司法試験・予備試験の国際公法を選択したけれど、実際どんなふうに勉強を進めたらいいのかわからないという方は多いのではないでしょうか。

このコラムでは、司法試験・予備試験の国際公法の特徴や勉強法、出題傾向などについて、詳しくまとめています。
国際公法で高得点を狙いたい方はぜひ参考にしてみてください。

<選べる科目別講座!>選択科目を効率的に対策!選択科目が不安な方におすすめ!

これ一つでOK!インプット・論証集を用いた学習・過去問対策まで、総合的に学習可能◎

各科目講師による無料ガイダンス公開中!

国際公法とは?特徴は?

国際公法は(国際私法と異なり)国家間で生じる紛争や問題に関する解決策を国際法、国際経済法、国際人権法の3法で調整を図る法律です。
国際間の問題であることは国際私法と同一ではありますが、私人間ではなく、国家間の問題である点に大きな特徴があります。

国家間の問題であると聞くと、適法法が多く出題範囲も非常に多くなるのでは、と懸念する方も多いと思います。

ですが、司法試験で出題される国際公法のうち、国際人権法・国際経済法については国際法の体系に属する者に限るという留保が付されているだけでなく(平成22年7月14日司法試験委員会決定)、実質的には国際経済法の出題はほぼないことから、国際公法の出題範囲は他の選択科目と比較しても、同等又はより狭い科目であるといえます。

国際公法のメリット

ここでは、国際公法の科目のメリットをご紹介します。

出題範囲が限られている

 国際公法では、出題範囲が限定されています。
上述したように、国際公法では、国際法、国際人権法、国際経済法の3法が出題範囲とされ、さらに国際人権法・国際経済法については国際法の体系に属する者に限るという留保が付されているだけでなく(平成22年7月14日司法試験委員会決定)、実質的には国際経済法の出題はほぼありません。

 そのため、主な出題は、国際法、及び国際人権法(国際法の体系に属する者に限定)になり、出題範囲はより一層限定的です。さらに、当然ではありますが出題は、司法試験六法に掲載されている条約に限られ、条約以外の慣習国際法の適用場面においても過去の出題傾向からして同種の問題が出題される傾向にあります。

 このことから、国際公法は適用法令が限定的であること、さらに出題される論点についても例年同様の論点が出題されやすい傾向にあることなどから、出題範囲が限定的であるといえます。

足切りされる受験者が少ない

足切りされる受験者数が少ない傾向にある点も国際公法のメリットです。
そもそも、国際公法は受験者が少ないため、足切り点数もそこまで高くならない傾向にあります。
司法試験で足切りを受けた受験生が数人になる年もあります。

高得点が狙いやい

また、受験者が少ないため、高得点も狙いやすい傾向にあります。
勉強のやり方を正しくすれば、他の科目に比べて点を取りやすい点はメリットといえるでしょう。

国際公法のデメリット

他方で国際公法を選択するうえでデメリットが以下のとおりあります。 

受験者数が少なく、他の科目に比べて教材が少ない

国際公法の受験者をみると、令和5年度では予備試験で2.8%、司法試験ではさらに低く、1.42%にとどまっています。
このことから、国際公法の受験者は全科目の中でも非常に低く、その分、情報が少ないだけでなく、勉強のもととなる基本書や演習書の素材が他の科目と比較し、少ない傾向にあります。

国際公法の出題範囲、問題形式、配点

国際公法の出題範囲や問題形式、配点について詳しくご紹介します。

国際公法の出題範囲

国際公法の出題範囲は、上述したように国際法、国際人権法、国際経済法の3法が出題範囲とされ、さらに国際人権法・国際経済法については国際法の体系に属する者に限るという留保が付されているだけでなく(平成22年7月14日司法試験委員会決定)、実質的には国際経済法の出題はほぼありません。

そして、例年の傾向からすると、国際公法の出題範囲が現行の出題範囲から大きく変化することはないといえます。

国際公法の問題形式

問題形式は、例年の傾向では設問が3つ前後出題される傾向にあります(なお、令和5年度の司法試験では設問が4つ出題され、参考資料として選択議定書の抜粋が添付されていました)。

問題文の長さは、他の科目と比較して同程度の長さであり、国際公法であるから長文になっているというわけでもありません。

国際公法の配点

国際公法の配点は、司法試験が100点満点、予備試験が50点満点となっています。
こちらは、選択科目の配点であり、他の科目を選んでも同様です。

それぞれの設問の配点は公開されていません。

国際公法で高得点を取るための勉強法

国際公法は、受験者が少ないことからどのような勉強法に関する情報が少ないのが現状です。
そのため、正しい勉強法を知ることが難しく、自己流でやってしまうと非効率になる恐れがあります。

そこで、以下ではなるべくわかりやすく、国際公法の勉強法について解説していきます。

過去問演習は必須

国際公法の勉強で最も重要なのは、過去問演習です。

国際公法の演習本は非常に少なく、また司法試験との関係で良書とされる演習書もそこまで多くありません。

そのため、まずは何より司法試験の過去問を何度も解きましょう。
演習書が少ない以上、司法試験の過去問については遡れるだけすべて問題を解答し、出題趣旨や採点実感まで丁寧に分析すべきです。国際公法の試験問題をみてわかるように実は国際公法は、過去に出題された問題が再度出題されることもあります(例えば、令和2年度の問題と平成24年度の問題を比較してみてください。出題されている論点がほぼ同一であることがわかります)。

このように、司法試験の国際公法の過去問は、他の選択科目と比較して、非常に有意義な情報が詰まっています。
何度も繰り返し、過去問を解くことで出題傾向などもわかるだけでなく、出題者がどのような意図で問題を出題しているのか、どのような答案を作成すれば優良答案になるのかなど、詳細に知ることができます。

このように、国際公法で高得点を取るには、何よりも過去問演習を何度も繰り返すことが近道であり、かつ、確実な方法であるといえます。

司法試験用六法を参照し、過去に出題された条文や条約をマークする

また、国際公法の学習をするうえで大切なのは、司法試験用六法を参照し、過去問を何度も解く過程で出題された条文や条約をマークすることです。

国際公法は出題範囲が限られており、また過去に出題された論点も年度をおいて出題されることが多々あります。そのため、過去問演習をする際には司法試験用六法にその都度、マーキングをし、視覚的にどの条文・条約が頻繁に出題されているのかを司法試験用六法に情報一元化をすることが大切です。

そうすることで、司法試験で出題頻度の高い条文・条約(逆にほとんどマークされない条文は出題頻度が低い条文・条約になると言えます)をもれなくおさえることができ、勉強効率も上がります。

そして、試験直前にはマークをしたところを重点的に復習すればよく、効率的かつ確実に高得点を狙うことができるようになります。

判例集を活用する

判例集を活用することもお勧めします。
国際公法では、問題となる判例はそこまで多くありません。
そのため、司法試験で出題された判例は特に重要であり、その都度、丁寧に分析をする必要があります。そして判例集を分析する際には、問題となった判例の判旨だけに着目せず、事案の内容にこそより重点的に着目することが大切です。

事案の内容から、なぜ本件では問題となったのか、各国がいかなる主張し、いかなる対立があるのかなどを知ることで司法試験の問題文から重要なる事実関係を抽出する力を養うことができます。

国際公法を勉強する上でので注意点・ポイント

国際公法を勉強する上での注意点・ポイントについてご紹介します。

出題された条約はざっとでもよいので原典にあたる

司法試験の過去問をみていただけるとわかりますが、問題文に参考資料として条文や条約が掲載されていることがあります。
その際は、多少面倒かもしれませんが、出題された序文や条約については原典にあたるとよいです(特に司法試験六法で記載が一部しかない条文や条約等)。

直接的に出題がなくとも、条文や条例の原典にあたることで、その条文や条例の全体像を把握することができます。
一部抜粋したものだけでは条文や条例の全体がわかりづらく、イメージも掴みづらいことが多いです。

そのため、多少手間がかかるとはいえ、なるべく原典にあたることが遠回りしているようで実は近道になることもあります。

判例集の学習は司法試験に出題されたものから重点的に行うこと

判例集については、司法試験に出題された判例を中心的に学習しましょう。
科目によっては判例百選に掲載されている事例はほぼすべて網羅しなければいけないものもありますが、国際公法ではまずは司法試験に過去出題された判例を抜粋して学習をすることを心掛け、時間的に余裕があれば、その他の判例にもチャレンジするといった意識を持つことが大切です。

はじめからすべての掲載判例を丁寧に分析していこうとしてしまうと、途中で力尽きてしまう恐れもあり、かえって効率が悪くなりがちです。

深く学習すべき判例とそうでない判例を意識的に分け、メリハリをつけた学習をすることが何より重要です(なお、司法試験に出題された元となる判例については、判旨だけでなく事実関係も含めて丁寧に勉強すべきであることは上述したとおりです)。

まとめ

司法試験の選択科目の1つである国際公法について、具体的な勉強方法や試験内容、出題傾向などについてご紹介しました。

国際公法は司法試験選択科目の中でも受験者が少ない科目の1つです。

正しく勉強すれば、高得点を狙いやすい科目でもあります。

ぜひ、本コラムを何度も読んで頂き、司法試験の国際公法の学習に役立てて頂ければと思います。

司法・予備試験で確実に点数を取れるように

<選べる科目別講座!>あなたの選択科目対策を集中的にサポート!
選択科目で問われる知識をインプット→過去問解析でベストな解答方法を学べる講座です。
また、「論証集」の使い方を学び、選択科目における重要論点を効率的に理解できます。

選択科目を効率的に対策!選択科目が不安な方におすすめ!

これ一つでOK!インプット・論証集を用いた学習・過去問対策まで、総合的に学習可能◎

各科目講師による無料ガイダンス公開中!

▼まずはアガルート講座を無料体験したい方はこちら▼

約13.5時間分の動画講義が20日間見放題!

実際に勉強できる!司法試験・予備試験・法科大学院入試対策のフルカラーテキスト        

合格者の勉強法が満載の合格体験記!

司法試験・予備試験・法科大学院入試試験の全てがわかる!
司法試験/予備試験/法科大学院試験ガイドブック

合格の近道!司法試験のテクニック動画

『総合講義 民法テキスト』まるごと1冊プレゼント(※なくなり次第終了)

1分で簡単!無料

▶資料請求して特典を受け取る