司法試験の受験資格を得るための方法として、これまで「予備試験ルート」や「法科大学院ルート」がありましたが、近年より短い期間で司法試験受験資格を得ることができる新たな仕組みとして、大学に「法曹コース」という制度ができました。

ですが、新しい制度ということもあり、法曹コースの内容や制度の仕組みについては、あまり知られておらず、詳細が気になっている方も多いと思います。

そこで、このコラムでは法曹コースについて制度の仕組みや内容などについて詳しくご紹介したいと思います。

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法曹コースとは?

法曹コースとは、大学入学から5年で法科大学院を卒業できる制度をいいます。
大学の学部を3年で早期卒業し、その法科大学院へ入学し、司法試験受験資格を得ることができる仕組みとなっています。

従来の法科大学院ルートでは、大学で4年間、法科大学院で2年又は3年間の学習をしなければ司法試験受験資格を得ることができなかったですが、この法曹ルートが新設されたことによって、(在学中の予備試験ルートを除いて)より短期間で司法試験受験資格を得ることができる制度設計になりました。

最短で大学入学後5年目(法科大学院2年時)で7月の司法試験を受験することが可能で、当該年に合格をすることができれば、翌年には司法修習に参加することができます。

法曹コースに入るには、まず法曹コースが設置されている大学に進学する必要があります。
その上で、法曹コースを選択することが必要です。
多くの場合は大学の学部2年次に法曹コースを選択することになるケースが多い印象です。

なお、2023年度から、一定の要件を満たすことで「法科大学院在学中の最終学年時に司法試験を受験することができる」制度がすでに始まっており、より早期での司法試験合格を目指すことができるようになりました。

法曹コースのメリットは?

法曹コースのメリットについて詳しくご紹介します。

早期卒業で時間短縮できる

法曹コースの最大のメリットは、何といっても早期操業をすることで時間の短縮をすることができることです。
従来は、大学4年間、法科大学院2年又は3年間という長い時間をかけなければ、そもそも司法試験受験資格すら得ることが出来ない制度でした。 

ですが、この法曹コースを活用することで、最短で大学入学後5年目で司法試験受験資格を得ることができます(その年に合格することができれば、法曹資格を得るまでに約6年半で足りる計算になります)。

費用が節約できる

早期操業をすることができることにより、費用も大幅に節約することができます。
1年間に要する学費などは決して安くありません。
大学1年分の学費はそれなりに大きな金額となります。

時間だけでなく、費用面でも節約することができるという大きなメリットがあるでしょう。

試験科目が少ない

法曹コースでは大学から法科大学院へ進学する際の試験科目が限定されます(法曹コースの学生は特別選抜枠(法科大学院の定員の最大2分の1)で法科大学院入試を受けることができます)。
そのため、より有利に法科大学院に進学することができます。

早くから高度な内容を学習できる

法曹コースを選択することで、早い段階からより高度な学習内容に触れることができます。
司法試験合格を見据えた学習を先行して行うことができるため、より充実した学習を受けることができるのもメリットの1つです。

法曹コースのデメリットは?

法曹コースのデメリットについてご紹介します。

短期集中型のため、多忙になる

法曹コースの場合、短期間で司法試験受験・合格に向かって学習が進んでいくため、非常にタイトです。
特に、この制度は短期集中型の制度になりますので、日々の勉強量などが通常ルートと比較しても多くなる傾向にあるため、多忙な日々を過ごすことになります。

司法試験対策が不十分になる可能性がある

大学入学後、学部の試験や法科大学院試験などの学習がメインになる傾向があり、また時間が非常に限られます。
司法試験対策をする十分な時間的余裕がなく、司法試験対策の勉強が不十分になる可能性もあります。

新しい制度のため、効果については確実でない

新しい制度特有の問題点として、まだ実績が少ないため、どこまで効果があるのかが不確実です。
そのため、制度としての情報や不透明さがあることは事実です。

実際のところ、法曹コースで法科大学院に入学できたとしても、最終的に司法試験に合格しなければ、法曹にはなれません。
どこまで合格率を伸ばすことができるのか、最終的に司法試験に受験するまでどの程度の時間と労力を要することになるのか、いまだ具体的な情報が少ないという側面はあります。

法曹コースと予備試験はどっちがいい?

どちらもメリット・デメリットがあるため、一概には言えません。

そこで、大学の勉強を重視したい人には「法曹コース」、自分で学習を進めたい人には「予備試験ルート」がおすすめです。

大学の勉強を重視したい人には「法曹コース」がおすすめ

大学の勉強を主軸としつつ、なるべく早く法曹になりたいという方には法曹コースの方がおすすめです。
大学の勉強をしっかりと行うことで、法曹としての法的知識を盤石なものとして身に付けることができます。早期から専門的な法律知識を習得し、効率的に司法試験対策を進めることができる他、法科大学院入試の負担も軽減されるため、安心して学習に集中できます。

自分で学習を進めたい人には「予備試験ルート」がおすすめ

最短で合格できる方法としては、予備試験ルートが最も近道と言えます。
そのため、ご自身で勉強できる自信があるなら、予備試験ルートがおすすめです。

予備試験ルートの場合、学費も抑えられ、努力次第で学習期間も短縮できるというメリットがあります。

法曹コースから、法科大学院への進学方法

法曹コースから法科大学院への進学方法について、具体的にご紹介します。

法曹コースから法科大学院へ進学する方法には、大きく分けて以下2つのルートがあります。

①大学が提携している法科大学院(多くの場合は大学と同一の法科大学院)にそのまま進学するルート(5年一貫型教育選抜)
②在学している大学とは異なる(提携していない)法科大学院に進学するルート(開放型選抜)
それぞれについて、詳しく解説します。

特別選抜「5年一貫型教育選抜」

5年一貫型教育選抜とは、大学が提携している法科大学院へそのまま進学する人に向けた、法科大学院入試枠です。
特徴として、協定先の法曹コースと教育課程の連続性が重視されているため、法曹コースの成績や面接など、法科大学院が適当であると認めるに足りる資料によって選抜されます。

そのため、法科大学院に入学するための法律科目の論文試験は課されないことが多いですが、その分、法曹ルートでの大学在学時の成績が非常によいことが求められます。
大学在学当初から、成績上位をキープしなけばいけません。

特別選抜「開放型選抜」

開放型選抜とは、ご自身の大学と協定を結んでいている法科大学院とは異なる別の法科大学院へ進学するルートでの法科大学院入試を指します。

この場合、5年一貫型教育選抜とは異なり、法科大学院にて法律科目の試験が課されることが多いです。
もちろん、法曹コース在学時の学部成績も重視されることから、大学入学当初から積極的に、意識的に学習をし、成績上位を確保することが求められます。

一般選抜

通常通り、法曹コースに関係ない枠で、法科大学入試を受験することによっても法科大学院へ進学することができます。

法曹コース設置大学一覧!法曹コースがある大学は?

法曹コース設置大学の一覧と提携している法科大学院は、以下の通りです。

大学

法科大学院

一橋大学法学部法曹コース

一橋大学大学院法学研究科法務専攻

慶應義塾大学法学部法律学科法曹コース

慶應義塾大学大学院法務研究科法曹養成専攻

学習院大学法学部法学科法曹コース

慶應義塾大学大学院法務研究科法曹養成専攻

学習院大学法学部法学科法曹コース

中央大学大学院法務研究科法務専攻

上智大学法学部法曹コース

上智大学大学院法学研究科法曹養成専攻

千葉大学法政経学部法政経学科法学コース法曹コース・プログラム

千葉大学大学院専門法務研究科

創価大学法学部法律学科グローバル・ロイヤーズ・プログラム

創価大学大学院法務研究科法務専攻

早稲田大学法学部法曹コース

早稲田大学大学院法務研究科法務専攻

中央大学法学部法律学科法曹コースにおける一貫教育プログラム

中央大学大学院法務研究科法務専攻

東京大学法学部法科大学院進学プログラム

東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻

東京都立大学法学部法学科法律学コース法曹養成プログラム

東京都立大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻

日本大学法学部法律学科法曹コース

日本大学大学院法務研究科法務専攻

日本大学法学部法職課程法曹コース履修プログラム

 

法政大学法学部法律学科法曹コース

法政大学大学院法務研究科法務専攻

明治学院大学法学部法律学科法曹コース

 

慶應義塾大学大学院法務研究科法曹養成専攻

千葉大学大学院専門法務研究科

早稲田大学大学院法務研究科法務専攻

中央大学大学院法務研究科法務専攻

東京都立大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻

明治大学法学部法律学科法曹コース

慶應義塾大学大学院法務研究科法曹養成専攻

明治大学法学部法律学科法曹コースにおける一貫教育プログラム

 

中央大学大学院法務研究科法務専攻

明治大学専門職大学院法務研究科法務専攻

明治大学専門職大学院法務研究科法務専攻

立教大学法学部法学科法曹コース

 

慶應義塾大学大学院法務研究科法曹養成専攻

早稲田大学大学院法務研究科法務専攻

中央大学大学院法務研究科法務専攻

専修大学法学部法律学科法曹コース

専修大学専門職大学院法務研究科法務専攻

法曹コースの選び方は?

ここでは、法曹コースの選び方について、具体的にご紹介します。
法曹コースの制度それ自体を理解したとしても、実際、どの大学での法曹コースを選んだほうがよいのか、その判断指針についてご紹介します。

提携された法科大学院の司法試験合格率

最終的に目指すのは司法試験ですから、大学選びの段階で、提携された法科大学院の司法試験合格率を確認することがおすすめです。

毎年、法科大学院別で司法試験受験者の合格率や合格者数が法務省にて公表されています。
公表されている情報をもとに、検討している法科大学院がどの程度の司法試験合格率を維持しているのかは、法曹コースを選択するうえでどの大学を選ぶかの大きな指標になります。

なお、公表されている情報には、法科大学院ごとの合格者数も掲載されています。
合格者数が多いとしても、合格率が全体でみるとそこまで高くはない、ということもあります。

これは良し悪し判断するのが難しいところですが、少人数がよいのか、大人数がよいのか、何よりも合格率を重視するのか等、どの点を重視しているのかによって着目すべきところが異なるといえます(とはいえ、いずれにせよ、合格率は非常に重視すべき着目点であることには変わりありません)。

早期卒業の要件

早期卒業の要件が厳しいと法科大学院に進学できないということになってしまうため、卒業の要件は厳しくないか?確認することをおすすめします。
卒業できないと、法曹コースにおける「時間短縮」という最大のメリットを享受できなくなるため、注意が必要です。

カリキュラム

大学によって、カリキュラムが違うため、自分に合っているか確認する必要があります。

カリキュラムの内容は大学のHPなどで確認することができます。

法曹コースに関するよくある質問

ここでは、法曹コースについてよくある質問をまとめ、その質問に対する解答をご紹介します。

法曹コースはきついって本当?

法曹コースは、その制度の仕組み上、通常よりも短期間で学習するため、必修授業が倍増したり、多忙になりがちです。

また、単位を落とした時に、法科大学院を受けられない、履修をロー入試の直前やその後まで引き延ばすことになってしまうという例もあり、法曹コースに入ったからといって、必ずしも早期卒業できるわけではないという点が「きつい」と言われる理由の一つになっています。

いずれにせよ、法曹コースは限られた時間内で法曹になる資質となるべき学習を行うため、多忙になります。

法曹コースはいつから開始される?

 2020年4月より、「法曹コース」の運用が開始され、すでに募集が開始されています。
ですので、すでに制度として動き始めているコースになります。

人気の法曹コースは?

志望する方がどの点について重要視しているのか、によってどの法曹コースを選ぶべきかが異なるため一様に人気の法曹コースを絞ることは難しいところです。

そのうえで、選択肢が多いという点では、中央大学が人気があります。
中央大学では、裁判と法コース・行政・公共政策と法コース・企業経営と法(商法中心)コース・企業経営と法(労働法中心)コース・国際社会と法コース・文化・社会と法コースといった6つのコースを設置しており、ご自身の興味関心に応じてコースを選ぶことができます。

法曹コースの合格率は?

法曹コースの合格率は、2023年度の司法試験では65.24%でした。

法曹コースから他大学院に行くことは可能?

可能です。特別選抜「開放型選抜」、「一般選抜」を受けると、提携していない法科大学院でも受験が可能です。

法曹コースに進み、法曹資格を取得しなかった場合の就職先は?

法曹資格を取得しなかった場合の就職先には公務員、民間企業の法務部、法学の研究者の道などがあります。

まとめ

法曹コースはまだ新設されて間もない制度です。
ですが、より短時間で、より費用を抑えたうえで、法曹を目指すことができる制度です。
法曹に興味関心があり、大学入学時からより質の高い学習を早い段階から取り組みたいという目的意識を強く持っている方にとっては最適のコースであるといえます。

ぜひ、この法曹コースを利用し、法曹への道を切り開いて頂ければと思います。

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