経営企画とは | 仕事内容や役割

経営企画といえば「花形」「優秀な人材が集まる」等のイメージをお持ちの方も多いでしょう。

社長や経営陣の近くで働く経営企画は、将来起業を考えている方にも人気のポジションです。

起業の成長において重要な職務である経営企画にはさまざまな能力が求められ、誰にでもできる職務ではありません。

この記事では経営企画とは何か、経営企画に必要な能力や資格を解説します。

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経営企画とは

経営企画とは、企業の経営計画の立案、人員の管理やマーケティングなど、企業活動の根幹となる部分を幅広く担当する仕事です。

企業の上層部が決めた経営戦略を実現に導くため、実際にどのようなことを行えばよいのかを企画します。

企画を実行するにあたって、人材、物資、資金をどのように配分するかを決めなくてはなりません。

経営にも直接関わり、広範囲をカバーする仕事のため、本人の能力も高いものが求められます。

経営企画は大別すると、

  • 積極的戦略
  • 消極的戦略

の2つに分けることができます。

積極的戦略

積極的戦略とは企業を成長させるための戦略です。

具体的には、

  • 事業の拡張
  • 社員の採用
  • 資金調達

等です。

消極的戦略

消極的戦略とは企業の衰弱を防止するための戦略です。

具体的には、

  • 不採算事業の廃止や撤退
  • 社員の解雇
  • 負債の抹消

等があります。

経営企画の仕事内容

経営企画はの仕事内容は多岐にわたります。ここでは、経営企画の具体的な仕事内容を紹介します。

企業の中長期的な経営戦略の策定

経営企画では、企業のリソースである「ヒト・カネ・モノ・情報」を用いて、利益を出し続けるための戦略を作ります。

企業によって異なりますが、5年前後を見通して戦略を立てることが多いでしょう。

事業計画のためには、市場の情勢や競合他社についてさまざまなデータを収集し、分析する必要があります。

これらの情報をもとに経営陣の意思決定をサポートし、経営戦略の策定を行ったうえで、実現に向けて具体的な指示を出していきます。

事業ポートフォリオの見直し

経営企画の仕事は、事業ポートフォリオの見直しも含まれます。

企業が行っている事業についての現状、市場と自社との関係性を把握し、企業のおかれた状況に応じて適切な判断を行うのが目的です。

企業の強みと弱みについて客観的な視点から分析を行い、競争に勝てるようにポートフォリオを調整します。

パフォーマンスの低い事業と高い事業を評価し、相互作用でより高い業績を出せるような事業の進め方を先頭に立って示す役割です。

コーポレートガバナンスの対応

コーポレートガバナンス、すなわち企業統治を主導するのも経営企画の職域です。

コーポレートガバナンスとは、企業の社会的な在り方やコンプライアンスをもとに企業の経営や運営を行うことです。

企業における上層部も含めてコンプライアンスに沿った経営内容にするために、社外取締役などの監査体制を構築します。

自社の社員に、企業の方針に従って活動してもらうため、行動指針や罰則の規定を明確にすることも大切です。

経営企画と事業企画の違い

経営企画と似た名称の仕事に、事業企画があります。

これらの違いについて疑問に思うことがあるかもしれません。

経営企画とは、経営の方針を策定します。

これに対して、事業企画は事業の方針策定に関わる仕事と言えます。

事業とは、企業が行う一つひとつの大きなプロジェクトのことを指し、経営はこれらのプロジェクトを総括する立場です。

中小企業では経営企画も事業企画も1つの部門で行う企業がほとんどですが(経営者や役員など個人が役割を担う場合もあり)、大企業では経営企画と事業企画とを部署で分ける場合もあるようです。

▶事業開発とは企業において新しい事業を創造し構築していく過程

経営企画に向いている人

経営企画とは、経営陣の立場から会社の立ち位置を定め、さまざまなプロジェクトそのものを企画していく立場であることがわかってきました。

では、どのような人が経営企画の仕事を行うとよいのでしょうか。

経営企画に向いている人の特徴を解説します。

将来の見通しを立てて行動できる人

経営企画に向いている人として、まず将来の見通しを立てられる人が挙げられます。

経営企画に携わるのであれば、中長期的、例えば5年や10年というスパンで会社に利益をもたらす施策を考えられる人でなくてはなりません。

また、経営企画のポジションは、大企業にこそ必要とされる仕事です。

大企業の経営企画が行うことは社会全体に注目されます。

したがって、社会に影響を与えるような仕事に意欲をもって取り組める人が経営企画に向いているといえます。

情報収集が得意な人

経営戦略を立てるために、経営企画を担当する人はあらゆる方面の情報にアンテナを立てる必要があります。

多くの部署と関わる仕事なので、日々の勉強が欠かせない立場です。

仕事上調整をしなくてはならない相手は、経営陣はもちろん、社内の各部署のトップ、株主や行政機関といった社外の関係者にも及びます。

さまざまな折衝を有利に進めるためにも、情報収集は際限なく必要と言えます。

論理的な思考力と柔軟な対応ができる人

経営企画には、企業の課題解決のために、合理的な判断力を持って企業を運営できる人が向いています。

特に、現場と経営陣との間で板ばさみになりやすいため、高いコミュニケーション能力が求められます。

感情的になるのではなく、あくまでも論理的に相手を納得させていくコミュニケーションでなくてはなりません。

対応力が柔軟であることも大切です。

頭が固いと、いざこれはダメだとなったときに考えをよりよい方向に転換していくことがなかなかできません。

最善の方法を常に求めるタイプに適している仕事です。

経営企画に向いていない人

経営企画は簡単な仕事ではないので、残念ながら向いていない人もいます。

ここでは、経営企画に向いていない人のタイプをいくつか紹介します。

目先の利益を優先してしまう人

つい目先の利益を考えてしまう人は、経営企画には向いていないといえます。

企業の状況にもよりますが、経営は一般的に、長期目線がないと難しいものです。

経営企画も中長期のスパンで経営を考え、最終的に利益が出せて成長できるような選択を重ねる仕事と言えます。

ときには小さな利益を捨てて、大きな利益を得る発想も必要になります。

一見して利益の出る仕事でも、いずれマイナスに転じるようなものであれば、思い切って断念しなくてはなりません。

ワークライフバランスをもって働きたい人

経営企画の仕事は責任が大きい分、休日出勤や残業が多い傾向もあるようです。

ワークライフバランスを最重要視して働きたい人は、経営企画は難しいかもしれません。

経営企画は、業務時間が変動しやすいのも特徴のひとつです。

プライベートの時間も仕事のための情報収集やスキルアップの時間は確保する必要があります。

経営の裏方でサポート役になれない人

経営企画は、実際に動いているプロジェクトの実施において、各事業部への説明や人材の調整、予算のやりくり、経営陣との双方向の連絡など、管理サポート的な仕事も多いです。

経営企画は花形といわれたりもしますが、サポートもメインな業務で、忍耐力も大いに必要とされる仕事なのです。

経営企画に関する資格

経営企画を行うために特定の資格は必要ありません。

しかし、経営企画の一部に関連する資格などはあります。それらを取得することで、客観的な知識の証明になります。

ここでは経営企画に関連する資格として、

  • MBA(経営学修士)
  • 中小企業診断士
  • 公認会計士
  • 簿記

の4つの資格及び試験を紹介します。

MBA(経営学修士)

MBAとは企業経営に必要な知識と技術を体系的に備えていることを示す学位です。

経営企画の積極的戦略、消極的戦略のいずれにおいても、MBAで学んだ知識を生かすことができます。

また、学位取得者という地位は説得力を持たせる点でプレゼンや根回しの際に有利になることも考えられます。

MBAの学位を取得するには通常2年間の修士課程を修学します。

大学院によっては夜間や休日講義、週1~2日程度の講義で3~4年修学するコース等、働きながらでも資格取得可能なカリキュラムが組まれています。

受験資格は大卒程度の学位であり、選考は志望動機を中心とした書類選考や面接程度の所が多いです。

MBA取得のための学費はだいたい300~500万円程度掛かります。

中小企業診断士

中小企業診断士は企業経営に関する診断を行い、成長戦略を策定できる能力があることを示す資格です。

特に中小企業の積極的戦略において立案や実行を支える知識となります。

中小企業診断士の資格を取得するには、中小企業診断士試験に合格する必要があります。

試験は1次試験が8月、2次試験が10月に実施され、受験料は1次試験13,000円、2次試験17,200円です。

令和元年度の中小企業診断士試験の合格率は5.5%と、難しい試験であることがわかります(参考:J-SMECA「令和元年度の試験について」)。

公認会計士

公認会計士は企業の財務諸表監査ができる能力を示す資格です。

特に経営企画の消極的戦略において立案や実行を支える知識となりえます。

公認会計士資格を取得するには、公認会計士試験に合格する必要があります(公認会計士法第3条、参考:公認会計士試験について)。

試験は短答式、論文式の2つがあり共に例年12月に実施されます。受験料は19,500円です。

令和元年度試験の合格率は10.7%です(参考:CPAAOB「令和元年公認会計士試験の合格発表について)。

簿記

簿記は企業の経営成績と財政状態を把握する能力があることを示す資格です。

簿記検定試験の各実施団体(商工会議所、全国経理教育協会、全国商業高等学校協会)が試験を行っています。

一般によく知られている商工会議所が実施する日商簿記検定は3級~1級があり、中でも1級は合格率9.8%と難しい試験です(参考:日本商工会議所「受験者データ」)。

経営企画のやりがい

経営企画のやりがいは、まず第一に会社の決定権をもって経営に取り組めることです。

経営には、答えのない難しさがあります。

何かを決定したとしても、それが十分な成果を上げるという保証はなく、ときには方針転換も必要になります。

そのような難しい経営について、他部署と協力しながら会社と人を動かす経験ができること、自分自身が大きく成長できることに、やりがいを感じる方は多くいらっしゃるようです。

経営企画のキャリアパス

経営企画として一定のキャリアを積んだ方は、会計・財務、マーケティング、人事などの幅広い分野に精通しているといえます。

根拠となるデータを集める分析力、人を説得できる論理的な思考力、重要資料を管理する事務処理能力など、経営企画に求められる能力は何の仕事にでも応用がききます。

経営企画として多くの実績を残すことが出来れば、財務部長などの管理職を目指す、CFO・COOなどの役員を目指す、独立・起業するなど、さまざまなキャリアパスが描けるでしょう。

▶経営企画に特化したおすすめの転職エージェント5選

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