験
  • サマークラーク/ウィンタークラークは就職活動要素が強いのに対し、エクスターンシップは実務をリアルに知ることが主目的
  • ロースクールを通じて多種多様な派遣先を選ぶことができ、単位認定されるケースがほとんど
  • 実務を体験することで将来の進路イメージが明確化し、司法試験へのモチベーションも上がる可能性がある

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この記事の監修者

リーガル専門コンサルタントとして、弁護士・法務人材を中心に転職支援を行う。中国発大手テクノロジー企業の日本法人にて創業メンバーとして事業開発・推進に従事。スタートアップ〜大手事業会社での事業開発、マネジメント経験を有していることから、様々な角度からの俯瞰したアドバイスを強みとする。

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