作家兼弁護士のキャリア構築術【ベリーベスト法律事務所 五十嵐先生】

今回は、ベリーベスト法律事務所の五十嵐先生にインタビューを行いました。

  • キャリアの掛け合わせ(「弁護士×○○」)
  • ベリーベスト法律事務所に入所を決めた理由
  • 入所前後のギャップ・驚いたこと

などについて、詳しくお伺いしています。

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ベリーベスト法律事務所について

本日は、ベリーベスト法律事務所の五十嵐先生にお越しいただきました。

ベリーベスト法律事務所さんに関して簡単にご説明いたしますと、全国で60拠点以上、380名を超える弁護士数を誇る日本トップクラスの法律事務所様でございます。知名度も非常に高く、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、非常に多様な弁護士の先生が在籍をしていらっしゃいます。

本日は、弁護士でありながら作家もされている五十嵐先生にお越しをいただいて、いろいろお話を伺いたいと思います。五十嵐先生、今日はよろしくお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

ベリーベスト法律事務所 五十嵐先生の自己紹介

まず、自己紹介からお願いできますでしょうか。

弁護士や作家として活動している五十嵐と申します。
学部・ロースクールともに東北大学を卒業し、69期の代に司法試験に合格しているんですけれども、訳あってそのまま司法修習には行かず、4年間ほど別の仕事をしておりました。

その後、73期の代に司法修習に行き、現在はベリーベスト法律事務所の東京オフィスで働いております。アソシエイト弁護士として、主に一般的な弁護士業務の他、法律監修やリーガルのコンテンツ作りに携わる等、いろいろ活動をしております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

作家「五十嵐 律人」としても活躍

私から補足をさせていただくと、五十嵐先生は弁護士として活躍をする傍ら、五十嵐律人名義で作家活動を行われています。2019年4月に小説「法廷遊戯」で新人賞を受賞されて作家デビュー、2023年の11月には同作原作で映画化もされています。弁護士としての活動のほかに、作家としても本格的なご活躍をされている、非常に異色なキャリアの方でございます。

ちなみに2023年4月に新作が出たということで、ご紹介いただいてもよろしいでしょうか?

デビュー作から一貫して、リーガルミステリーと言われる法律や裁判をテーマに扱った小説を書いておりまして、今回は「魔女の原罪」という物騒なタイトルなんですけれども、魔女裁判をテーマに、「現代で、もし魔女裁判が起きたら?」みたいなことを書いた、ちょっとダーク寄りのミステリーになっています。よかったらぜひ。

なるほど、楽しみですね。私も読んでみたいと思います。ちなみに、気になったんですけれど、五十嵐先生、本名は下のお名前が?

そうですね、本名は優貴(ゆうき)です。

作家としては、五十嵐律人先生でやってらっしゃるんですよね。

はい、いわゆるペンネームとしてですね。

ですよね。なぜこういう名前になられたんですか?

作家としてデビューする時に、本名でやるのか、あるいはペンネームでやるのか、というのを選ぶことができるのですが、弁護士もやろうと思っていたので、活動として分けた方がいいのかなと思っていたところもあり、ペンネームを決めようかなと思いました。

編集者と何回もやり取りしていく中で、いろいろ提案していったんですけど、「もっといいのがあるはずです」と却下されていって(笑)。リーガルミステリーを書いているので、法律をずっと書いていくぞ、という覚悟も込めて、「法律っぽい単語を入れませんか?」という提案があり。

なるほど!それで「律」になったんですね。

律する人の「律人」になりました。

なるほど。本旨とは少しそれるのですが気になって聞いてしまいました、すいません(笑)。

さて、今日は、なぜこういうキャリアを歩むようになったのか、今どのように作家活動と弁護士としての活動を両立されているのか、というところ等を聞いていければなと思いますので、よろしくお願いします。

「弁護士×作家」という、異色のキャリアの歩み

まずは先生のキャリアについて伺っていければと思うのですが、そもそも弁護士と作家、正直全然違うものだと思うんですけれども、まずどちらを目指そうと思われたんですか?

そうですね、もともと子供の頃から小説を読むのがすごく好きで、作家に対する漠然とした憧れみたいなものがありました。中学生ぐらいの頃に小説を書いてみたいなという思いがあり、書き始めてみたんですけれども、なかなか最後まで書き切ることができなくて、自分が何を書きたいのかよくわかっていませんでした。

作家に対する憧れしかなかったので、ちょっと挫折みたいなことをしてしまい、しばらくは勉強を頑張ってみようかなと、その時ふと思ったので、法学部に進学して、そこから法律にのめり込んでいきました。ですので、最初は作家になりたい、というのがスタートでした。

中学生ぐらいの時に、実際に書いていたんですか?

そうですね、当時はパソコンとかもリビングにしかなかったので、原稿用紙に書いてみたりとか、リビングで親に隠れて、必死に書いてみたりとかしてたんですけど。

もともと憧れがあったけれど、一回挫折のような経験があり、そこから高校生以降は勉強を頑張って法律の方に、という感じだったんですね。

そうですね、法律自体にすごく興味があって法学部に行ったという訳ではなくて、文系の中でどこか行ってみたいなと思った時に、漠然と法学部ってかっこいいなと思い法学部に進学しました。

法学部で実際に法律を学んでみると、自分の中ではすごく腑に落ちるというか、法律という一つの軸となるものがあることで、いろいろ考え方が変わってきたところがありました。もっと学びたいという思いが先行して、法律がすごく好きで学んでいき、せっかくだからロースクールにも行きたいなと思いました。

ロースクールに行ったら、これくらい勉強したんだから、やはり一つのゴールとして司法試験も受けてみたいなと思って、司法試験まで受験しました。

そういう感じなんですね。当時すごく弁護士になりたかったとか、例えば、検事になりたかったとか、そういうものがあったというよりは、興味の延長線上でロースクールになって、せっかくだから司法試験も、というような感じだったんでしょうか。

法律のこういう仕事に就きたい、という確固たる信念みたいなのがなくて、法律が好きというところが原動力になっていました。

司法試験合格後、修習には行かず、裁判所書記官・事務官として働きつつ作家活動を開始

司法試験を受けて、見事合格をされたわけなんですけれども、その後すぐに修習に行ったわけではないんですよね。

そうですね。一般的には当然法律家になりたくて司法試験を受ける方が大多数なので、すぐに司法修習に行く方がほぼほぼ全員だと思うんですけれども、司法修習には、司法試験にさえ合格していればいつ参加していいという制度があります。

先ほども申し上げた通り、最初のきっかけが「法律が好き」というところでしたので、いわゆる法曹三者(弁護士、検察官、裁判官)のどれかになりたい、という強い憧れみたいなものがありませんでした。

司法試験に合格したタイミングで、もう一回人生を見つめ直して、何がしたいのかを考えました。このままなるとしたら多分弁護士かな、弁護士もやりがいがある仕事だと分かっていたので、きっと弁護士になったらずっと弁護士を続けていくんだろうな、と思いました。そう考えた時、最後にもう一回ぐらい挑戦してみたいな、という思いもあり、その時に昔小説を書いたことを思い出しました。

当時は書きたいものが見つからず挫折してしまったんですけれど、その後、法学部で法律を学んでみて、法律の面白さを知りました。

一般的に、法律や裁判は「縁遠い」「関わりたくない」といったマイナスのイメージが先行しているなと思った中で、「実際は面白いんだよ」ということを伝える手段がないのかな、と思いました。

そこで、法律とエンターテイメントを掛け合わせることができたら、自分にしか書けないものが見つかるのではないか、もう一度だけ作家に挑戦してみたいな、と思い、司法修習に行かずに小説を書いてみる事にしました。

なるほど、当時できなかったことをもう一回、今書きたいものが見えてきたからやってみよう、という感じだったんですね。親御さんは反対されなかったですか?(笑)

割と自主性を重んじてくれて。

素敵な親御様ですね。

でもちょっと悲しそうな顔をしていました。(笑)

まさかですよね。一般的には司法試験に合格したら、修習に行って、法曹三者のどれに進むのか、みたいな方が、もう多分99%とかですよね。

当時69期の代は割と就職氷河期というか、司法修習も貸与制だったので、そのまま弁護士になってやっていけるのかな、と少し不安もあって。

そういうのも理由の一端ではあったんですかね。

そこから、もう一回作家を目指そうとなって、作家活動だけをされていたんですか?それとも、何かと並行してやっていらっしゃったんですか?

作家になるためにはだいたい新人賞に応募する必要があるんですけれども、新人賞ってだいたい200とか400とか応募作があって、その中で受賞者が1人ぐらいしか出ないような世界なんです。

当然デビューするまでは一円もお金がもらえない世界なので、当時24~25歳で、このままだとちょっとまずいなという思いはありました。ただ弁護士は多忙というイメージが先行していたので、書く時間ないんだろうな、どうにかならないかな、と思っていました。

そこで、当時、司法試験の後に公務員試験を受けることができたので、裁判所職員の採用試験を受験しました。公務員は漠然とホワイトなイメージがあったので、働きながら空いた時間に書いて、応募することもできるのではないかと思い、それから約3年間ほど仙台の裁判所で裁判所事務官と裁判所書記官として働きました。

なるほど、実際ホワイトだったんですか?

はい。だいたい定時の17時位に帰ることもできました。

あと、もともとリーガルミステリーを書きたいなと思っていたので、裁判所ならたくさん裁判を傍聴することもできますし、書記官だったら、いわゆる木の柵の内側に入って、普段見ることができない被告人の表情などを見る事も出来ました。

なるほど、そういう経験も繋がってたりするんですかね。

はい、そうです。

それで3年ほど、裁判所にお勤めになりながら作家活動を?

事務官を1年間、書記官を1年間、あとは研修などで1年くらいですね。

新人賞を受賞後、弁護士を目指す

そうして、2019年4月に新人賞を受賞されたんですね。受賞して「ついに作家デビューだ」となって、そこから作家だけでやっていこうとはならなかったんですか?

当然、それも考えたんですけれども、ちょっと安定思考なところもあったので、本当に作家だけでやっていけるのかなっていうところもありました。

あと、弁護士もやはりかっこいいなと思っていました。

裁判所で実際に働いてみて、裁判官の働き方の他にも、法廷に来る弁護士の姿を見ることができました。そこでは、法学部で学んでいた、いわゆる座学の法律とは違って、依頼者のために動いている弁護士の姿を見ることができました。

裁判所は公平・中立でないといけないので、原告にも被告にも肩入れしてはいけないところがありますが、どちらかの依頼者ファーストで動く弁護士の仕事を傍から見ていて、すごくかっこいいなと。

せっかくなら、弁護士にも作家にも同じタイミングでなれたら、それは自分にとってもやりがいがあるんじゃないかなと思い、司法修習に行こうと決意しました。

なるほど。そこから司法修習に行かれたのですね。修習期で言うと、73期になるという事ですね。

ベリーベスト法律事務所に入所を決めた理由

修習と並行して、就職活動、法律事務所に受けに行く形になると思うんですけれど、どういった経緯・理由でベリーベストさんに入られることになったんですか?

新人賞を4月に受賞したので、いわゆる73期が通常行く司法試験より前の段階で、自分は就職活動をすることができました。

作家の方も活動を続けていきたいという思いもあったので、就職活動の時にも隠さず「作家活動もしていて、両方続けたいと思っているんですけれども」という形で話を進めていこうと思っていました。

変わった経歴である事は自覚していたので、受け入れてくれるところがあるのかな、という不安はありました。

そんな中、ベリーベストに出会いました。その時、ベリーベストに弁護士YouTuberとしても活動している久保田先生がいらっしゃって、ベリーベストについて語っている動画を見たんですけれども、多様性を認めている事務所なのかなと思い、事務所の説明会に行ってみる事にしました。

そこからなんですね。まずは知っていて、良さそうかなと思い、説明会に行って、実際に聞いてみて、やはりいいなと思われたんですか?

そうですね。最初は説明会だったんですけれども、代表と少し話す機会があって、「作家としても頑張りたいなと思っているんですけど」という話をしたら、代表から「作家という肩書きがあるからこそ、できる弁護士活動もあるんじゃないか」という、すごく前向きな事を言ってもらえて。「作家の方の活動も頑張っていいよ」と、最初の段階で言ってもらえたので。

そうなんですね。

就職活動の中で、受け入れてもらえるか、という不安はあったんですか?

ありましたね。やはり作家の活動では、自分で見聞きしたことを小説として書く場合もあります。守秘義務があるので、書かないことは当然なんですけれど、もしかしたら依頼者の方が不安になってしまうのではないか、等、そういうことは自分でも思っていたのですが、そこで前向きに言ってもらえたので、他の事務所も見たりはしたんですけれども、やはりベリーベストが一番、すごく前向きで多様性があるなと思い、働きたいなと思って「是非」と言いました。

確かに、それはすごく安心感があるし、いいなと思うポイントになりそうですね。

参考:弁護士の転職・求人の市場、中途採用の動向を専門エージェントが解説

弁護士と作家の両立

弁護士と作家という異色のキャリアですが、どういう割合で仕事をされていらっしゃるんですか?単純には表現できないかもしれないですが。

いわゆる二足の草鞋で生活はしているんですけれども、弁護士業は突発的に仕事が入ったりもするような仕事なので、必ずしも何対何とは言えませんが、事務所には週2~3日ぐらい行っています。その中で当然、依頼者の方からご相談をいただいた時には、依頼者ファーストなので、その時には多めに事務所に行くこともあります。弁護士の仕事が空いた時間を、全て作家業に充てているというところですね。

執筆の活動は割と自分でコントロールできるというか、空いた時間でできるから、そういう分配の仕方をされているということなんですか?

そうですね。作家の方は締め切りが半年後、1年後といった長期的な仕事なので、自分で調節ができるところもあります。

長いですね。半年とかなんですか?

そうですね。出版するまでに、いわゆる初稿を3〜4ヶ月で書き上げて、そこから改稿と言って書き直していく、みたいな作業がたくさん入ってきます。

そういう事をやりながら、案件も担当していらっしゃるんですね。

ベリーベスト法律事務所での主な担当案件

弁護士としてのお話を聞いていければと思うのですが、ベリーベスト法律事務所に入所されてから、どういった案件に携わっていらっしゃるんですか?

最初の方は、自分がどういうことに興味があるか、あまりはっきりしたものはなかったので、先輩の弁護士の相談に同席させていただきました。

その時には、離婚事件・労働事件といった、いわゆる一般的な民事事件をたくさん見せていただき、その中でだんだん自分の興味のあるものが見えてきました。

ベリーベストはすごく大きな事務所なので、いろんな事件の依頼が来るんですね。その中で、当時はインターネットの誹謗中傷に少し興味があったので、そういう事件の担当を希望していました。

そういう希望を言っておくと、割とアサインされるものなんですか?

そうですね。そのような事件があったらアサインするよ、と言っていただいて、そこで実際にそういうご相談が来たら、「五十嵐、これ興味あるって言っていたから担当してみる?」みたいな感じでアサインしてもらったり。

結構、自由度は高いんですかね。

そう思います。

「定型案件が多い」というイメージの真偽

私のイメージですが、ベリーベストさんは法律事務所の中でも非常にシステマチックで、経営効率化されている、というイメージがあるので、案件も割と定型のものが多いのかな、というイメージがあったりするのですが、そのあたりはいかがですか?

定型的な事件は、需要がたくさんあるということだと思うので、そういう事件は当然多いですが、最近うちの事務所もいろいろと新しい分野に挑戦しています。

例えば、医療過誤訴訟、学校問題、消費者保護の問題などがありますが、そういった事件の特設ページを作って集客もしています。

母数でみたら一般民事事件が多かったりするのですが(あと、B型肝炎や過払い訴訟などもあるのですが)、その中でも、小規模な事務所だったらなかなか手が回らないような、専門性が高いところもご相談をお受けしているので、自分がそこに取り組みたいです、と積極的に意思表示をすれば関われるような事務所なのかなと思います。

決まったルーティーンだけではなくて、そういった案件に携わる機会もあるんですね。

そうですね。そこは自分も入所してみて、少しびっくりしたところでもありました。

五十嵐先生も、そういったイメージを少し持っていたんですか?

やはりイメージはありましたよね。

そうですよね。結構意外だったなという、プラスの方の驚きみたいな感じですね。

そうですね。

そういうものがあった方が、総合力というか、弁護士としての力みたいなものが非常につきそうですよね。

そう思います。うちの事務所はスペシャリストというよりは、ジェネラリスト、いろいろな事件を担当できる人材を求めているところでもあったりするので、そういうところがあると思います。

「弁護士×作家」で、相互にプラス作用が働く事は?

五十嵐先生にだからこそ聞きたかったのですが、弁護士をやっていたから作家活動にプラスになった、作家活動をやっていたから弁護士の今の仕事にすごく活きている、といった事はあるものなんですか?

作家業に関しては、自分がリーガルミステリーを書いているところもあり、法律的な問題は根幹に社会制度や時代の流れなどが反映されているところではあったりしていて、それを生で感じることができるのは、弁護士がやっているからこそなのかなと思っています。

先ほど申し上げたような、インターネットの誹謗中傷などは、20年前は多分想定もされていなかったような、ツイッターの誹謗中傷とか。

ツイッターないですもんね。

そうですね。多分なかったと(笑)。なかなか法律が追いついていけないところを、弁護士が知恵を働かせて、どうすればできるのかなみたいなことを考えながら働いているところではあったりします。

自分で実際経験してみると、被害者側と関わることがあるし、逆に加害者側の意見を聞くこともあるので、いわゆる双方向的な知見が深まって、小説に落とし込んでみようかなと思うこともあります。

そういう活き方というか、プラスになってくるみたいなことがあるんですね。逆パターンはどうですか?

弁護士業に関しては、一つは、弁護士は法的なスペシャリストではあると思うんですけど、一般の方々を相手にする仕事ではあるので、専門用語を専門用語のまま伝えると、一般の方には理解が追いつかないところがあるんですよね。

わからないですよね。

用語が独特なので、いわゆる善意と悪意とかそういうところもあるので、実際小説を書いていると、編集者と一対一で話す時に「これだと伝わりませんよ」って言われたりとかはあるんですね。どう噛み砕いたら伝わるのかな、と考えたりするので、そこは抽象的に役に立つのかなと思います。

もう少し具体的な話をすると、自分は弁護士業の中で、いわゆる法律監修も行っています。ドラマや漫画などで法律的なことを書きたいと思った時に、これは正しいのかと制作者サイドが疑問に思った時に専門家が携わることがあるのですが、そういう仕事って、法律の知識だけではなくて、クリエイター側の視点も大事だったりだったりします。

「こういった表現をしたくて、法律的には間違ってるって言われたけど、でもどうしても書きたい」、みたいな希望があった時に、じゃあこういう書き方が伝わるんじゃないですか、みたいなことを提案できたりするのは、いわゆる作家業をやっていたからなのかなと思います。

それはなかなか唯一無二な存在ですね。

そうでありたいですね。

ベリーベスト法律事務所 入所前後のギャップ・驚いたこと

実際ベリーベストさんに入所してみて、良い方向でも悪い方向でもギャップに感じたこと・驚いたことはありますか?

一番良い意味でギャップを感じたのは、やはりシステム化という所なのかなと思います。

うちの事務所は弁護士で380人超えるくらいで、スタッフを合わせたら1,000人弱います。どのようにノウハウを共有したりだとか、実際事件が起きたときの利益相反についてなどが追い切れなくなるのではないかなと思っていたのですが、その辺りはうちの事務所も内製化していて、そういうシステムが出来上がっていて、名前を入力して利益相反案件がないか検索できるようになっています。

あとは、弁護士として事件を処理していて、ちょっと行き詰まったなと思ったときに、「過去に似たような事件がないのかな」と思うことが多いと思うんですけど、普通の事務所だと判例検索とかしか出来ないのかなと思います。それだとやはり最後の結論の判例しか出てこないので、途中の準備書類をどういう風に書いていたのかなとか。

そういうのもわかるんですか?

そういうのもシステム内でキーワード検索みたいな感じで探すと、こういう事案がヒットした場合には出てくる。実際にそれを担当した弁護士に連絡を取って、詳しく教えてくれませんか、というと、話せる範囲で教えてくれるところがあるので、そういうところで大規模事務所だからこそ、ナレッジとかそういうノウハウを共有できているのかなとは驚きました。

それはすごい強みですね。そういった知見を全体で集合知にしていけるというのはすごいことですよね。そんなシステム、普通はないと思うのですが、内製化されてるということなんですか?

そうですね。私もベリーベストしか所属したことがないので、他の事務所のことはわからないんですけれども、うちの事務所はそのシステムの制作自体に知見があります。他の事務所とは、その辺が違うのかなと思います。

それ以外に、事務所の特色や強みなど、そういうふうに思われる部分はありますか?

あとは、やはりウェブマーケティングですかね。うちの事務所だと、事務所内にウェブマーケティングの専門部隊がいるので、その中でSEO対策とか、どういうふうにして集客するのか、というところを頑張っています。

ウェブマーケティングは是非があるところかなと思うんですけれども、依頼者視点に立った時に、弁護士の知り合いがいる相談者様ってあまりいらっしゃらないと思うので、困っているキーワードで検索して、上位にヒットするこういう事務所にまずは話を聞いてみようかな、と思ったりすると思うんですよね。

そういうところで、ウェブマーケティングが強い事務所だと、働いている弁護士としては困っている相談者の方とのファーストコンタクトの機会が増えてくると思うので、そういうところはすごく強みではないかなと思います。

そうですよね。今でこそ取り組む事務所さんが増えてきた印象はあるんですけれども、割とその先駆けという気がしますよね。

あと専門のチームがいるというのは、ウェブマーケティングだけではなくて、例えば管理部門、バックオフィスも整っていたりとか、企業っぽいですよね。経営効率が非常にされているなという印象があって、それは凄い特色な気がしますね。

ベリーベスト法律事務所の多様性と受容力

ベリーベストさんは、人数も非常に多いじゃないですか。対応している案件も非常に多いからなんですが、いろいろな弁護士の先生がいらっしゃるなと思います。五十嵐先生もそうですし、弁護士YouTuberの久保田先生がいらっしゃったりとか、多様な方がいらっしゃるという印象があるのですが、その辺りは結構意図的なんでしょうか。

そうですね。ウチの事務所だと、いわゆるヤメ検(元検察官)の方が事務所に何人も所属していたりだとか、あとは元裁判官もいます。当然そういう刑事弁護を担当する上でも、あとは事件を担当する上でも、そういう多方面の知見のある方というのはすごく強みではあると思います。そういう方が入ってくると、事務所としても活性化するので、そういう人材は求めているのではないかなと思います。

そうですよね。事務所として多くの方々にリーガルサービスを届けていくという点で言うと、多様な方々がいるというのは強みになるのかもしれないですよね。

例えば相談者が困ったことがあったときに、事務所に電話をかけても、「うちの事務所ではその案件は扱っていないので」というパターンがよくあるのかなと思うんですけど、ベリーベストだと、いわゆるコンフリとか利益相反もありますけど、そういうものを除くと、案件としてうちの事務所では取り扱えないです、となるパターンはほぼないのかなと。

そうですよね。受け手の幅が広いというか、受容力があるというか、そういう側面はあるのかなという気がしますよね。

先程、五十嵐先生が説明会で代表とお話しされたときに、すぐに「作家もやりながら頑張りなよ」みたいな話になったという事をお伺いしましたが、受容力みたいなところで言うと、トップがそうだからというのもあるんでしょうね。

そうですね。そう思います。

五十嵐先生の思う弁護士のやりがい

五十嵐先生の思う、弁護士のやりがいについて教えていただけますか。

自分は作家としての活動もしていて、作家は、不特定多数の人に法律の面白さを伝えられる事にすごくやりがいを感じるんですけれども、一方で、実際に今自分の大切な人が亡くなってしまったとか、離婚の問題を抱えてるみたいなときに、当然僕の本を読んでもそういったところの解決策にはならないのかなと。

弁護士は、不特定多数は少し難しいんですけれども、特定の少数の困っている依頼者に対して寄り添うことができる仕事だと思っていて、そういう仕事ってなかなか他にはないのかなと思っています。

そういうふうに、実際困っている人に手を差し伸べて、その手助けができる、寄り添うことができる、というのは、やはり弁護士の一番のやりがいかなと思います。

「弁護士×〇〇」というキャリアについて

「弁護士×〇〇」というキャリアについてですが、そういう方々は今後増えてくると思われますか?

「弁護士×作家」「弁護士×Youtuber」などは、なかなか変わり種だなと思っているのですけれども(笑)、他にも民間企業を経験してる人とか、いわゆるインハウスロイヤーというのは、なかなか昔は考えられなかった世界なのかなと思いますが、弁護士の数が増えてきて、かつ市場がどこまで大きくなるのかがわからない世界だと思うんですけれども、その中でいわゆる掛け合わせをすることによって、自分の専門性を高めることができるというのは、法律一本で勝負するよりも、自分の価値というか、その辺を伸ばすことができる余地だと思っています。

なので、逆に今までそういう掛け合わせがなかったところを、自分が切り開いていく、という人はもしかしたら増えてくるんじゃないかなと思います。

ベリーベスト法律事務所に合う人・合わらない人

ベリーベストさんでは積極的に採用をされていらっしゃると思うんですけれども、五十嵐先生から見て、どういう方がベリーベストさんにマッチすると思われますか?

ベリーベストは、事務所が設立してからそれほど時間が経っていない中で、伸びている事務所なのかなと思いますし、きっとこれからも伸ばしていかないといけない事務所なんだろうなと思っています。

そういう点では、新しいことに挑戦したいと思っている人や、バリバリ働いていろんな事件を担当したいと思っている人、あとはいずれ独立したいと思っている人などは短期間でたくさんの事件を経験した方が独立した後もそれが生きると思いますので、向上心がある方、いろんなことに挑戦したいな思っている方は、間違いないくマッチするんだろうなと思います。

すごく保守的というよりは、挑戦心とか前向きなというか、そういう方の方が合いそうだなという感じなんですかね。

当然、スペシャリストの弁護士というのも、かなり需要があるとは思うんですけれども、うちの事務所はやはり津々浦々の困っている方に手助けをするという事務所ではあるので、ジェネラリストとして、いろんなことに挑戦できる弁護士が求められているのかなと思います。

これは裏返しになるかもしれませんが、逆にこういう方は合わないかも、違うかも、という点はありますか。

企業法務だけをやりたいだとか、こだわりがある方だと、もしかしたら合わなかったりするのかなと思います。

あと、弁護士はいわゆる士業、先生といわれるような仕事ですけれども、うちの事務所はサービス業であるということを考えている事務所ではあるので、対依頼者との関係で、やはり上から目線で話すのは良くないと。

そういう方はちょっと違うかなと。

そうかなと思いますね。

参考:弁護士の年収はいくら?キャリア別・分野別の相場と年収アップの秘訣

五十嵐先生のキャリアビジョン

五十嵐先生のこれからの展望、弁護士としてのキャリアビジョン等について教えていただけますか?

私の場合は、弁護士としても作家としても2020年から活動しているので、まだ3年弱しか経っていないんですね(インタビュー当時)。なので、あまり大それたことは言えないんですけれども、まずはやはり、作家としても弁護士としても活動を続けていきたいなというところはあります。

3年やっていく中で、弁護士・作家だからこそできること、法律監修もそうですし、あとは作家の中でもそういうところが見えてきたところではあるので、現時点では、やはりどちらの仕事もやりがいを感じているところではあるので、この仕事はどちらも続けていきたいなというのはまずありますね。

あとは多分、作家として「法律にあまり詳しくない方々に対して、法律の面白さを伝える」というのと、弁護士として「法律に詳しくない方に対して、解決策を提示する」という時に求められる点には通ずるものがあると思っているので、一般の方々に寄り添える弁護士になりたいなと思っています。

弁護士を目指している方・現役弁護士の方へのメッセージ

最後に、これから弁護士を目指している方や、弁護士として仕事をされていらっしゃる方に向けてメッセージをお願いします。

弁護士は、法律に関係するような仕事だったら何でもできる仕事だと思っているんですけれども、どの事務所に所属するかによって、枠というのができてしまうところかなと思っています。

既に弁護士をされている方に関しては、どういった事務所を探せばいいのかということは、やはり最初から最後まで大事にした方がいいのかなと思います。

弁護士を目指している法学部生のような方に関しては、自分がそうだったんですけれども、司法試験をゴールみたいに思ってしまうところはあると思っているので、実際に司法試験に合格した後にどういう弁護士になりたいのか、というのを大事にした方がいいのかなと思います。それが事務所探し等に繋がってくるとも思います。

なるほど。ありがとうございます。確かに司法試験=ゴールになるというか、かつ受かったら法曹三者になるのが当たり前みたいなところはあると思うんですが、五十嵐先生のお話を聞いていて、そこで立ち止まって本当に自分はどうしたいんだろう、というのを考えたから五十嵐先生の今のキャリアになっているんだろうな、という事を非常に思いました。

キャリアは決まりきったものではなくて、本当に自分自身で切り開いたり、作っていくものだと思っているので、人生の岐路で立ち止まってしっかり考える、というのは非常に大事なのかもしれないですね。

そう思います。

エンディング

今回のお話で、ベリーベストさんに興味を持った、五十嵐先生に直接話を聞いてみたい、という方がいらっしゃいましたら、ぜひアガルートキャリアにご相談いただければと思います。

五十嵐先生、今日は本当にありがとうございました。

ありがとうございました。

本記事の内容は動画でもご視聴いただけます
動画:作家兼弁護士のキャリア構築術

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ぜひ一度ご覧いただき、転職活動を進めるうえでの情報源としてお役立てください。

この記事の監修者

2016年創業期の株式会社ファンオブライフに参画し、人材紹介サービス立ち上げ・拡大に従事。現在はリーガル専門のエグゼクティブコンサルタントとして、弁護士・法務パーソンのキャリア支援を行う。国内外の法律事務所や、メーカー・商社・金融・IT業界等の企業法務部とのネットワークが強み。​

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