40代から弁護士を志す方には、自分のこれからのキャリアを考えて新たな道として弁護士業に挑戦してみたいという方、現在のキャリアに不安・不満を抱えていて、新たな可能性を探りたいという方など様々な方がいらっしゃるかと思います。

とはいえ、

「本当に40代から弁護士を目指せるのか」

「そもそもどうやって弁護士になるのか」

「40代未経験でも弁護士としてやっていけるのか」

「限られた時間のなかでどうやって勉強すればいいのか」

という悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、40代未経験から弁護士を目指すにあたって抑えておくべきポイント、弁護士になるためのルートや勉強法などを紹介していきます。

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【結論】40代未経験からでも弁護士として活躍できる!

まず結論から申し上げますと、40代未経験からでも弁護士として活躍することは十分できます。

弁護士の就職においては年齢が若いことは一つの有利な要素ではありますし、弁護士事務所によっては原則的に20代しかとらないところもゼロではありません。

しかし、前職での経験や知識などから一定の評価を受け、それが就職において有利な要素となって就職しやすくなるということも少なくありません。

仮に前職での経験等が有利にならなくとも社会人経験があってある程度社会人としてのマナーがある方であれば、それだけで一つの評価の対象ですので、少なくとも20代の子たちと比べて大幅に不利に扱われるようなことはほとんどありません。

つまり、社会人経験があり、一定程度のマナーがある方は40代未経験からでも就職可能性は十分あるし、それに加えて前職での経験や知識が評価されれば就職に有利に働くこともあるということです。

40代から弁護士を目指すデメリット

これまで40代から弁護士を目指すことができることについて説明してきましたが、ここでは、40代から弁護士を目指すにあたって簡単にはいかない点やデメリットなどについて紹介していきます。

勉強時間の確保が難しい

まず一つ目は、勉強時間の確保が難しいという点です。

仕事をやめて司法試験に向けての勉強にほとんどの時間を費やすことができるという方は別として、大半の方は、まずは仕事をしながら司法試験に向けての勉強をすることになるでしょう。

仕事を終えて疲れて帰ってきてから勉強時間を確保することがそもそも体力的にも時間的にもなかなか簡単にはできません。

また、時間の確保ができたとしても、慣れない分野の勉強で、わからないことを調べながらじっくり時間をかけて進めていきたいのに、なかなか一日にまとまった時間がとれず、限られた時間での修得に苦労するかもしれません。

このような意味で40代から弁護士を目指すにあたって苦労する部分があるといえます。

20代と比較し就職先が限られる

そして二つ目は、20代と比較して就職先が限られるという点です。

社会人経験があれば弁護士として事務所に就職することが十分できるということは先ほど述べた通りです。

しかし、明確に制限を設けているわけではありませんが、やはり弁護士事務所によっては、結果として20代しか採用していないというところもあります。

資源を割いて育てたからには、弁護士はなるべく長く事務所に居て、売り上げに貢献して還元してほしいという思惑で、物理的に40代よりも長く事務所に所属することができうる若い人を採用するという考えもあるのが現状です。

このように20代よりも40代の方が就職先が限られることがあり、そのような意味で弁護士を目指すにあたって苦労する部分があるといえます。

40代から弁護士を目指すメリット

ここでは40代から弁護士になった場合に得られる利点や弁護士として活躍するにあたっての有利な点などについて紹介していきます。

これまでの社会人としての知識と経験を生かせる

まず一つ目は、これまでの社会人としての知識や経験を生かすことができるという点です。

40代で社会人経験があるとなると、社会一般のマナーのみならず、働いてきた業種・分野での知識や経験、取引先の業種などの知識が培われていることでしょう。

そのような業種・分野において法律業務がある場合には、法律の知識のみならず当該業種・分野における他の人にはない知識や経験を用いることができ、それによって弁護士としての評価も高まるということが十分ありえます。

また、これは弁護士になってからに限らず、司法試験に向けての勉強を進めるなかで、これまでの知識や経験が法律の勉強をするにあたっての背景知識・経験となり、普通に法律の勉強だけをしている人よりも頭に入りやすい、理解しやすいなどのメリットもあります。

安定したキャリアの構築

そして二つ目は、弁護士として安定したキャリアを構築することができる点です。

弁護士は専門職としての地位が高く、一度資格を取得すれば、基本的には長期的なキャリアの安定が期待できますし、また一般に弁護士は高収入の職業であると言われています。

40代は多くの方にとってキャリアの中盤にあたる時期です。

このような時期において新たなキャリアとして弁護士を目指すことで、将来的なキャリアの安定や収入の向上を図ることができます。

40代で司法試験を受験するための2ルートを紹介!最短で弁護士になるには?

ここでは40代で司法試験を受験するための2つのルートを紹介します。

司法試験の受験資格は①法科大学院を卒業すること(令和5年度司法試験からは法科大学院3年生による在学中受験が可能(ただし大学院ごとに条件あり))、又は②司法試験予備試験に合格することのいずれかを満たすことです。

着実に司法試験を受験する資格を得ることができるのは①の法科大学院に通って卒業することで、最短ルートを目指すのであれば②の予備試験を受験・合格することがおすすめです。

以下それぞれについて説明していきます。

法科大学院ルート

まず法科大学院ルートについて説明します。

法科大学院に入るには入学試験に合格する必要があり、法科大学院により異なりますが、通常その前提として4年制大学を卒業していること(又は大学卒業見込み)であることが条件です。

法科大学院には法学に関する知識がない状態から修了までに司法試験に合格できる水準の学力を身につけることを目指し設置されている未修者コースと、既に一定以上のレベルの法学への知見がある学生の教育を行う既修者コースがあります。前者だと3年で、後者だと2年で法科大学院を卒業することになります。

法科大学院に通うのであればよほど融通が効かない限りは、退職するか、働きながら夜間ロースクールに通うかということになり、夜間コースの場合だと全日制よりもさらに時間がかかってしまいます。

以上のとおり、このルートは法科大学院の受験のための勉強も含めるとかなり時間がかかりますし、また法科大学院の学費等も高いので、かなり時間とお金に余裕がある方にしか向かないルートと言えるでしょう。

予備試験ルート

次に予備試験ルートについて説明します。

卒業までに何年もかかる法科大学院に行かずとも、予備試験に合格してしまえば、司法試験を受けることができ、予備試験合格から(司法試験や司法修習を経て)2年ほどで弁護士になることができます。

40代から弁護士を目指し、そのために仕事を退職するハードルが高い方には、仕事をしながら予備試験の勉強を進めて合格を勝ち取るというこのルートが王道であると言えます。

また、仕事を退職されて勉強をする方にも予備試験ルートは最短で弁護士になることができるルートですのでおすすめです。

ただし、合格率の低い予備試験に独学で合格するのはかなり難しく、また勉強の方向性が定まらず時間がかかってしまうので、予備試験ルートを目指す方は予備校を利用するのがベターです。

40代から司法試験に合格するための勉強法

ここでは、40代から司法試験合格を目指すにあたっておすすめの具体的な勉強方法について紹介していきます。

細切れ時間もフル活用し、肢別本で短答式の基本スキルを身につける

まず一つ目は、仕事や日常生活の隙間時間をフルに活用し、肢別本で短答式の基本スキルを身につけることです。

仕事を終え、疲れた状態でじっくりとまとまった時間司法試験の勉強にあてるのはやはり難しいです。

仮にまとまった時間をつくることができたとしても、特にじっくり腰を据えてやらなければ力がつきにくい論文式試験の対策に時間を取られてしまいがちで、基本的な知識や短答式の基本スキルの勉強はおろそかになりがちです。

しかし論文式試験も基本的な知識がなければ解くことができませんし、予備試験や司法試験で短答式試験に落ちてしまうと論文式試験が受けられなかったり、採点すらされなかったりしてしまいます。

そうならないよう、基本スキルについては仕事の隙間時間や日常生活のほんの少しの時間などをフル活用し、肢別本などをどんどん解いて読み進めて身につけていきましょう。

自分の理解度を表す◯△✖️などの記号を利用して、効率よく勉強を進めていくことがおすすめです。

予備校の論文答練で実践力をつける

そして二つ目は、予備校の論文答練で様々な問題について実際に答案を書くことで実践力をつけることです。

司法試験においては、論文式試験の点数の占める割合が短答式試験の点数の占める割合に比べてかなり大きく、合格の鍵を握るのが論文式試験だと言っても過言ではありません。

予備校の論文の答案練習で様々な問題に触れ、実際に答案を書くことで、重要な論点や基本的な知識をしっかりと身につけることが重要です。

そうすることで、似たような問題が出たときに必ず点数を取ることができるようになりますし、似たような問題でなくとも同じような問題意識を持つことが想定されている場合には答案練習で解いて身につけた知識や論点を活用して得点を稼ぐことができるようになります。

直前期には予備校の予想論点問題に着手し、穴がないようにしておく

最後は、直前期には予備校の予想論点問題をしっかりと解いて、本番までに知識に穴がないようにしておくことです。

上記の論文答練で司法試験に向けての十分な知識を得ることは可能ですが、それだけで本番で出題されるもののすべてが網羅されているとは限りません。

予想論点問題は、過去の司法試験での出題傾向から出題が予想される論点を含む旧司法試験、予備試験、司法試験の過去問などを取り扱っており、論文答練であまり身に付かなかった部分を補えたり、予想論点によりフォーカスをあてた勉強ができたりするため、おすすめです。

予備校の予想論点問題を解き、穴がないよう万全の対策をして司法試験に挑むようにしましょう。

40代から弁護士を目指す場合の注意点

ここでは弁護士を目指すに際して注意しておくべき2つの点について紹介していきます。

まず一つ目は、司法試験に向けての勉強をする前にはある程度の蓄えが必要だということです。

最短で受かる場合でも弁護士として仕事をしだすまではかなりの時間がかかり、また簡単に一発合格することができるような試験でもありません。

仕事を完全に辞めて司法試験に向けての勉強をする方はもちろんですが、仕事をセーブしながら勉強をしていく方も、弁護士になるまでの長い過程を考慮するとやはりある程度の期間を見越して備えておくべきでしょう。

そして二つ目は弁護士になってからすぐの収入が前職よりも必ずしも高いとは限らないことです。

弁護士は一般的には高収入と言われており、また経験などによって収入が上がっていきやすい職種ではあります。

確かに、初年度からかなり高収入の事務所もありますし、初年度から独立(即独)して顧客を獲得して稼いでいくという方もなかにはいるかもしれません。

しかしそのような事務所は限られていますし、即独は一般に成功例が少ないと言われていますので、弁護士になってすぐのころは大体は弁護士事務所からお給料をもらい、勉強しながら仕事をしていくという方が大半で、そこで得られる収入は前職より低い可能性もあります。

キャリアアップのための弁護士を目指すという方は想像と大きなギャップがないよう特にこの点に注意が必要です。

まとめ

以上いかがだったでしょうか。

40代から弁護士を目指すにあたっては、大変なことや苦労されることが多々あるでしょう。

しかし、そのような大変さや苦労があってもなお40代から弁護士を目指すことには、高く安定したキャリア構築や社会人経験を活かし個性ある弁護士として活躍しうるなどの様々なメリットがあります。

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