渥美坂井法律事務所の年収・採用・求人情報を弁護士専門の転職エージェントが解説
- 更新日:2025.10.16
渥美坂井法律事務所・外国法共同事業(以下「渥美坂井法律事務所」)は、国内系事務所として初めて独立形態で外国法共同事業を設立した総合法律事務所です。
金融・M&A・国際通商をはじめ、テクノロジーやエネルギーなど多様な分野で高度な専門性を有し、グローバルネットワークを活かした複雑な国際案件にも対応しています。
本記事では、渥美坂井法律事務所の概要・取扱分野・年収・中途採用情報などを解説します。
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INDEX
渥美坂井法律事務所の概要
渥美坂井法律事務所・外国法共同事業は、国内外の企業・金融機関に対して総合的なリーガルサービスを提供する国際的な法律事務所です。
国内系事務所として初めて、外資系との提携によらず独立した形で外国法共同事業を展開しており、グローバルネットワークと先進的な専門性を融合させた体制を確立しています。
事務所設立時より手がける金融分野をはじめ、M&A、独禁法、IT/TMT、エネルギー、ライフサイエンスなど多様な分野に柔軟に対応しています。
世界各国の有力法律事務所との連携を通じて、複雑化・国際化する法的課題に対して迅速かつ戦略的なワンストップソリューションを提供しています。
事務所名 | 渥美坂井法律事務所 |
取扱分野 | ファイナンス&バンキング、キャピタルマーケッツ、ファンド、コーポレート、競争法/独禁法、M&A、紛争解決、危機管理/不祥事対応、ホワイトカラー/刑事事件対応、人事/労務、知的財産、税務/ウェルスマネジメント、事業再生/倒産、対日投資、国際通商 等 |
弁護士数 | 254名※(内訳:パートナー125名、客員3名、オブ・カウンセル20名、アソシエイト106名)
※提携オフィスを含む拠点・グループ内他事務所を含む |
拠点 | 東京 大阪* 福岡* ニューヨーク* ロンドンフランクフルト* ブリュッセルホーチミン *提携オフィス |
公式サイト | https://www.aplawjapan.com/ |
渥美坂井法律事務所の弁護士数の推移
近年、渥美坂井法律事務所は弁護士数を大きく増やしています。
以下は、2018年~2024年の弁護士白書データを元に、渥美坂井法律事務所の所属弁護士数の推移をまとめたものです。
2018年から2024年の6年間で、80名増加(約66%増)しています。特に2020年以降は毎年10名以上の増員が続いており、持続的な成長傾向が見られます。
年 | 所属弁護士数 | 増減数 | 増減率 |
---|---|---|---|
2018 | 121 | – | – |
2019 | 128 | +7 | +5.8% |
2020 | 138 | +10 | +7.8% |
2021 | 156 | +18 | +13.0% |
2022 | 176 | +20 | +12.8% |
2023 | 186 | +10 | +5.7% |
2024 | 201 | +15 | +8.1% |
渥美坂井法律事務所の主な沿革
- 1994年:渥美・臼井法律事務所名 設立
- 2003年:渥美総合法律事務所に改称
- 2005年:渥美総合法律事務所・外国法共同事業に改称(国内系法律事務所として初めて外国法協同事業を開始)
- 2010年:渥美坂井法律事務所・外国法共同事業に改称
- 2022年:福岡提携オフィス(A&S福岡法律事務所弁護士法人)開設
- 2025年:大阪提携オフィス(A&S大阪法律事務所)開設
渥美坂井法律事務所の取扱分野・業務分野
渥美坂井法律事務所は、企業法務を中心に、金融、M&A、資本市場、独占禁止法、紛争解決など幅広い分野に対応する総合法律事務所です。
設立当初から強みを持つ金融・ファイナンス分野に加え、ファンド組成、投資案件、労働法、知的財産(IP)、IT・TMT、国際通商、危機管理、事業再生、エネルギー、ライフサイエンスなど多岐にわたる分野をカバーしています。
また、分野ごとに専門チームを構成しつつ、案件内容に応じて横断的に連携する体制を整備し、法務、ビジネス、政策の観点を総合的に組み合わせた支援を行っています。
ニューヨーク、ロンドン、フランクフルト、ブリュッセル、ホーチミンなどの拠点や独自の国際ネットワークを活用し、国内外の複雑な法的課題に対してグローバルな視点からソリューションを提供しています。
渥美坂井法律事務所の年収
渥美坂井法律事務所は、国内外に拠点を有し、200名を超える弁護士が在籍する総合法律事務所です。報酬水準は国内の法律事務所の中でも高い水準に位置づけられます。
五大法律事務所に次ぐ規模の法律事務所の報酬水準の一般的な目安としては、入所1年目の弁護士はおおよそ800万~1,000万円前後、経験を積み専門分野で実績を重ねることで1,500万円前後となるケースが見られます。
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企業内弁護士(インハウスローヤー)の年収相場を経験別・業界別に解説
渥美坂井法律事務所の弁護士のキャリア
渥美坂井法律事務所で経験を積んだ弁護士には、多様なキャリア選択肢があります。
ここでは、渥美坂井法律事務所の弁護士のキャリアを4つのケースに分けて解説します。
パートナーを目指す
パートナーへの昇格は、法律事務所におけるキャリアの到達点の一つと言えます。
案件処理能力や専門分野での成果だけでなく、クライアントとの信頼関係、若手の育成、組織運営への貢献など、総合的な能力が求められます。
パートナーは事務所経営や戦略立案にも携わる立場となり、高度な責任とリーダーシップが求められます。
他事務所への移籍
渥美坂井法律事務所での実務経験は、他事務所でも高く評価される傾向にあります。
同事務所で扱う案件は、国際取引、金融規制、競争法、クロスボーダーM&Aなど高度な専門領域に及び、弁護士は複雑な法的課題に対する分析力や実務遂行力を磨くことができます。
より特定領域に特化した事務所や外資系法律事務所へのキャリアチェンジが選択肢となり得ます。
企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職
渥美坂井法律事務所での実務経験を経て、企業の法務部門に転じる弁護士もいます。
企業内弁護士は、法的観点から事業戦略を支える役割を担う点で、企業の持続的成長を支える中核的な専門職と位置づけられます。
働き方やキャリアの多様化に伴い、事務所からインハウスへの転職を選ぶ弁護士も増えています。
独立開業
渥美坂井法律事務所での豊富な案件経験をもとに、独立開業をする弁護士もいます。
国内外の企業案件で培われた法的分析力や交渉スキルは、独立後の業務基盤として強みとなります。
企業法務や国際分野での専門性を活かし、高付加価値のリーガルサービスを展開するケースも見られます。
渥美坂井法律事務所の求人・中途採用情報
渥美坂井法律事務所では、幅広い分野で実務経験を有する弁護士の中途採用を行っています。
業務分野は、M&A、キャピタルマーケット(エクイティファイナンス)、国際仲裁・国際訴訟、プロジェクトファイナンスや再生可能エネルギー、インフラ・エネルギー、IT・データ・AI・個人情報保護、知財法務、危機管理、企業法務、スタートアップ・新規事業支援など多岐にわたります。
専門性の高い国際案件や複雑な取引に関与できる点が特徴で、英語でのコミュニケーションや実務経験が歓迎される求人も見られます。
渥美坂井法律事務所では、業務分野に応じて編成されるプラクティスグループは、希望に応じて複数グループへの参加が可能です。
渥美坂井法律事務所の弁護士の活躍のフィールド
社外取締役を務める渥美坂井法律事務所の所属弁護士
渥美坂井法律事務所には、企業統治やコンプライアンスに関する高い専門性を有し、上場企業や金融機関などの社外取締役として活動する弁護士が在籍しています。
以下は、渥美坂井法律事務所に在籍し社外取締役を務める弁護士の一例です。
弁護士名 | 期間 | 就任企業名 | 役職 | 学歴等 |
---|---|---|---|---|
丹生谷美穂 | 2020 – | パーク24株式会社 | 社外取締役 | 一橋大学法学部 卒業 Northwestern University School of Law (LL.M.) |
2024 – | ソニーフィナンシャルグループ株式会社 | 社外取締役 | ||
大串淳子 | 2021 – | 日比谷総合設備株式会社 | 社外取締役 | 東京大学教養学部 (国際関係論専攻) 卒業 ミラノ大学人文学部単年度コース履修(イタリア現代史) University of Michigan Law School (LL.M.) |
2023 – | 三菱自動車工業株式会社 | 社外取締役 | ||
町田行人 | 2021 – 2025 | 住信SBIネット銀行株式会社 | 社外取締役 | 中央大学法学部 卒業 University of Southern California (USC) Gould School of Law (LL.M.) |
三橋友紀子 | 2015 – 2022 | 株式会社AOI Pro. | 社外取締役 | 京都大学文学部 卒業 |
2016 – 2022 | パンチ工業株式会社 | 社外取締役 | ||
清水真一郎 | 2022 – 2024 | 株式会社ジャステック | 社外取締役監査等委員 | 一橋大学法学部 卒業 |
石原一樹 | 2019 – 2021 | 株式会社BIZVAL | 社外取締役 | 京都大学法学部 卒業 神戸大学法科大学院 修了 |
2023 – | 株式会社エアトリ | 社外取締役 | ||
細川昭子 | 2025 – | 電気興業株式会社 | 社外取締役 | 神戸大学法学部 卒業 Boston University School of Law (LL.M.) |
鈴木大輔 | 2021 – | 株式会社筑波銀行 | 社外取締役監査等委員 | 中央大学法学部法律学科 卒業 |
手塚崇史 | 2025 – | ヘッジファンドダイレクト株式会社 | 社外取締役 | 東京大学法学部 卒業 Harvard Law School (International Tax Program) |
松岡史朗 | 2020 – | ステート・ストリート信託銀行株式会社 | 社外取締役監査等委員 | 京都大学法学部 卒業 University of Southern California (USC) Gould School of Law (LL.M) Boston University School of Law (LL.M in Taxation) |
越後純子 | 2015 – | メディアスホールディングス株式会社 | 社外取締役 | 筑波大学医学専門学群 卒業 筑波大学大学院医学研究科 修了 桐蔭横浜大学法科大学院 修了 |
井上龍子 | 2019 – | 日鉄物産株式会社 | 社外取締役 | 東京大学法学部 卒業
ワシントン大学法律大学院修士(LL.M.)(フルブライト奨学金) |
2021 – | コスモエネルギーホールディングス株式会社 | 社外取締役 | ||
2023 – | NSユナイテッド海運株式会社 | 社外取締役 | ||
2024 – | デジタルグリッド株式会社 | 社外取締役 |
渥美坂井法律事務所が携わっている案件
渥美坂井法律事務所は、国内外の企業取引や公共プロジェクトにおいて多様な案件を手がけています。
ここでは、同事務所が関与した事例の一部を紹介します。
Ramky Groupによる、日本の環境技術への総額1億ドル規模の投資(Ramky Group側)
2023年、インドの環境・インフラ開発の最大手であるRamky Groupが、日本の環境技術分野に総額1億ドル規模の投資をする計画を発表しました。
本件において、渥美坂井法律事務所は、Ramky Groupのスポンサーのリーガルアドバイザーを務めています。クロスボーダーM&A・投資に関する契約交渉や法的助言を行ったものとみられます。
全保連株式会社の東京証券取引所スタンダード市場への新規上場
家賃債務保証事業を手がける全保連株式会社が、2023年10月に東京証券取引所スタンダード市場に新規上場しました。
渥美坂井法律事務所のIPO支援チームは、同社の新規株式公開時の海外募集・売出しについて助言等を行っています。
東京2025デフリンピック 準備運営本部への法律相談支援
渥美坂井法律事務所は、2025年11月に開催予定の東京デフリンピックについて、公益財団法人東京都スポーツ文化事業団内のデフリンピック準備運営本部に対して、法的支援を行っています。
大会運営に関連する契約、コンプライアンス、知的財産など、幅広い領域に関する法律相談を担当しているとみられます。
渥美坂井法律事務所の著名弁護士
渥美坂井法律事務所には、国内外で高い評価を受ける弁護士が多数在籍しています。
ここでは、国際金融、独占禁止法、不動産取引など各分野で卓越した実績を有し、国際的なランキングや受賞歴を持つ弁護士の中から、数名の方のプロフィールをご紹介します。
渥美博夫 弁護士
– プロフィール
渥美・臼井法律事務所(現 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業)創業者、渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 シニアパートナー。主な取扱分野は、バンキング、航空機・船舶ファイナンス、プロジェクトファイナンス、ストラクチャードファイナンス/証券化、不動産ファイナンスなど国際金融法務全般。長年にわたり、IFLR 1000やChambers Global/Asia-Pacificなどで高い評価を受ける。
– 受賞
・「The Best Lawyers in Japan 2026 – Asset Finance Law, Banking and Finance Law, Capital Markets Law, Project Finance and Development Practice, Real Estate Law, Structured Finance Law」選出
・「Chambers Global 2025 – Banking & Finance: Domestic (Senior Statespeople)」選出
– 主な著書
・『TMKの理論と実務【改訂版】—特定目的会社による資産の流動化』監修, 金融財政事情研究会, 2021年
・『Growth Strategy 2017: Fine-tuning Japan’s Banking Act for Fintech, Who’s Who Legal: Japan 2017』共著, Law Business Research Ltd., 2017年
坂井豊 弁護士
– プロフィール
渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 共同設立者、シニアパートナー。主な業務分野は、バンキング、航空機・船舶ファイナンス、ストラクチャードファイナンス/証券化、プロジェクトファイナンス、再生可能エネルギーなど、国際金融法務全般に及ぶ。『最新シンジケート・ローン契約書作成マニュアル』をはじめとする専門書の監修・共著にも携わる。
– 受賞
・「IFLR1000 2025 – Highly regarded – Project development, Banking, Energy and infrastructure, Project finance, Capital markets: Structured finance and securitisation」選出
・「The Best Lawyers in Japan 2026 – Asset Finance Law, Banking and Finance Law」選出
– 主な著書
・『最新シンジケート・ローン契約書作成マニュアル – 国内・海外協調融資の実務 – 第4版』監修・共著, 中央経済社, 2021年
・『コンパクト解説会社法6 定款作成・変更の実務』共著, 商事法務, 2016年
由布節子 弁護士
– プロフィール
渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 シニアパートナー。取扱分野は、EUを中心とする独占禁止法案件、コンプライアンス、コーポレートガバナンス、EU法務など多岐にわたる。2017年にはALB Japan Law Awardsにおいて初代「Woman Lawyer of the Year」を受賞。パナソニックホールディングス株式会社の社外監査役(2020 -)や、公正取引委員会の独占禁止懇話会メンバー(2016 -)など公的立場においても活動。
– 受賞
・「The Best Lawyers in Japan 2026 – Antitrust / Competition Law, Corporate Governance and Compliance Practice, Trade Law」選出
・「Asian Legal Business (ALB) Japan Law Awards 2017- Woman Lawyer of the Year」受賞
– 主な著書
・『デジタル時代におけるEU競争法政策と日本─プラットフォーム規制を中心に─ 日本EU学会年報第40号』有斐閣, 2020年
・『EU基本法判例集(第3版)』共著, 日本評論社, 2019年
河村明雄 弁護士
– プロフィール
渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 シニアパートナー。金融規制法(レギュラトリー)、Fintech、プロジェクトファイナンス、アセットマネジメント/投資ファンド、ストラクチャードファイナンスなど、国際金融を中心とした多岐にわたる分野を取り扱う。ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社(現シティグループ証券株式会社)に勤務した経験(1987-2004)を有し、同社において法規監理室長、ゼネラル・カウンセル、取締役支店長などを歴任。
– 受賞
・「The Best Lawyers in Japan 2026 – Asset Finance Law, Investment and Investment Funds」選出
・「IFLR1000 2025 – Notable Practitioner – Corporate and M&A」選出
– 主な著書
・『Panoramic – Hedge Funds 2024, Japan chapter』共著, Law Business Research Ltd., 2024年
川原 K. ラッセル 弁護士
– プロフィール
渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 パートナー、外国法事務弁護士(アメリカ合衆国カリフォルニア州法)。不動産ファイナンス/REIT、アセットマネジメント/投資ファンド、不動産取引、ジョイント・ベンチャー、コーポレートガバナンスなどを主要分野とし、国内外の複雑な不動産取引に関する法的助言を多数手がける。不動産分野における専門性の高さは国際的にも評価されており、Chambers Asia-Pacificにおいて「Leading Individual」として継続的に選出。
– 受賞
・「The Best Lawyers in Japan 2026 – Real Estate Law」選出
・「Chambers Asia-Pacific 2025 Leading Individual – Real Estate: Registered Foreign Lawyers」選出
– 主な著書
・『Global Legal Insights – Corporate Real Estate, First Edition, Japan Chapter』共著, Global Legal Group, 2014年
・『”Real Estate Investment in Japan” Rechtshandbuch Immobilien Investitionen, chapter on Japanese real estate investment』共著, Verlag C.H.Beck, 2009年
この記事の監修者
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