四大・五大法律事務所の年収やキャリアを弁護士専門の転職エージェントが解説
- 更新日:2025.11.04
 
四大・五大法律事務所とは、日本で有数の規模を誇る法律事務所(西村あさひ法律事務所、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、森・濱田松本法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、TMI総合法律事務所)を指す呼称です。
本記事では、四大・五大法律事務所の概要や、年収、キャリアパスなどについて解説します。
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INDEX
四大・五大法律事務所の概要
四大法律事務所とは、
- 西村あさひ法律事務所
 - アンダーソン・毛利・友常法律事務所
 - 森・濱田松本法律事務所
 - 長島・大野・常松法律事務所
 
の4事務所を指します。
近年ではTMI総合法律事務所を加え、五大法律事務所と総称されることも一般的です。
いずれの事務所も、企業法務を中心にM&A、ファイナンス、キャピタルマーケッツ、国際仲裁、知的財産など幅広い分野の案件を取り扱う総合法律事務所です。
国内外の拠点やネットワークを活用し、クロスボーダー案件や国際取引にも対応可能な体制を整えています。
四大・五大法律事務所の各事務所の概要は、以下の通りです。
西村あさひ法律事務所
西村あさひ法律事務所は、900名※を超える弁護士等(提携・アライアンス事務所含む)が所属する国内最大規模の総合法律事務所です。
東京本部を中心に、アジア・欧米の複数の海外拠点を展開しており、クロスボーダー案件や国際取引に対応可能な体制を整えています。
企業法務全般に対応しており、M&A、ファイナンス、キャピタルマーケッツ、競争法、知的財産、国際仲裁など多岐にわたる案件を取り扱っています。
さらに、ESGやデジタル領域など新しい分野にも取り組んでおり、多様な案件経験が可能です。
※公式HPの記載参照(2025年10月現在)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、企業法務を中心に幅広い案件に対応する総合法律事務所です。
718名※(日本法資格弁護士647名、非日本資格弁護士71名)の弁護士等が在籍し、東京・大阪・名古屋の国内拠点に加え、アジアや欧州の複数の海外拠点を活用しています。
企業法務全般のほか、金融・証券取引、ファイナンス、コーポレート、M&A、規制対応、不動産、労務・人事分野など幅広く対応可能です。
知的財産やIT、ライフサイエンス、メディア関連分野にも注力し、国際的な案件にも組織的に対応しています。
※公式HPのデータを元に、弊社にて独自集計(2025年10月現在)
森・濱田松本法律事務所
森・濱田松本法律事務所は、2002年の統合を契機に設立された大規模総合法律事務所で、823名※(日本法弁護士659名、外国法弁護士164名)の弁護士が所属しています。
東京を中心にアジアや米国の拠点を展開し、企業法務全般をワンストップで提供できる体制を整えています。
M&Aや企業再編、金融・ファイナンス、知的財産、競争法、事業再生、紛争解決など幅広い案件に対応しており、各分野に専門チームを配置。
国内外の大手企業や金融機関、スタートアップに対して多様なリーガルサービスを提供しています。
※公式HPの記載参照(2025年10月現在)
長島・大野・常松法律事務所
長島・大野・常松法律事務所は、国内外で幅広い案件に対応する総合法律事務所で、弁護士数は635名※(日本弁護士574名、外国弁護士61名)に上ります。
東京本部のほか、ニューヨーク、シンガポール、バンコク、ホーチミン、ハノイ、ジャカルタ、上海など海外拠点を展開し、国際ネットワークを活かした案件対応が可能です。
コーポレート、M&A、ファイナンス、事業再生、危機管理、紛争解決、労務、税務、独占禁止法など幅広い分野に対応しており、リーガルテックも活用した効率的なサービス提供体制を整えています。
※公式HPの記載参照(2025年10月現在)
TMI総合法律事務所
TMI総合法律事務所は、1990年創立の法律事務所で、675名※(日本法弁護士610名、外国法事務弁護士8名、外国弁護士56名、客員外国弁護士1名)の弁護士が在籍しています。
東京、名古屋、大阪、京都、神戸、広島、福岡など全国主要都市に拠点を構え、アジア太平洋、北米、中南米、欧州、アフリカ・中東など世界30拠点へ展開しています。
企業法務全般に対応し、M&A、コーポレートガバナンス、金融・ファイナンス、知的財産、事業再生、争訟、税務、労働法など幅広い案件を扱い、国際的な案件にも組織的に対応できる体制を整えています。
※公式HPのデータを元に、弊社にて独自集計(2025年10月現在)
四大・五大法律事務所に所属する弁護士数の推移
五大法律事務所の弁護士数の推移
以下のグラフ(資料1)は、五大法律事務所に所属する弁護士数の推移です。
五大法律事務所に所属する弁護士数は、2010年の1,622名から2024年には3,030名へと、14年間でほぼ倍増しています。
全弁護士数の推移(資料2)を見てみると、同期間で日本国内の弁護士全体の人数は28,789名から45,808名に増加しています。
全弁護士数に占める五大事務所所属弁護士の割合は、2010年の5.6%から一時期5.0%台まで低下したものの、2024年には6.6%にまで上昇しています。
特に2015年以降は所属弁護士数が毎年着実に増加しており、2020年以降は全体に占める割合も6%を超える状況が続いています。
[資料1]
[資料2]
※グラフは、各年の弁護士白書データを元に独自作成。
事務所別の弁護士数の推移
以下のグラフ(資料3)は、四大・五大法律事務所の事務所別の所属弁護士数の推移です。
5事務所とも全体を通して弁護士数は増加傾向にあり、業界全体の拡大とともに、四大・五大法律事務所も継続的に組織規模を拡充してきたことがわかります。
西村あさひ法律事務所は、全期間を通じて最多の弁護士数を維持しています。2010年の471名から2024年の679名まで、安定した拡大を続けています。
TMI総合法律事務所は、2010年には224名と他の4事務所とやや差が開いていましたが、勢いのある成長を続けており、2024年には2010年比で約2.6倍の575名へと拡大しています。
[資料3]
※グラフは、各年の弁護士白書データを元に独自作成。
四大・五大法律事務所の年収
四大・五大法律事務所に所属する弁護士の年収は、国内法律事務所の中でも高い水準にあります。
新人アソシエイトは、一般的には1,000万〜1,200万円前後からのスタートとなるケースが多いです。
経験を積むにつれて1,500万〜2,000万円台へと上昇し、担当する案件の規模や専門性の深さによっては、さらに報酬が上積みされることもあります。
パートナーに就任した場合は、数千万円規模の報酬レンジが想定され、責任と裁量に応じた報酬体系が整備されています。
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四大・五大法律事務所の弁護士のキャリア
四大・五大法律事務所では、多様な案件や高度な法律実務に関わる機会があり、弁護士としての経験を積むことができます。
キャリアパスとしては、事務所内でパートナーを目指す道や、他事務所への移籍、企業内弁護士(インハウスローヤー)への転身、独立開業など、個々の志向や目標に応じた選択肢が考えられます。
事務所のパートナーを目指す
四大・五大法律事務所でのパートナー就任は、弁護士のキャリアの到達点のひとつと言えます。
パートナーになるためには、専門性の確立や豊富な案件経験に加え、クライアントからの信頼を得て案件を獲得する能力も重要な要素となります。
パートナーに就任すると、報酬の水準が上がるだけでなく、事務所の経営や後進の育成に関わる機会も増え、組織の中心的な役割を担う立場となります。
自らの裁量で案件を取りまとめ、外部への発信などを通じて事務所内外での影響力を発揮することが求められます。
四大法律事務所パートナーインタビュー|森・濱田松本法律事務所【田中洋比古 弁護士】
他事務所への移籍
大手法律事務所での経験を基盤に、他の法律事務所へ移籍する弁護士も存在します。
専門領域の追求やワークライフバランスの調整、裁量権拡大などを理由に移籍するケースが考えられます。
大手事務所出身者は、豊富な案件経験と国際的な視野を持つ人材として、転職市場で評価される傾向にあります。
事務所によってポジション、報酬体系、担当業務範囲は異なるため、移籍を検討する際は事前の情報収集が重要です。
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企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職
四大・五大法律事務所から、企業内弁護士(インハウスローヤー)に転身するケースも増えています。
ビジネスの当事者として経営に深く関わりたいと考える弁護士にとって、インハウスは魅力的な進路です。
上場企業や外資系企業では、大手法律事務所で培った案件経験や国際的な視野が高く評価される傾向にあり、経営層に近い立場で意思決定に関与する機会を得られることも少なくありません。
四大・五大法律事務所出身者の中には、CLO(最高法務責任者)、ジェネラルカウンセル、執行役員などとして経営層で活躍されている方も多いです。
事務所での多忙な勤務経験を経て、ワークライフバランスを考慮した働き方を実現しながら、事業の中枢に関わるキャリアを選択できる点も、インハウスへの転身が支持される理由のひとつと言えます。
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独立開業
大手法律事務所での経験を経て、独立・開業を目指すキャリアもあります。
大型案件やクロスボーダー案件で培った専門性や経験は、独立後の業務において強みとなり得ます。
独立後は、特定分野に特化した事務所や地域密着型の事務所など、多様な形態での事務所運営が考えられます。
開業にあたっては、法務スキルに加えて、営業力や組織運営、財務管理などの能力も重要です。独立は事務所で培った経験を活かし、自らの裁量で業務を進められる選択肢のひとつといえます。
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この記事の監修者
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