30代の弁護士の転職支援実績・事例解説
更新日:2026年10月6日
30代の弁護士の転職には、事務所の移籍、インハウスローヤーへの転身、異業界への転職など、複数の選択肢があります。
これまでの専門性をどう活かすか、年収や働き方をどう考えるかで迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、弁護士専門の転職エージェント「アガルートキャリア」の30代の転職支援実績を、転職の方向性ごとに紹介します。後半では、個別の事例から、転職の背景や選考で評価された経験、転職先を選んだ理由を解説します。
INDEX
30代の弁護士の転職支援実績
アガルートキャリアが支援した30代の転職実績の一部を紹介します。事務所間の移籍だけでなく、企業内弁護士への転職、企業から法律事務所への転職、検察官から弁護士への転身も含めて掲載しています。
事務所から事務所へ転職
| 前職(年収) | 転職先(想定年収) | 年収の増減額 |
|---|---|---|
| 四大法律事務所 (2,000万円) |
企業法務系法律事務所 (1,700万円) |
-300万円 |
| 企業法務系法律事務所 (760万円) |
企業法務系法律事務所 (1,020万円) |
+260万円 |
| 一般民事系法律事務所 (700万円) |
一般民事系法律事務所 (1,080万円) |
+380万円 |
| 一般民事系法律事務所 (600万円) |
総合法律事務所 (810万円) |
+210万円 |
| 企業法務系法律事務所 (1,100万円) |
企業法務系法律事務所 (900万円) |
-200万円 |
事務所間の移籍には、企業法務系法律事務所間での移籍や、一般民事系事務所から企業法務も扱う事務所への移籍などがみられます。
事務所を選ぶ際は、報酬額とあわせて、担当できる案件の分野や規模、案件への関与の仕方を確認したいところです。後半で紹介する四大法律事務所出身者の事例では、担当分野を広げたいという希望と、結婚後の生活を見据えた働き方の見直しが、移籍の理由になっています。
事務所からインハウスへ転職
| 前職(年収) | 転職先(想定年収) | 年収の増減額 |
|---|---|---|
| 一般民事系法律事務所 (800万円) |
不動産会社 (870万円) |
+70万円 |
| 企業法務系法律事務所 (1,000万円) |
金融・決済サービス企業 (1,300万円) |
+300万円 |
| 企業法務系法律事務所 (1,500万円) |
IT企業 (1,060万円) |
-440万円 |
| 外資系法律事務所 (1,600万円) |
金融・決済サービス企業 (1,020万円) |
-580万円 |
| 企業法務・一般民事系法律事務所 (1,300万円) |
IT企業 (1,405万円) |
+105万円 |
法律事務所からインハウスへの転職では、企業法務系の事務所からの転職だけでなく、一般民事系の事務所からの転職事例も見られます。
インハウスを志望する理由には、当事者として事業に継続して関わりたいという希望や、勤務時間やリモートワークの可否を含めて働き方を見直したいといった理由が見られます。ただし、企業ごとに担当業務や勤務制度は異なるため、事業との関わり方や、出社頻度・勤務時間などの条件を確認する必要があります。
選考では、事務所で扱ってきた分野と企業の事業内容が重なるかどうかが重視されます。事務所からインハウスに移ると年収が下がると考える方も多いのですが、専門分野と企業のニーズが合えば、年収が上がるケースもあります。後半で紹介する企業法務系事務所出身者の事例でも、金融分野の経験を活かせる企業を選び、事務所時代とほぼ同じ年収水準を維持しています。
インハウスからインハウスへ転職
| 前職(年収) | 転職先(想定年収) | 年収の増減額 |
|---|---|---|
| IT・ECサービス企業 (850万円) |
M&A仲介会社 (1,250万円) |
+400万円 |
| IT企業 (800万円) |
信託銀行 (950万円) |
+150万円 |
| 不動産会社 (720万円) |
電子機器メーカー (750万円) |
+30万円 |
| 医療コンサルティング企業 (970万円) |
不動産管理会社 (840万円) |
-130万円 |
インハウス間での転職では、IT企業から金融機関、不動産会社からメーカーなど、異なる業界へ移る実績があります。IT・ECサービス企業からM&A仲介会社へ転職し、400万円の年収増となった事例もあります。
同じ法務の仕事でも、業界や企業の給与体系、ポジションによって報酬水準は異なります。M&A仲介業界への転職事例では、年収を大幅に上げることを最優先にしていたわけではなく、企業の将来性や、自身が成長できる環境を求めた結果、報酬も上がっています。
異なる業界を検討する際は、現在の企業で積んだ経験を応募先の業務にどう活かせるかとともに、その企業の事業を選ぶ理由を整理しておくとよいでしょう。担当範囲や法務組織の体制も確認することで、入社後に求められる役割を具体的に把握できます。
インハウスから事務所へ転職
| 前職(年収) | 転職先(想定年収) | 年収の増減額 |
|---|---|---|
| 金融業界 (900万円) |
法律事務所 (800万円) |
-100万円 |
| メーカー (800万円) |
法律事務所 (650万円) |
-150万円 |
一度インハウスになると事務所には戻れないと考える方もいますが、実際には戻る選択肢もあります。上記は、企業で法務を担当していた30代の弁護士が、法律事務所へ移った実績です。
より幅広い案件に関わりたい、専門性を高めたいといった理由が見られ、企業側で得たビジネスの理解は、クライアント対応にも活かせます。
検事から弁護士へ転職
| 前職(年収) | 転職先(想定年収) | 年収の増減額 |
|---|---|---|
| 検事 (1,000万円) |
法律事務所 (1,500万円) |
+500万円 |
| 検事 (800万円) |
法律事務所 (950万円) |
+150万円 |
| 検事 (800万円) |
金融業界 (800万円) |
– |
検察官から弁護士に転身する際は、法律事務所だけでなく、企業内で働く選択肢もあります。上記には、法律事務所へ移って年収が1,000万円から1,500万円になった事例や、金融業界の企業へ同程度の年収で移った事例があります。
検察出身者を歓迎する法律事務所もあり、条件が大幅に良くなるケースもあります。
30代の弁護士の転職事例解説
ここからは、30代の弁護士の転職事例を解説します。転職の背景や、年収や働き方の条件がどのように決まったかを、転職支援を担当したコンサルタントが説明します。
ご自身の経歴や希望に近い事例からご覧ください。
企業法務系の法律事務所からインハウスローヤーへ転職
企業法務系の法律事務所で約7年の経験を積んだ、30代半ばの弁護士の事例です。金融商品取引法や資金決済法を専門に扱い、出向先ではFinTechサービスに携わっていました。出向を通じて事業に継続して関わる仕事に関心を持ち、子育てとの両立も考えて、インハウスへの転職を希望しています。
アガルートキャリアへ相談した時点では、すでに複数の企業の最終選考に進んでいました。しかし、専門性を活かせるか、事業や社風が自身に合うか、報酬面で納得できるかという点に迷いがあり、別の選択肢も確かめたいと考えていました。
そこで、金融法務とFinTechの経験が業務につながるIT企業を紹介しました。他の企業では800万〜900万円程度の提示だったところ、最終的に選んだ企業では、事務所時代とほぼ同じ年収水準のオファーを得ています。条件交渉も行い、柔軟にリモートワークを活用できる環境へ転職しました。
この事例では、金融分野の専門性を活かせる業務と、本人が関わりたい事業が一致しています。選考が進んだ段階でも、専門性や希望条件に照らして候補を比較することが、納得できる転職先を選ぶことにつながりました。
30代弁護士が年収を下げずにITインハウスへ転職|ワークライフバランスとキャリアアップを両立した方法
一般民事系の法律事務所からインハウスローヤーへ転職
一般民事系の法律事務所から、不動産会社のインハウスへ転職した30代の弁護士の事例です。弁護士として約2年の経験を積み、地方の拠点長として、法律実務に加えて採用・営業・経営管理などの事務所運営にも携わっていました。
顧問先からの法務相談などを通じ、企業の内部から事業や経営に関わる仕事を希望するようになりました。連日深夜に及ぶ業務が続いていたため、働き方を見直したいという考えもありました。
転職先は、法務体制を強化するために専門人材を採用していた不動産会社です。企業法務の経験に加え、拠点運営で培った経験や、入社後の成長への期待が評価されました。当初は現年収より100万〜150万円程度下がる可能性を見込んでいましたが、選考を通じて経営陣の評価が高まり、結果的に年収が上がるオファーを得ています。
一般民事系の出身であっても、顧問先への対応や事務所運営など、応募先に伝えられる経験があります。この事例は、経験を具体的に説明することで、求人票の想定条件よりも良い提示につながった例といえます。
一般民事系事務所からインハウスローヤーへ転職 若手弁護士でも異例の年収アップが叶った背景
インハウスからインハウスへ転職し年収400万円アップ
法律事務所での勤務と独立を経て、IT・EC業界のインハウスとして2年強働いた30代の弁護士の事例です。前職の企業の成長が鈍化し、自身の今後の成長にも不安を感じたことから、再び転職を考えました。
本人が優先していたのは、企業の将来性や事業への関心でした。ITに限らず、バイオサイエンスやエネルギーなどにも関心を持ち、幅広い業界を比較しています。その中からM&A仲介業界の企業へ転職し、年収が400万円上がっています。
支援では、応募先ごとの志望動機を明確にすることに取り組みました。複数の業界を受ける場合でも、企業を選ぶ共通の基準と、それぞれの事業に関心を持つ理由を説明できるように整理しています。
この方は、前職でM&Aの実務経験が豊富だったわけではありません。事例から参考にできるのは、企業の将来性を軸に選択肢を広げ、応募先を選ぶ理由を明確にしていた点です。業界を変える転職を考える際も、まずは自身が関心を持つ事業や、企業を選ぶ基準を整理することが出発点になります。
M&A仲介業界のインハウスローヤーへ転職し、年収400万円アップした弁護士の転職事例
四大法律事務所から外資系法律事務所へ転職
四大法律事務所で6〜7年の実務経験を積んだ、30代のアソシエイト弁護士の事例です。年収は2,000万円台半ばに達していましたが、結婚後の家庭生活を考えて働き方を見直すとともに、特定の専門分野に限らず、担当する案件の幅を広げたいと希望していました。
アガルートキャリアは、その希望に合う外資系法律事務所を2つ紹介しました。正式な選考に先立ち、代表パートナーとのカジュアル面談を設定し、互いを知る機会を設けています。紹介先は、現在の年収水準を維持でき、希望に応じてさまざまな案件に関われるほか、キャリアについてパートナーと相談できる環境でした。
両方の事務所から内定が出た後は、今回の転職で実現したかったことや、将来どのような弁護士になりたいかを整理し、一方の事務所への入所を決めました。
この事例では、報酬水準を維持することに加え、案件への関わり方やパートナーとの相性を確かめた点が参考になります。事務所名や提示額だけでは把握しにくい勤務環境を、面談と情報収集を通じて比較しています。
四大法律事務所から外資系法律事務所へ|高年収とワークライフバランスを両立させたアソシエイト弁護士の転職
社会人で司法試験合格後に事務所を経てPEファンドへ転職
一般企業と証券会社で勤務した後に司法試験に合格し、地方の法律事務所を経て大手PEファンドへ転職した、30代後半の弁護士の事例です。証券会社では売買審査やコンプライアンスを担当し、事務所ではM&Aのデューデリジェンス、金融規制への対応などに携わっていました。
金融分野の仕事に戻り、より大きな案件に関わりたいという希望から、40歳を前に相談しています。当初は適した求人がなかったため、数か月間、募集の動きを確認しながら機会を待ちました。
採用したファンドが求めていたのは、投資拡大に伴うコンプライアンスやガバナンスの体制づくりを担える人材でした。本人の金融コンプライアンスの経験がその業務に合い、まず得意分野で貢献し、段階的に投資取引に関わる業務へ担当範囲を広げる方針で合意しています。
年収は法律事務所時代から数百万円上がりました。この事例では、証券会社と事務所の両方で積んだ経験を、ファンドの募集業務につなげています。希望する分野への入口を考える際は、現在の強みを活かせる役割から検討する方法もあります。
地方法律事務所から大手PEファンドに転職した弁護士
転職を検討している30代の弁護士の方へ
アガルートキャリアは、弁護士・法務人材を専門とする転職エージェントです。法律事務所からインハウス、インハウスから事務所まで、転職の方向性を問わずご相談いただけます。
30代の転職では、これまでの専門分野と転職先の組み合わせによって、年収や働き方の条件が変わります。専門のコンサルタントが、ご経歴と希望をうかがったうえで、非公開求人を含めた選択肢をご提案します。応募先の選定だけでなく、面接の準備や条件の交渉もお任せいただけます。
転職するかどうかを決めていない段階でも、すでに他社の選考が進んでいる段階でも構いません。セカンドオピニオンとしてのご相談も歓迎しています。まずはお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
弁護士専門の転職エージェントが、 自身では探せない非公開求人をご提案
大手事務所、外資、インハウスなど
多数の非公開求人を保有
- 4大法律事務所
- アソシエイト年収1,200〜2,000万
- 外資系法律事務所
- アソシエイト年収1,400〜3,000万+ボーナス
- 中堅法律事務所
- アソシエイト年収800〜1,000万
- 財閥系総合商社
- インハウスローヤー年収1,200〜1,500万
- 信託銀行
- インハウスローヤー年収900〜1,400万
- PEファンド
- アドミ担当(リーガル)年収1,300〜2,000万+特別賞与


