司法試験とは?何になれるの?受験資格や受けるにはどうすればいいのかを徹底解説!【2026年最新版】

司法試験と聞いて読者の皆さんは何を思い浮かべますか。
最難関の試験といわれる司法試験ですが、司法試験に合格すると何になれるのか、また、司法試験を受験するためにはどうすればいいのか、わからない人も多いのではないでしょうか。
このコラムでは、法曹三者とよばれる弁護士・裁判官・検察官の仕事について説明するとともに、司法試験を受験するためにはどのようなルートがあるのか、また、それらのルートのメリット・デメリットについて解説します。
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司法試験は、法曹資格取得試験のひとつであり、弁護士や裁判官、検察官など、法律の専門職に就くために必要な資格試験です。
法曹に必要な知識や能力を評価するために、民法・刑法・商法・刑事訴訟法などの法律科目、論文試験などが実施されます。合格率は年度によって異なりますが、平均して30~40%です。
司法試験に合格することで法曹資格を得ることができ、法律の専門家として、社会に貢献することができます。
司法試験に合格すると何になれるの?
司法試験に合格し、裁判官、検察官、弁護士の実務を司法修習で学び、修習の修了試験である司法修習生考試(いわゆる二回試験)に合格することで、法曹資格(裁判官、検察官、弁護士)を得ることができます。
弁護士
弁護士は、依頼者からの法律相談でアドバイスを行ったり、裁判手続を依頼者の代わりに行ったり、被疑者・被告人の権利を擁護する弁護人となったりするなど、さまざまな場面で、人権擁護、法的紛争解決を目指して活動しています。
弁護士になるためには、司法試験に合格後、約1年間の司法修習を終えて司法修習生考試に合格し、その後、弁護士登録を行うことが必要です。
弁護士は自由業といわれており、多種多様な就職先があります。ここでは、法律事務所、一般企業、公務員、司法書士事務所、特許事務所、法律学者を簡単に紹介します。
法律事務所
法律事務所への就職としては、既に設立されている事務所へ入所するだけでなく、弁護士になると同時に自ら事務所を立ち上げて弁護士として働く方もいます。
また、法律事務所には、弁護士が立ち上げる事務所だけでなく、日弁連や弁護士会連合会、地元弁護士会が設立した公設事務所もあります。
法律事務所であっても、広くさまざまな事件を扱う事務所から、刑事事件や知的財産事件・企業法務などのひとつの分野に特化した事務所まであります。
一般企業
一般企業では、いわゆるインハウスロイヤーとして、法務部などで法律の専門知識を生かして働かれている方が多くいます。
公務員
一般企業と同様に、自治体の法務部などに公務員として就職される方もいます。
近年では、行政活動の適正化や違法・不当な行政活動に対する規制の重要性が高まっており、自治体の職員として働く弁護士の役割も増しています。
司法書士事務所・特許事務所
また、弁護士資格を取得すると、司法書士、弁理士として働くこともできます。司法書士として司法書士事務所に入所される方や、弁理士として特許事務所に入所される方もいます。
法律学者
弁護士資格を得たあとに大学の法学部で法律学者として活動される方もいます。
裁判官
裁判官は、民事訴訟・刑事訴訟などで両当事者の主張を聞いて、真実を明らかにし、公正な判決を下す役割を担っています。
裁判官になるためには、司法試験に合格し、司法修習を経たあと、司法修習生考試に合格する必要があります。もっとも、ただ単に合格すれば誰でもなれるわけではなく、司法修習中の各試験や司法修習生考試において優秀な成績を修める必要があります。
直近の採用実績は90人でした。
上記のルートが裁判官になる原則ルートですが、弁護士になったあとに裁判官になるというルートもあります。基準は以下の通りです。
1,形式的基準
- 弁護士経験10年以上の判事任官が望ましいが、当面は弁護士経験3年以上の判事補任官も可とする。
- 年齢55歳位までの者を基本とする。
- 懲戒処分を受けたことがないこと。
2,実質的基準
- 法律家としての能力、識見(事実認定能力、事件処理に必要な理論上及び実務上の専門的知識能力、幅広い教養に支えられた視野の広さなど)。
- 人物・性格面(謙虚さ、公正さ、寛容さ、決断力、協調性、基本的人権と正義を尊重する心情など)。
なお、推薦にあたっては、任官希望者の信条や宗教などについては考慮しないこととされています。
検察官
検察官は、法律に反する事件が発生した場合に、その事件を捜査し、被疑者の取調べや被害者への聞き込み、証拠品の確認などを行い、被疑者を起訴するか(裁判にかけるか)を決める役割を担っています。
検察官になるためには、弁護士、裁判官と同様に、司法試験に合格し、司法修習を経たあと、司法修習生考試に合格する必要があります。そして、検察官になるには検事採用面接に合格する必要があります。
検事については、任官志望者の中から、能力・適性・人格・識見に優れた方を総合的に判断した上、採用されます。検察官の直近の採用実績は76人でした。
そのほかにも、裁判官(判事・判事補)、弁護士、3年以上特定の大学において法律学の教授又は助教授の職にあった者、3年以上副検事の職にあって、検察官特別考試に合格した者が検察官になることができます。
司法試験の受験資格を得るための3ルートとは?
司法試験には受験資格があります。受験資格を得るためには、法科大学院ルートと予備試験ルート、法曹コースがあります。
予備試験ルートでは、予備試験に合格することで司法試験の受験資格を得ることができます。
法科大学院ルートでは、法科大学院を修了することが必要です。令和5年司法試験からは修了見込みを得ることで司法試験を受験することができるようになりました。
法曹コースは、学部3年・大学院2年の教育課程で受験資格を得るコースです。法科大学院を修了することが必要である点では、法科大学院ルートと共通しています。
ここでは、予備試験ルート・法科大学院ルート・法曹コースのメリット・デメリットを解説します。
予備試験ルート
予備試験とは、法科大学院を卒業しない人でも法曹資格を取得する機会を設けるための制度です。予備試験に合格すると法科大学院修了者と同様に、5年が経過するまでの間、司法試験を受験することができます。
予備試験ルートのメリット
予備試験のメリットは大きく4つあります。
- 受験資格を最短で得られること
- 受験資格がないこと
- 費用がかからないこと
- 予備試験合格者の司法試験合格率が高いこと
詳しく解説していきます。
1,受験資格を最短で得られること
1つ目は、司法試験の受験資格を最短で得られることです。法科大学院を経由せずに、予備試験に合格できれば司法試験を受験することができます。
法科大学院では既修者コースでも2年間の期間を要するため、予備試験が最速で受験資格を得るルートとなっています。
2,受験資格がないこと
2つ目は、予備試験の受験資格・受験期間の制限がないことです。
予備試験では、司法試験と異なり、誰でも何度でも受験することが可能です。したがって、高校生や大学生であっても予備試験を受験することができます。
また、社会人で仕事があるために法科大学院へ通えない方であっても、予備試験に挑戦することができます。
3,費用がかからないこと
3点目は、法科大学院ルートと比べて費用がかからないことです。法科大学院の授業料は国立大学の法科大学院で総額189万円(既修者コース)、私立大学で令和4年司法試験の合格率が1位だった慶應義塾大学法科大学院の費用は総額342万4380円となっています。
予備試験では、これらの費用がかからず、司法試験の受験資格の取得が可能となっています。
4,予備試験合格者の司法試験合格率が高いこと
4点目は、予備試験合格者の司法試験合格率が高いことです。
令和7年司法試験では、予備試験合格者の司法試験合格率は90.1%でした。予備試験の合格を目指すことがそのまま司法試験の合格に直結するといえます。
この合格率を前提とすると、予備試験に合格していれば司法試験にも合格する可能性が高いため、大手法律事務所などは、予備試験合格者の採用を行っていることが多いです。したがって、予備試験に合格することは就職面でも有利になると考えられます。
予備試験合格者の司法試験合格率が高い理由は、両者の試験科目が共通していることも影響していると考えられます。
司法試験には短答式試験と論文式試験がありますが、両方の試験とも、予備試験の試験科目と重なっています。
そのため、予備試験の試験対策を行うことが司法試験の試験対策に直結しており、予備試験に合格できれば司法試験にも合格できる可能性が高いと考えられます。
予備試験ルートのデメリット
予備試験のデメリットは大きく2点あります。
- 低い合格率
- 勉強の正しい方向性・モチベーションの維持が困難
下記より詳しく解説します。
1,低い合格率
1点目は、合格率が低いということです。
予備試験の合格率は毎年約4%で推移しており、合格が非常に難しい試験といえます。
したがって、合格に3年以上かかってしまい、法科大学院ルートの方が早く司法試験の受験資格を得ることができたという方も少なくありません。
2,勉強の正しい方向性・モチベーションの維持が困難
2点目は、試験に合格するための勉強やモチベーションの維持が困難であることです。
法科大学院では、司法試験合格に向けた授業・サポートを行う教授がいるため、司法試験の合格に向けた指導を受ける環境が整っています。また、司法試験を目指す仲間がいるため、モチベーションを保ちやすいといえます。
一方で、予備試験を独学合格を目指す場合、それらの環境が必ずしも整っていない方が多いです。
法科大学院ルート
法科大学院ルートでは、法科大学院を修了することで司法試験の受験資格を得ることができます。令和5年司法試験からは在学中受験制度が導入され、修了見込みを取得することで司法試験を受験することができるようになりました。
法科大学院ルートのメリット
法科大学院のメリットは、大きく3つあります。
- 司法試験の受験資格を得られる可能性が高い
- 整った学習環境
- 法曹三者以外の就職先
下記より詳しく解説します。
1,司法試験の受験資格を得られる可能性が高い
1点目は、司法試験の受験資格を得られる可能性が高いことです。
予備試験の合格率が約4%であるのに対し、法科大学院の修了率(既修者であれば2年間、未修者であれば3年間、留年せずに法科大学院を終了した者の割合)は、全体で約55.81%となっています。
2年ないし3年の課程を経れば半分以上の確率で司法試験の受験資格を得られることがわかります。
2,整った学習環境
2点目は、整った学習環境があることです。
法科大学院には一緒に司法試験を目指す仲間とそれをサポートしてくれる教員がいます。
司法試験では、試験に合格する勉強を行うことがまずは大切です。独学では試験に必要な知識かどうかを見極めるのが必ずしも簡単ではなく、教員の指導や学生同士の情報交換も重要となります。
また、自習室を備えている法科大学院も多く、勉強に集中できる環境が整っているといえます。
3,法曹三者以外の就職先
3点目は、法曹以外の就職先も考えられることです。
法科大学院修了後の進路には、司法試験以外にも、一般企業や官公庁などがあります。法科大学院で法律の基礎を学び、修了後にそのような職場で法律の知識を生かして働かれる方も少なくないです。
司法試験を目指しつつ、そのような分野で働きたいと感じた場合に、進路変更ができる点も法科大学院のメリットです。
法科大学院ルートのデメリット
法科大学院のデメリットは大きく2つあります。
- 費用と時間のコスト
- 予備試験と比較した場合の合格率
1,費用と時間のコスト
法科大学院の最大のデメリットは費用と時間がかかることです。
法科大学院の学費は上記の通り低額とはいえず、費用がかかります。
また、法科大学院ルートでは司法試験の受験資格を得るために、少なくとも修了見込みを取得する必要があるため、時間がかかります。
2,予備試験と比較した場合の合格率
2点目は、予備試験と比較した場合の司法試験合格率が低いことです。
予備試験合格者の合格率が約92.8%であるのに対し、法科大学院修了者の合格率は約34.8%となっています。このことを前提にすると、法科大学院を修了したとしても司法試験に合格する可能性は高いとはいえません。
もっとも、法科大学院の中には合格率が50%を超えているところもあり、大学院によってその差も大きいです。
法曹コース
法曹コースは、法曹を目指す方が大学時代から法曹になるための教育を受けるコースです。
法曹コースでは、学部3年+法科大学院2年の計5年間の課程で法曹を目指します。
法曹コースのメリット
法曹コースのメリットは大きく2点あります。
- 時間的・経済的コストの削減
- 質の高い授業
1,時間的・経済的コストの削減
1点目は、時間的・経済的コストを削減できることです。
まず、時間面について述べます。
法曹コースは上記の計5年間の課程で司法試験の受験資格を得るコースです。
従来であれば、学部4年+法科大学院2年ないし3年の6~7年で司法試験の受験資格を得ることがで来ていました。従来よりも、1~2年短くなる計算になります。
さらに、令和5年司法試験からは、法科大学院修了見込みを取得できれば司法試験を受験できるようになるため、法科大学院2年目での受験が可能となります。そうすると、大学入学から5年目で司法試験受験資格を得られることになり、従来よりも2~3年短いということとなります。
次に経済面ですが、述べてきた通り、大学・大学院に通う期間が短くなるため、その分学費などが抑えられ、従来の法科大学院ルートよりも費用が抑えられるメリットがあります。
2,質の高い授業
2点目は、大学1年目から質の高い授業を受けられる点です。
法曹コースでは、法学部などを設置する大学が、法科大学院と連携して法科大学院既修者コースの教育課程と一貫的に接続する体系的な教育課程を編成し、法曹志望者や法律の学修に関心を有する学生に対して、学部段階からより効果的な教育を行うものであり、その授業は、法科大学院未修者コース1年目の内容を代替するものであることが想定されています。
したがって、学部段階から、司法試験合格を意識した教育を受けることができ、より法曹に適した授業を受けられるようになることが考えられます。
法曹コースのデメリット
法曹コースのデメリットは、効果が未知数であることです。
法曹コースの対象は2019年以降の入学者が選択できます。2019年入学者は現在大学入学から数えて5年目を迎えているため、修了見込みを取得した者が司法試験を受験できることとなります。
したがって、法曹コースの効果の有無は2023年の司法試験から検討されることになるため、現在、効果は未知数です。
弁護士の受験資格は?
弁護士になるためには、以上のいずれかのルートによって司法試験の受験資格を得る必要があります。
そして、司法試験に合格後、司法修習を受け、司法修習生考試に合格することで弁護士になることができます。
司法試験の受験資格に有効期限はある?
司法試験の受験資格には有効期限があります。
司法試験の受験期間は、法科大学院修了または予備試験合格から5年間で5回という制限があります。また、法科大学院修了見込みを取得し、司法試験を受験した場合は、最初に司法試験を受験した年を入れて5年間で5回となります。
この期間内で司法試験に合格できなかった場合は、もう一度法科大学院を卒業(または修了見込みを取得)するか、予備試験に合格し、受験資格を取得しなおす必要があります。
司法試験の受験回数が増えると、合格率が低くなる傾向にあります。
令和7年司法試験の受験回数別の合格率を見ると、1回目で合格した人は全体の約75.7%、2回目が約15.7%、3回目が約6.5%、4回目が約1.1%、5回目が約0.8%となっています。
もっとも、2回目以降で司法試験の受験をやめた方もいると思われるため、この数字だけから2回目以降の合格率が低いとは断言できません。
しかし、受験の期間が長引くとそれだけモチベーションの維持も困難になり、また、司法試験の合格のための勉強という意味においては間違った勉強に陥ってしまうことも少なくありません。
したがって、できるだけ少ない回数での合格を目指すことが、結果的にも、司法試験の合格に繋がるといえます。
司法試験を受けるにはルート選びから!
1章から3章で司法試験の概要や、司法試験に合格すると何になれるのか、受験資格のことを解説してきました。
司法試験合格のためには、まず、自分に合ったルートを選ぶことが重要です。
上記の通り、それぞれのルートにはメリットとデメリットがあります。
もっとも、制度上、最短で司法試験の受験資格を得られる予備試験ルートであっても、予備試験の合格に複数年要する場合は、法科大学院ルートのほうが受験までの期間を少なくできるということもあります。このように、それぞれのメリットが各人にとってメリットとならない場合もあります。
司法試験に合格できるルートは人それぞれです。
しかし、自分にあったルートがどのルートなのか、わからない人も多いのではないでしょうか。
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